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投資信託で確定申告が必要なときの書き方。収益の扱いも解説します

投資信託の運用で利益を得た場合に、確定申告が必要になるケースがあります。どのようなときに確定申告が必要なのか、具体例と確定申告書の書き方を理解しておきましょう。また、NISAで投資信託を運用している場合の注意点も解説します。

この記事の目次

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投資信託と分配金

投資信託を運用していると『分配金』を受け取ることがあります。分配金は収入にあたるため課税対象です。よって、分配金を受け取ったときには、確定申告が必要になることがあります。

正しく申告しないと、延滞税などのペナルティーが発生する可能性もあるので、どのようなときに確定申告が必要なのかを把握しておきましょう。

投資信託とは

投資信託とは、投資家が投資した資金を資産運用の専門家が運用し、発生した運用益を投資額に応じて投資家に分配するという金融商品です。

投資信託はさまざまな株式や債券などがひとまとめになったパッケージ商品で、分散投資を基本としているので、株式などと比較するとリスクが少ないというメリットがあります。

そもそも投資信託とは? - 投資信託協会

分配金の受取時に確認すること

投資信託の分配金を受け取るときには、分配金に課せられる税金に関して、『源泉徴収』『総合課税』『申告分離課税』のどれを選択したか確認しておきましょう。

  • 源泉徴収:所得(※)に課せられる税金を、事業者が天引きする制度
  • 総合課税:1年間で得た所得を合計し、その合計額に対する税額を計算する制度
  • 申告分離課税:ある所得について、他の所得とは合計せずに個別に税額を計算する制度

投資信託の運用を始めるときには、証券会社に口座を開設する必要があります。そのとき、どの制度で税金を申告、納付するのかを選択しなくてはなりません。そして、どれを選択したかによって、確定申告の有無が決まります。

(※所得とは、収入額から必要経費や給与所得控除を差し引いた金額のことです)

総合課税や申告分離課税は確定申告

総合課税や申告分離課税を選択した場合は、確定申告が必要です。総合課税を選んでいる場合、分配金や給与、事業所得など、自分が得ているすべての所得の合計額とそれに対する所得税額を算出し、確定申告書を作成します。

申告分離課税を選んでいる場合は、給与や事業所得などとは別に、分配金による所得額とそれに対する所得税額を算出して、確定申告書を作成します。

分配金20万円以下は確定申告不要

総合課税や申告分離課税を選択した人が分配金を受け取ったら、必ず確定申告をしなくてはならないわけではありません。給与所得者などで、1年間で得た分配金が20万円以下の場合は確定申告不要です。

ただし、自営業者などは『副業』という概念が認められません。よって、分配金が20万円以下であっても、確定申告の際には分配金を含めた所得額を申告する必要があります。(※)

(※事業所得と分配金の合計額が基礎控除の38万円以下の場合は、自営業者でも確定申告不要です)

投資信託の売却益の扱い

投資信託を購入時の価額より高く売却した場合、売却益が発生します。売却益も、当然収入とみなされるので課税対象です。ここでは、売却益を得た場合の確定申告について見ていきましょう。

多くの場合は確定申告しなくてよい

多くの場合、投資信託の売却益を得ても確定申告をする必要はありません。2003年に『特定口座制度』が導入されたためです。

特定口座制度とは、上場株式等の取引によって利益を得た場合の確定申告の手間を軽減するための制度のことをいいます。

この制度を利用するには、証券会社に『特定口座』を開設し、その口座内で金融商品の取引をしなくてはなりません。特定口座とは何なのか、なぜ確定申告が必要なくなるのか、詳細を見ていきましょう。

No.1476 特定口座制度|国税庁

特定口座の源泉徴収あり口座

証券会社に開設する口座には、以下の3種類があります。

  • 一般口座
  • 特定口座の源泉徴収あり
  • 特定口座の源泉徴収なし(簡易申告口座)

一般口座とは、資産の管理や損益の計算、税額の計算や申告、納税などを、投資家がすべて自分で管理しなくてはならない口座のことです。対して、特定口座は資産の管理や損益の計算、税額の計算などを証券会社が管理してくれます。

特定口座には『源泉徴収あり』と『源泉徴収なし』の2種類があり、源泉徴収ありを選択すると、税金の申告・納付まで証券会社が済ませてくれるため、確定申告が不要になるのです。

簡易申告口座と一般口座は確定申告が必要

簡易申告口座、または一般口座を選択した場合は、確定申告が必要です。簡易申告口座を選択した人は、税額の計算までは証券会社が済ませてくれます。

証券会社から取引内容や税額などを記載した『年間取引報告書』が届くので、それをもとに確定申告をしましょう。

一般口座を選択している人は、年間取引報告書の発送などはありません。自分で年間の利益や損失、税額などを計算し、確定申告を済ませましょう。

源泉徴収あり口座でも申告が必要になるケース

特定口座の源泉徴収ありを選択している場合、基本的に確定申告は必要ありません。しかし、特定口座の源泉徴収ありを選択している人でも、確定申告が必要になるケースがあります。

No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除|国税庁

複数口座の損益の通算

証券口座を複数保有していて損益通算をする人は、特定口座の源泉徴収ありを選択していても確定申告が必要です。損益通算とは、複数の証券口座の利益と損失を通算することです。

金融商品の運用で利益を得ると、その利益に対して20.315%の税金がかかります。仮に、年間100万円の利益を得ると、20万3150円の税金が課せられるということです。

しかし、別の証券会社の口座で80万円の損失が出ていれば、それを通算して年間20万円の利益ということにできます。すると、税額が4万630円と大幅に軽減できるのです。

損失の繰り越し

損失を繰越控除する場合も確定申告が必要です。損失の繰越控除とは、損益通算後に残った損失を、翌年以降3年間の利益から差し引ける制度のことをいいます。

仮に、A証券口座で100万円の利益、B証券口座で200万円の損失が出たとしましょう。この場合、損益通算後も100万円の損失が残ります。この残った100万円の損失を翌年以降3年間の利益から差し引くことで、翌年以降の税額を軽減できるのです。

もし、翌年の利益が100万円だった場合、前年の損失100万円を差し引くと利益が0円になるので、税額も0円になります。

NISAは非課税

NISA(ニーサ)口座で投資信託を運用している人は、どれだけ利益を得ても非課税です。ただし、配当金や分配金の受け取り方によっては税金が発生し、確定申告が必要になる場合があります。

NISAとは

NISAとは、少額投資をする個人を対象とした税制優遇制度です。証券会社にNISA口座を開設し、その中で金融商品を運用すると、利益に対する税金が非課税になります。

ただし、非課税で運用できるのは年間120万円まで、期間は最長5年間(※)に限定されています。また、購入した金融商品を売却しても非課税枠は回復しないほか、使い切れなかった非課税枠を翌年に持ち越すことはできません。

(※5年間経過後に、課税対象となった金融商品を翌年の非課税枠に移換するロールオーバーという手続きすると、そこから追加で5年間非課税で運用できます)

NISAとは?: 金融庁

配当金受け取り方法によっては課税対象

NISA口座を利用していても、配当金や分配金の受け取り方法によっては税金が発生するので注意が必要です。配当金や分配金の受け取り方法には、以下の3種類があります。

  • 配当金領収証方式:ゆうちょ銀行、または郵便局の窓口に『配当金領収証』を提出し、現金で配当金や分配金を受け取る方法
  • 登録配当金受領口座方式:あらかじめ指定した銀行口座に配当金や分配金を振り込んでもらう方法
  • 株式数比例配分方式:証券口座に配当金や分配金を振り込んでもらう方法

上記のうち、税金を非課税にできるのは、『株式数比例配分方式』で配当金や分配金を受け取った場合のみです。他の方法で配当金や分配金を受け取ると税金が発生し、確定申告が必要になります。

確定申告の書き方

投資信託による利益や損失について確定申告する場合、以下のような書類を税務署に提出します。

利益の申告 損失の申告
・確定申告書第一表、第二表、第三表(分離課税用)
・株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
・年間取引報告書
・本人確認書類
・マイナンバー確認書類
・源泉徴収票(給与所得者などの場合)
・確定申告書第一表、第二表、第三表(分離課税用)
・株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
・申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の繰越用)
・年間取引報告書
・本人確認書類
・マイナンバー確認書類
・源泉徴収票(給与所得者などの場合)

ここでは、以下の書類の書き方を解説します。

  • 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
  • 確定申告書第三表
  • 申告書付表

平成29年分株式等の譲渡所得等の申告のしかた(記載例)|国税庁

利益を申告する書き方

投資信託から得た利益について申告する場合、まずは『株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書』を作成します。

 

出典:株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書

年間取引報告書がある場合は、それを参考に必要事項を埋めていきましょう。なお、特定口座を開設している証券会社が1社のみの場合は、株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書の代わりに、年間取引報告書を提出するだけで申告可能です。

次に、確定申告書第三表を作成します。

平成30年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書(分離課税用) 第3表

出典:所得税及び復興特別所得税の申告に使用する申告書第三表(分離課税用)様式の解説 平成30年分 松本寿一税理士事務所

氏名や住所などを記入したら、株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書を参考に、投資信託による収入額や所得額を埋めていきましょう。

損失を申告する書き方

投資信託による損失を申告するときには、『申告書付表(上場株式等に係る譲渡損失の繰越用)』を作成します。申告書付表は1面と2面があるので、どちらも忘れずに記入しましょう。

まずは1面の上部に住所と氏名を記入します。そして、年間取引報告書の『譲渡に係る年間取引損益及び源泉徴収税額等』の欄の、上場分と特定分の合計額を、1面の(1)に書き写しましょう。

所得税の確定申告書付表 上å´æªå¼ç­‰ã«ä¿‚る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用 (1面)

出典:株式等に係る譲渡所得等の計算明細書及び確定申告書付表の様式 平成30年分 松本寿一税理士事務所

そして、(2)には利益を得た会社名やその金額などを書いていきます。(3)は書類内の指示に従って損失額などを計算し、その金額を記入します。

2面では、今回繰越控除する損失が発生した年度の欄に損失額を記入し、最後に各年度の損失額の合計を記入しましょう。

所得税の確定申告書付表 上å´æªå¼ç­‰ã«ä¿‚る譲渡損失の損益通算及び繰越控除用 (2面)

出典:株式等に係る譲渡所得等の計算明細書及び確定申告書付表の様式 平成30年分 松本寿一税理士事務所

まとめ

投資信託の運用で利益を得ても、特定口座の源泉徴収ありを選択していたり、NISA口座を利用していたりすれば、確定申告は必要ありません。

しかし、配当金などの受け取り方法を間違えたり、損益通算をしたりする場合は、これらの口座でも確定申告が必要です。

確定申告を忘れると延滞税などのペナルティーが発生する可能性があるので、確定申告が必要になるケースをしっかり把握しておきましょう。

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