1. Fincyトップ
  2. 投資
  3. 投資信託
  4. 投資信託を解約したい場合どうする?解約のタイミングとその後の流れ

投資信託を解約したい場合どうする?解約のタイミングとその後の流れ

投資信託の運用においては、解約についても知っておくことが大切です。本記事では、投資信託を解約するタイミングについて、詳しく解説します。解約に関する手続き方法や、税金の申告方法も、併せて見ていきましょう。

この記事の目次

投資信託の仕組みをおさらい

『投資信託』とは、投資家が投資した資金を使い、運用会社が運用し利益を投資家に還元する金融商品です。投資信託で投資する資産の一例は、以下のとおりです。

  • 債券
  • 株式
  • 不動産(REIT:リート)
  • コモディティ(※1)

投資信託には、上記の一つの資産に投資しているものだけでなく、複数の商品に分散投資(※2)しているものなど、さまざまな商品があります。ここではまず、投資信託の基本事項を見ていきましょう。

(※1:コモディティとは、商品先物取引で取引される、エネルギーや貴金属、穀物などの商品です)

(※2:分散投資とは、投資先を一つに限定せず、複数の資産にわけて投資することです。これにより、値下がりなどにより資産が減るリスクを分散する効果があります)

そもそも投資信託とは?  投資信託協会

さまざまな投資対象に少額から投資できる

投資信託の魅力の一つは、少額ずつさまざまな商品に投資できる点です。投資信託は、多くの投資家から資金を集めて運用が行われます。

これにより、商品によっては1万円などの少額から投資できる他、販売会社(※)によっては、100円からの投資も可能です。

また、投資信託は、運用会社が複数の銘柄に分散投資をしています。一つの投資信託に投資をするだけでも、複数の銘柄に分散投資する効果があるため、リスクを抑えた運用が可能だといえるでしょう。

(※販売会社とは、投資信託を販売する金融機関のことです。銀行や証券会社などがあります)

いつでも購入や解約ができるの?

投資信託は、ファンドによって購入や解約ができる時期が異なります。投資信託を選ぶ際には、売買できる時期を確認しましょう。

なお、投資信託の購入および解約手続きは、販売会社を通じて行わなければなりません。手続きは、以下のいずれかで行います。

  • 店舗窓口
  • 郵送
  • 電話
  • ホームページ

手続きに不安がある人は、窓口や電話での手続きが安心です。時間や場所を選ばず、自分で手続きをしたい人は、販売会社ホームページが便利でしょう。

追加型、単位型の意味とは

投資信託には、『追加型(オープン型)』と『単位型(ユニット型)』があります。それぞれの特徴は、以下のとおりです。

  • 追加型:原則として、投資信託が運用されている期間は、いつでも購入できる
  • 単位型:投資信託の運用がスタートする期間(当初募集期間)にのみ購入できる

クローズド期間以外は原則解約可能

追加型と単位型のどちらの投資信託も、原則としていつでも解約ができます。ただし、クローズド期間中は解約できません。

クローズド期間は、投資信託の運用開始からしばらくの間(3カ月~1年程度)、資金の流出を防ぎ運用を安定させる目的で設定されます。クローズド期間の有無や長さは、各ファンドの目論見書(※)で確認しましょう。

なお、以下の特別の理由がある場合は、クローズド期間中でも販売会社が買い取ることでの換金が可能なこともあります。

  • 受益者が死亡した
  • 受益者が災害などにより、財産の大部分を失った
  • 受益者が疾病などにより、生計を維持できなくなった

(※目論見書(もくろみしょ)とは、投資信託の売買に必要な重要事項が記載された書類です)

解約するタイミングのチェックポイント

投資信託の運用を上手に行うには、解約のタイミングについて知っておくことが大切です。ここでは、投資信託の解約を考えるポイントを紹介します。

投資の目標に達成または近付いているか

投資信託の解約のタイミングとして考えられるのは、目標とする利益を得たもしくは、利益の達成に近づいたときです。投資信託で得られる利益には、以下の二つがあります。

  • 分配金
  • 譲渡益

分配金とは、投資信託の運用で得た利益を、ファンドの決算ごとに投資家に還元するものです。分配金の有無や金額は、決算により決まります。

譲渡益は、購入時の基準価額(※)よりも値上がりした状態で解約した場合に得られる、差益です。

分配金の累計額や譲渡益を計算し、目標とする運用成績に近づいてきたときは、ファンドの解約を検討するタイミングだといえるでしょう。

(※基準価額とは投資信託の値段のことで、1口もしくは1万口当たりで示されます。基準価額は、1日1回算出されます)

投資内容を見直す必要があるか

投資の内容を見直す必要がある場合も、保有するファンドの解約を考えるタイミングです。

一般的に、投資信託を始めるにあたっては、投資経験や投資目的により、どの資産にどのくらいの割り合いで投資するかを決めます。例えば、債券に投資するファンドに50%、株式に投資するファンドに50%といった具合です。

しかし、運用がスタートすると運用成績によって比率が崩れてしまうため、運用スタート時に決めた比率に戻す調整を、定期的に行わなければなりません。

投資の比率を整えるために、保有するファンドの解約が、場合によっては必要となるのです。

損失が大きくなりそうなときはどうする

投資信託の基準価額は、毎日変動しています。運用成績によっては、基準価額が購入時よりも下がり、含み損の状態となることも考えられます。

保有しているファンドに含み損が出ているときには、市場の動向や運用実績をよく確認し、解約するかを決めることが大切です。

解約するかを判断するポイントの一つに、運用方針の似たファンドの運用実績との比較があります。

類似のファンドよりも著しく運用成績が悪い場合には、保有するファンドの運用がうまくいっていない可能性があります。その場合は、保有するファンドを解約するのも選択肢の一つです。

リスク許容度を超え損切りが必要か

投資信託の運用では、あらかじめ許容できるリスクの度合いを決めておくことが重要です。投資家が決めた損失のラインよりも、運用による損失が大きくなったときには、解約も考えましょう。

買取請求と解約請求は税制上の違いはない

投資信託の売却には、以下の二つがあります。

  • 買取請求
  • 解約請求

買取請求・解約請求のどちらも、税制上の違いはありません。また、解約・買取請求のどちらを選んでも、譲渡損益を損益通算できます。では、買取請求と解約請求には、どのような違いがあるのでしょう。

投資信託の「解約」と「買取請求」の違いは何ですか?|よくあるご質問

買取請求は証券会社へ譲渡する

買取請求では、投資家の受益権は販売会社に売却され、売却代金は販売会社から投資家に支払われます。その後、販売会社は委託会社(運用会社)に解約を請求し、売却します。

解約請求は投資信託から取り崩して換金

解約請求は、販売会社を通じて、委託会社に解約を請求する方法です。売却代金は投資信託の資産を取り崩して支払われるため、ファンドの信託財産が減少します。

投資信託の解約と入金の流れ

投資信託の解約手続きは、預貯金の解約手続きとは異なる点があるため、注意が必要です。

当日注文となる扱い時間を確認しよう

投資信託の解約は、ファンドにより受付時間が決まっています。受付時間を過ぎると、翌日扱いとなり、解約手続きが1日遅れるため注意しましょう。

多くのファンドでは、当日扱いとなる時間が15時となっていますが、ファンドによっては受付時間が異なります。また、販売会社の休業日や海外の市場が閉まっている日は、翌営業日扱いとなります。

いつの扱いになるかにより、売却代金の計算に使用される基準価額に差が出るため、解約手続きのスケジュールはあらかじめ確認しておくことが大切です。

いくらで売れたか入金前に知りたいときは?

投資信託を売却したときの基準価額を知りたい人は、解約申込日の翌日(もしくは翌々日)以降に、以下で確認します。

  • 販売会社もしくは運用会社のホームページ
  • 販売会社もしくは運用会社の窓口・コールセンター
  • 新聞のマーケット欄

なお、投資信託の売却代金は、以下の式で求められます。

  • 売却代金=(基準価額-信託財産留保額(※))×売却口数÷10000口

よって、適用される基準価額と売却した口数が分かっていれば、入金前に売却代金を知ることが可能です。

(※信託財産留保額とは、投資信託の解約時にかかる手数料です。投資信託の有無や金額は、ファンドにより決まっています)

入金までにかかる日数は?

投資信託の解約代金は、解約申込日には入金されません。詳細は、各ファンドの目論見書で確認しましょう。

解約当日から数日から1週間強かかる

解約から入金までに要する日数は、ファンドにより異なります。MRF(エムアールエフ※)など、翌日に売却代金が入金される投資信託もありますが、ファンドによっては5日~1週間程度かかります。

売却代金の使い道が決まっている人は、解約にかかる日数をあらかじめ確認し、計画的に手続きすることが重要です。

(※MRFとは、安全性が高い公社債などで運用される投資信託です。売買手数料がかからないファンドが多く、解約の翌日に売却代金が入金されるため、比較的流動性が高い投資信託だといえます)

解約するときにかかる費用

投資信託は少額でも投資ができ、運用をプロ(運用会社)に任せるため、初心者でも始めやすい金融商品とされます。ただし、投資信託の運用には、いくつかのコストがかかります。

ここでは、投資信託の運用に必要なコストである、解約時の手数料および税金について解説します。

信託財産留保額は負担が少ないことが多い

信託財産留保額とは、投資信託を解約したときに、投資家が支払う手数料です。投資家から解約を請求されると、ファンドは保有する資産の一部を解約し、売却代金を調達します。

この売却代金の調達のためにかかる費用を調達するのが、信託財産留保額です。信託財産留保額は、売却代金とは別に投資家が支払うわけではなく、売却代金を計算する際に基準価額から差し引いて支払います。

信託財産留保額の有無や金額は、ファンドにより異なります。多くの投資信託では、信託財産留保額がないもしくは、0.3%など少ない金額に設定されています。

解約手数料は商品により異なる

解約手数料は、解約時に販売会社に支払う手数料です。解約手数料を設定しているファンドは多くありませんが、ファンドによってはいくらかの手数料が必要です。詳細は、目論見書で確認しましょう。

利益は譲渡所得として税金がかかる

投資信託を購入時よりも高い基準価額で売却した場合、譲渡益を得られます。譲渡益には、原則として20.315%(※1)の税金を納めなければなりません。

例えば、手数料を除き10万円で購入した投資信託を12万円で売却した場合、4063円(2万円×20.315%)が税金として引かれます。

なお、NISA(ニーサ※2)口座で取引をする投資信託は、譲渡益や分配金にかかる税金が非課税です。税金を抑えて効率のよい運用を目指したい人は、NISA口座での取引も検討しましょう。

(※1:分配金および譲渡益にかかる税率は通常20%ですが、37年までは復興特別所得税がかかるため、20.315%です)

(※2:NISAとは、投資信託から得られる分配金や譲渡益が非課税となる制度です。毎年120万円を新規投資金額の上限とし、最長5年間非課税を受けられます)

消費税については国税庁のHPにも記載あり

投資信託の運用で得た譲渡益は、消費税の対象ではありません。詳細は国税庁HP(ホームページ)で確認しましょう。

No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法|国税庁

投資信託を解約した後の申告について

投資信託の解約において、確定申告が必要かどうかは、取引する口座の種類により異なります。投資信託を取引する口座は、以下の3種類です。

  • 特定口座(源泉徴収あり)
  • 特定口座(源泉徴収なし)
  • 一般口座

投資家は、利用している口座の種類や運用成績などによって、必要に応じて確定申告をしなければなりません。そのためにも、それぞれの口座の特徴を知っておくことが大切です。

特定口座の仕組みとメリット | 三菱UFJ銀行

源泉徴収なしの場合は確定申告が必要?

口座ごとの特徴を、下表にまとめます。

特定口座
(源泉徴収あり)
特定口座
(源泉徴収なし)
一般口座
譲渡益の納税 源泉徴収(※1)される 確定申告が必要
年間取引報告書の作成 あり なし
損益通算(※2) 口座内の譲渡損益および分配金は自動で行われる 確定申告が必要

『特定口座(源泉徴収なし)』の口座で譲渡益が出たときや、損益通算をしたいときは、確定申告が必要です。販売会社から発行される年間取引報告書を用いて行いましょう。

『一般口座』での取引も確定申告が必要ですが、年間取引報告書が発行されないため、取引の内容を投資家自身が計算して申告します。

(※1:源泉徴収とは、利子・配当・給与・報酬などの所得を支払う人が、支払い時に所得税額を計算し、その税金額を支払金額から差し引くことです)

(※2:損益通算とは、一定期間内の利益と損失を相殺することで、税金を減らすことです)

損失が出た場合も確定申告しよう

先述のとおり、投資信託の譲渡損益および分配金は、損益通算ができます。以下のケースで損益通算を希望する人は、確定申告をしましょう。

  • 特定口座(源泉徴収あり)と、その他の口座の取引を損益通算したい場合
  • 特定口座(源泉徴収なし)および、一般口座内の取引を損益通算する場合

また、損益通算しても控除しきれない損失がある場合は、翌年以後3年間にわたり、損失の繰り越しができます。損失を繰り越す場合には、毎年確定申告が必要です。

No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除|国税庁

法人や個人事業主における解約後の経理処理

最後に、法人や個人事業主が投資信託を解約した際の、経理処理を解説します。

No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)|国税庁

個別元本を確認し譲渡所得の収入金額を計算

法人や個人事業主が経理処理するには、まず譲渡所得金額を計算しなければなりません。譲渡所得金額は、以下の式で求めます。

  • 譲渡所得金額=売却金額-(取得費+手数料)

投資信託においては、個別元本が取得費の計算に用いられます。個別元本とは、投資家ごとの投資信託の購入金額です。購入時に支払った手数料などは、含まれません。

同じファンドを買い増したり、分配金の再投資や特別分配金の支払いなどが行われたりすると、個別元本の調整が行われます。

現在の個別元本を知りたい人は、販売会社の窓口に問い合わせましょう。販売会社HPの投資家ごとのマイページでも確認可能です。

所得金額と損益が分かるように仕訳しよう

投資信託の仕訳は、下表のように行います。

借方科目 金額(円) 貸方科目 金額(円)
普通預金 入金額 投資有価証券 簿価(取得金額)
投資有価証券売却損益 損益額

例えば、簿価が100万円の投資信託を150万円の価格で売却し、4万5000円の手数料が引かれたとします。この場合の仕訳は、下表のとおりです。

借方科目 金額(円) 貸方科目 金額(円)
普通預金 145万5000 投資有価証券 100万
投資有価証券売却益 45万5000

まとめ

投資信託の解約では、所要日数や手数料といった詳細が、ファンドにより異なります。解約をする前に、目論見書で詳細を確認し、計画的に手続きを進めましょう。

保険・住宅ローン、お金の悩み、現在の家計・老後の家計や将来が
気になるという方は、「お金の専門家」に相談するために、まずは
ライフプランを作成してみましょう。

関連するお金の記事

関連するお金の相談

  • 現在積立投資信託をやり始め、3か月目になります

    現在積立投資信託をやり始め、3か月目になります。金融機関に勤めていまして、投資信託の販売も始まったのでそれなりに勉強はしておりますが、買い時が分かっていて...

    20代 / 女性 / 福岡県 / 年収 301-400万円 / 既婚

  • 積立投信の解約の時期について

    お世話になります。私はかれこれ10年弱くらいの間、いわゆる積立投信という方法で、資産運用をしてきました。景気の良し悪しで途中、マイナス収支になっていた時期...

    30代 / 男性 / 埼玉県 / 年収 601-700万円 / 既婚

投資信託の人気記事

カテゴリ

投資