投資信託の主な手数料
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を運用会社(※1)が運用し、利益を投資家に還元する運用商品です。投資信託の運用では、主に以下の手数料がかかります。
手数料の種類 | 詳細 | 支払われる先 |
購入手数料 | 投資信託の購入時に必要な手数料 | 販売会社(※2) |
信託報酬 | 投資信託の管理・運用に必要な手数料 | 販売会社・運用会社・信託銀行(※3) |
信託財産留保額 | 投資信託の解約時に必要な手数料 | 信託財産に留保される |
解約手数料 | 販売会社 |
ここでは、購入手数料と信託報酬について、詳しく見ていきます。
(※1:運用会社は、投資信託の運用方針を決定し、信託銀行に金融商品の売買を指図します)
(※2:販売会社とは、投資信託を販売する銀行や証券会社などの金融機関です)
(※3:信託銀行は、投資家から集めた資金を管理し、運用会社の指図のもと、金融商品の売買をします)
投資信託の仕組み - 投資信託協会
投資信託のコスト - 投資信託協会
購入手数料
購入手数料は、投資信託を購入する際に販売会社に支払う手数料です。例えば、購入手数料3%(税抜)の投資信託を10万円購入したとすると、3000円(税抜)の購入手数料が必要となります。
購入手数料は銘柄により決まっており、詳細は目論見書(もくろみしょ※)で確認が可能です。
また、販売会社によっても手数料額が異なるため、同じ銘柄を購入したとしても、手数料額が変わることがあります。
(※目論見書とは、投資信託の売買に必要な重要事項が記載された書類のことで、投資信託の購入前に配布されます)
信託報酬
信託報酬は、投資信託の管理や運用に必要な手数料です。保有している期間中は必要なため、コストを抑えた効率のよい運用を目指すには、信託報酬の低い銘柄選びが重要です。
信託報酬が低いとされる投資信託には、以下のものがあります。
- インデックスファンド
- ETF(イーティーエフ※1)
投資信託は、運用の方法により『インデックスファンド』と『アクティブファンド(※2)』に分けられます。
特定の指標に連動する成績を目指すインデックスファンドは、市場や企業の調査・分析の手間が比較的少ないため、手数料が低く設定されています。
また、市場から直接売買をするETF(上場投資信託)は、販売会社を通さないため、通常の投資信託よりも手数料が割安です。
(※1:ETFとは、証券取引所に上場し、株価指数などに代表される指標への連動を目指す投資信託です)
(※2:アクティブファンドとは、運用会社独自の銘柄選択や資産配分により、特定の指標以上の投資成果を目指す投資信託です)
インデックスファンド│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券
ETFの特色 | ETF(上場投資信託)|日興アセットマネジメント
手数料の比較
ここからは、販売会社ごとの手数料の違いについて詳しく解説します。
銀行も証券会社も窓口は高い
投資信託を購入できるのは、以下の販売会社です。
- 銀行(窓口)
- 証券会社(窓口)
- ネット銀行およびネット証券
窓口や店舗がある銀行や証券会社は、スタッフに直接相談しながら取引ができるため、投資初心者など安心して取引をしたい人におすすめです。
ただし、店舗維持費や人件費がかかる分、手数料が高く設定される傾向にあります。
窓口よりもネットがお得
ネット銀行やネット証券は、店舗や窓口を持っておらず、インターネットで手続きが完結する金融機関です。
そのため、銘柄選定や取引の手続きなどを、自分で行わなければなりませんが、手数料は比較的安く設定されています。投資経験があり、コストを抑えた運用を目指す人は、検討してみるとよいでしょう。
手数料の安いファンドを多く扱う金融機関
投資信託の中には、購入手数料が無料の『ノーロード投信』があります。ここでは、2018年9月25日現在において、ノーロード投信を多く扱う証券会社を紹介します。
楽天証券
『楽天証券』の投資信託取扱本数は、以下の通りです。
項目 | 本数 |
取扱総数 | 2640 |
ノーロード投信 | 1321 |
楽天証券では、取引の状況によりポイントが貯まるサービスがあります。貯まったポイントは、投資信託の購入や楽天グループの他のサービスで利用可能です。
SBI証券
『SBI(エスビーアイ)証券』での投資信託取扱本数は、以下の通りです。
項目 | 本数 |
取扱総数 | 2634 |
ノーロード投信 | 1304 |
SBI証券は、投信積立のサービスが充実している点が魅力です。SBI証券で投信積立を行うメリットには、以下が挙げられます。
- 購入手数料のキャッシュバックが受けられる
- 選べる積立の頻度が充実している
積立の購入手数料がキャッシュバックされるため、ノーロード投信以外の銘柄でも、購入手数料無料で運用できます。
また、積立の頻度を、毎日・毎週・毎月・複数日・隔月から選べるため、運用目的や資産状況に合わせた投資が可能です。
マネックス証券
『マネックス証券』の投資信託取扱本数は、以下の通りです。
項目 | 本数 |
取扱総数 | 1145本 |
ノーロード投信 | 722本 |
マネックス証券は、外国の資産へ投資する銘柄の取扱が多く、米国ETFは272本、中国ETF・REIT(リート※)は48本の取り扱っています。外国の資産への投資を検討している人は、マネックス証券がおすすめです。
(※REITとは、複数の不動産を運用し、賃貸収入や売買益を投資家に分配する投資信託です)
まとめ
投資信託の運用には、主に購入手数料・信託報酬・信託財産留保額がかかります。手数料の有無や金額は銘柄により異なるため、詳細は目論見書を確認しましょう。
また、手数料は、販売会社によっても異なります。手数料を抑えて効率のよい運用を目指すには、取引する金融機関をしっかりと選ぶことも重要です。