投資信託とマイナンバーの関係
まずは、マイナンバー制度の概要と、投資信託の取引にマイナンバーが必要な理由を解説します。
マイナンバーとは?
マイナンバーとは、2016年1月から開始された『マイナンバー制度』により、国民1人1人に割り振られた12桁の番号のことです。
社会保障や税、災害対策に必要な情報をマイナンバーで一括管理することで、行政処理をスムーズに進めることを目的としています。各自のマイナンバーは、『マイナンバー通知カード』によって通知されています。
出典:鹿沼市 通知カード
総論 : 内閣府番号制度担当室 - 内閣府
口座開設にマイナンバーの提出が必要
投資信託の取引を行うには、金融機関に口座を開設しなければなりません。その際、マイナンバーの提出が必要となります。
また、すでに口座を開設している人でも、口座開設時にマイナンバーを提出していない場合は届出が必要です。
マイナンバーが必要な理由
投資信託の取引は課税対象であるため、金融機関は税務署に対して、支払調書などの法定調書を提出しています。
16年にマイナンバー制度が開始されたことに合わせ、金融機関が提出する法定調書にも、マイナンバーを記載することが義務付けられました。
そのため、金融機関は、口座を保有する全ての人に対して、マイナンバーの提出を依頼しています。
民間事業者における取扱いに関する質問 : 内閣府番号制度担当室 - 内閣府
18年12月末までの経過措置
マイナンバーの提出には、経過措置が設けられています。経過措置の内容とマイナンバーの提出方法について見ていきましょう。
15年12月末までに口座開設済みの人
15年12月末までに口座開設済みの人については、19年1月以降の初回取引で得た利益の支払いを受けるときまでに提出するよう、猶予期間が設けられています。
なお、16年1月1日以後に口座を開設した人には経過措置がないため、速やかにマイナンバーを提出しましょう。
投資信託口座・国債口座をお持ちのお客さまへ(マイナンバーの届出のお願い)-ゆうちょ銀行
マイナンバーの提出方法
口座を新規開設する際には、申込書類にマイナンバーカードなど、マイナンバーが記載されている書類のコピーを添付して提出するのが一般的です。
なお、15年12月末までに口座開設済みの場合は、金融機関によって異なります。例えば、ゆうちょ銀行の場合は以下を持参し、窓口で手続きをしなければなりません。
- マイナンバーカード(マイナンバーカードがない場合は、マイナンバー通知カードやマイナンバーが記載された住民票でも可)
- 本人確認書類
- 預金通帳、またはキャッシュカード
- 届け印
また、ゆうちょ銀行から届く『マイナンバー届出書兼告知書』の郵送による手続きも可能です。手続きの詳細は、各金融機関に問い合わせましょう。
投資信託口座・国債口座をお持ちのお客さまへ(マイナンバーの届出のお願い)-ゆうちょ銀行
マイナンバー提出を拒否するとどうなる?
マイナンバーの提出を拒否するとどうなるのでしょうか。
取引に制限がかかる可能性がある
マイナンバーの提出をしなくても、口座開設は可能です。また、氏名や住所変更の際にマイナンバーの提出を求められますが、提出を拒否したとしても変更できます。
ただし、今後対応が強化されれば、マイナンバー未提出の人の取引に対して制限がかかる可能性があります。
マイナンバー制度 | 楽天証券
マイナンバー制度について: 三井住友銀行
金融庁からは柔軟な対応を求める通達
法定調書にマイナンバーを記載することが義務付けられた後、マイナンバー未提出の人が口座開設や住所変更、送金などの手続きを断られるケースが相次ぎました。
また、マイナンバー未提出の人に対する対応が、金融機関によって異なることから、多数のトラブルが起きています。
これを受けて金融庁から、いったん手続きを受け付け、後日マイナンバーの提出を依頼するなどの、柔軟な対応を求める通達が出されています。
そのため、現在は手続きを拒否されるようなことはありませんが、今後マイナンバーの提出が必須になる可能性は高いといえます。
いずれは提出しなければならないため、早めに手続きを済ませておきましょう。
金融庁が全銀協に異例通知、マイナンバー未提出でも「柔軟対応を」手続き断られる顧客相次ぐ - SankeiBiz(サンケイビズ)
まとめ
投資信託の取引を始めるには、金融機関に口座を開設しなければなりません。その際にマイナンバーの提出が必要となります。
現在は、マイナンバーの提出を拒否しても口座開設は可能です。しかし、今後対応が強化されれば、マイナンバー未提出の人の取引に制限がかけられる可能性があるため、早めに提出を済ませておきましょう。