投資信託の選び方のポイント
投資信託は、多くの投資家から資金を集め、運用のプロ(ファンドマネージャー)が運用し、利益を投資家に還元する投資商品です。
投資信託を選ぶ際には、以下のポイントを確認しましょう。
- 運用方針
- リスク
- 手数料
- 分配金の有無
- 過去の実績
運用方針や手数料、リスクなどの重要事項は、投資信託購入時に配布される目論見書(もくろみしょ)に記載されています。
また、過去の実績は、決算ごとに作成・交付される運用報告書で確認が可能です。
手数料やリスク
投資信託には、以下の手数料がかかります。
手数料 | かかるタイミング |
購入手数料 | 購入時 |
信託報酬 | 保有時 |
解約手数料、および信託財産留保額 | 解約時 |
投資信託において手数料はコストとなるため、きちんと確認しコスト管理をすることが重要です。
また投資信託には、以下のリスクがあります。
リスク | 詳細 |
価格変動リスク | 投資信託が組み入れている株式や債券の価格が変動する可能性 |
為替リスク | 外国の資産に投資している場合、為替が変動する可能性 |
信用リスク | 債券や株を発行する国や企業が破たんし、償還金を払えなくなる可能性 |
金利変動リスク | 債券の金利が変動するリスク |
購入前に、ファンドに含まれるリスクをしっかりと確認しましょう。
投資信託のコスト - 投資信託協会
投資信託が持つリスク - 投資信託協会
毎月分配型について知っておこう
投資信託の中には、毎月分配金が支払われる『毎月分配型』のファンドがあります。定期的な収入を得られる点や、投資の成果を感じやすい点が人気です。
なお、分配金には、『普通分配金』と『特別分配金』があります。元本を切り崩して支払われる特別分配金が支払われると、ファンドの保有する資産が減少します。
それにより基準価額(※)が下がるほか、ファンドマネージャーが考えている運用ができなくなる可能性があるので注意が必要です。
また、分配金には、支払われた分配金を受け取る方法と、受け取らずに同じ投資信託を買い増す(再投資する)方法があります。複利効果を得たい人は、再投資を選ぶとよいでしょう。
(※基準価額とは、1口または1万口あたりの時価評価額で、投資信託の売買に使用されます。基準価額は、1日1回算出されます。)
三井住友銀行の販売額ランキング
ここからは、販売額の多い銘柄を紹介します。まずは、2018年7月現在における、三井住友銀行の販売額ランキングから見ていきましょう。
三井住友・225オープン
『三井住友・225オープン』は、日経平均株価に連動した運用成績を目指す『インデックスファンド』です。
項目 | 詳細 | |
購入単位 | 一括購入 | 1万円以上1円単位 |
積立 | 1万円以上1000円単位 | |
購入時手数料 | なし | |
信託報酬(税抜) | 年率0.6% | |
信託財産留保額 | 0.3% | |
直近の騰落率 | 1カ月 | +1.08% |
6カ月 | -1.64% | |
1年 | +14.84% | |
5年 | +77.32% |
毎年11月に決算が行われますが、分配金は設定来支払われていません。
エス・ビー・日本株オープン225
『エス・ビー・日本株オープン225』も、日経平均株価を指標とするインデックスファンドです。
項目 | 詳細 | |
購入単位 | 一括購入 | 1万円以上1円単位 |
積立 | 1万円以上1000円単位 | |
購入時手数料 | なし | |
信託報酬(税抜) | 年率0.6% | |
信託財産留保額 | 0.3% | |
直近の騰落率 | 1カ月 | +1.03% |
6カ月 | -1.68% | |
1年 | +14.62% | |
5年 | +75.90% |
18年8月8日現在の基準価額と純資産残高について、同様の運用方針である三井住友・225オープンと比較します。
エス・ビー・日本株オープン225 | 三井住友・225オープン | |
基準価額 | 1万2366円 | 1万9430円 |
純資産残高 | 261億3600万円 | 612億8900万円 |
投資目的や投資額により、自分に合ったファンドを選びましょう。
国内株式指数ファンド(TOPIX)
『国内株式指数ファンド(TOPIX)』は、東証株価指数であるTOPIX(トピックス)に連動する運用成績を目指すインデックスファンドです。
項目 | 詳細 | |
購入単位 | 一括購入 | 1万円以上1円単位 |
積立 | 1万円以上1000円単位 | |
購入時手数料 | なし | |
信託報酬(税抜) | 年率0.4% | |
信託財産留保額 | 0.16% | |
直近の騰落率 | 1カ月 | +1.27% |
6カ月 | -3.6% | |
1年 | +10.28% | |
5年 | +68.92% |
国内株式指数ファンド(TOPIX)は、ネット専用ファンドのため、インターネットバンキング、およびモバイルバンキングでの取引となります。
大和証券の買付額ランキング
次に、大和証券の買付額ランキングを見ていきましょう(集計期間は18年7月30日~8月3日)。
日本株アルファ・カルテット
『日本株アルファ・カルテット』は、日本株を投資対象とした投資信託です。
項目 | 詳細 | |
購入単位 | 1000円以上1円単位 | |
購入時手数料(税抜) | 購入額により0.5~3% | |
信託報酬(税抜) | 年率1.762%程度 | |
信託財産留保額 | 0.3% | |
直近の騰落率 | 1カ月 | +5.27% |
6カ月 | -14.78% | |
1年 | -4.49% | |
3年 | +7.01 |
決算は毎月行われ、分配金が支払われます。18年4~8月までの5カ月間は、毎月100円の分配金です。
ダイワ米国リート・ファンド
『ダイワ米国リート・ファンド』は、アメリカのREIT(リート※1)に投資する投資信託です。為替ヘッジ(※2)は行いません。
項目 | 詳細 | |
購入単位 | 1000円以上1円単位 | |
購入時手数料(税抜) | 購入金額により0.5~3% | |
信託報酬(税抜) | 年率1.52% | |
信託財産留保額 | なし | |
直近の騰落率 | 1カ月 | -0.14% |
6カ月 | +7.17% | |
1年 | +0.93% | |
3年 | +2.77% |
ダイワ米国リート・ファンドは毎月分配型で、18年3~7月までの5カ月間は毎月70円、18年7月末までの1年間には、累計840円の分配金が支払われています。
(※1:REITとは、複数の不動産を運用し、賃貸収入や売買益を投資家に分配する投資信託のことです)
(※2:為替ヘッジとは、為替の変動による外貨資産の価値の減少を回避することです。リスクは抑えられますが運用コストが上がります)
ワールド・フィンテック革命ファンド
『ワールド・フィンテック革命ファンド』は、日本を含む世界のフィンテック(※)関連企業に投資する投資信託です。
項目 | 詳細 | |
購入単位 | 1000円以上1円単位 | |
購入時手数料(税抜) | 購入金額により0.5~3% | |
信託報酬(税抜) | 年率1.6411%程度 | |
信託財産留保額 | なし | |
直近の騰落率 | 1カ月 | +2.4% |
ワールド・フィンテック革命ファンドは、18年6月に発売されたファンドです。決算は6月と12月に行われます。
(※フィンテックとは、金融(ファイナンス)と技術(テクノロジー)を組み合わせた造語で、金融サービスと情報技術を結びつけたさまざまな動きを指します)
りそな銀行の販売額ランキング
次は、りそな銀行の7月の販売額ランキングを見てみましょう。
日経225ノーロードオープン
『日経225ノーロードオープン』は、日経平均株価に連動する運用成績を目指すインデックスファンドです。
項目 | 詳細 | |
購入単位 | 1万円以上1000円単位 | |
購入時手数料 | なし | |
信託報酬(税抜) | 年率0.8% | |
信託財産留保額 | なし | |
直近の騰落率 | 6カ月 | -1.78% |
1年 | +14.37% | |
5年 | +72.27% | |
10年 | +84.61% |
日本エネルギー関連株式オープン
『日本エネルギー関連株式オープン』は、日本の株式に投資するファンドです。特に、世界のエネルギー情勢の変化を事業のチャンスとしており、今後収益が期待されるエネルギー関連企業を主な投資対象としています。
項目 | 詳細 | |
購入単位 | 1万円以上1円単位 | |
購入時手数料(税抜) | 店頭 /テレフォンバンキング | 購入額により0.5~3% (3億円以上はなし) |
マイゲート(※)/ 積立 | 購入額により0.35~2.1% (3億円以上はなし) |
|
信託報酬(税抜) | 年率1.45% | |
信託財産留保額 | なし | |
直近の騰落率 | 3カ月 | -0.54% |
6カ月 | -8.32% | |
1年 | +15.09% |
決済は3月と9月に行われます。過去3回の分配金実績は、18年3月が758円、17年9月は1016円、17年3月は975円です。
(※マイゲートとは、従来のインターネットバンキングに、便利でお得なサービスを付加したウェブコミュニケーションツールのことです)
ニッセイ世界リートオープン
『ニッセイ世界リートオープン』は、日本を除く世界のREITが投資対象です。特に、長期の収益力に対して割安で、高水準の利回りが期待できるREITへの投資を目指しています。
項目 | 詳細 | |
購入単位 | 1万円以上1円単位 | |
購入時手数料(税抜) | 店頭 / テレフォンバンキング | 購入額により0.5~3% (3億円以上はなし) |
マイゲート / 積立 | 購入額により0.35~2.1% (3億円以上はなし) |
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信託報酬(税抜) | 年率1.5% | |
信託財産留保額 | なし | |
直近の騰落率 | 3カ月 | +9.15% |
6カ月 | +6.18% | |
1年 | +6.63% | |
3年 | +8.25% |
ニッセイ世界リートオープンは、毎月分配型の商品です。18年2~7月は、毎月120円の分配金が支払われています。
みずほ銀行の買付ランキング
最後は、みずほ銀行の7月の買付ランキングを紹介します。
リスクコントロール世界資産分散ファンド
『リスクコントロール世界資産分散ファンド』は、国内外の公社債や株式、およびREITの8資産に分散投資を行い、中長期的に安定した資産の成長を目指しています。
項目 | 詳細 | |
購入単位 | 一括購入 | ・店頭:20万円以上1円単位 ・みずほダイレクト:1万円以上1円単位 |
積立 | 1000円以上1000円単位 | |
購入時手数料 | なし | |
信託報酬(税抜) | 年率0.99% | |
信託財産留保額 | なし | |
直近1カ月の騰落率 | 1カ月 | -0.09% |
リスクコントロール世界資産分散ファンドは、18年5月にスタートした新しいファンドです。直近1カ月の騰落率は-0.09%ですが、設定来は+0.04%の運用成績となっています。
MHAM株式インデックスファンド225
『MHAM株式インデックスファンド』は、日経平均株価を指標としたインデックスファンドです。
項目 | 詳細 | |
購入単位 | 一括購入 | ・店頭:20万円以上1円単位 ・みずほダイレクト:1万円以上1円単位 |
積立 | 1000円以上1000円単位 | |
購入時手数料(税抜) | 購入金額により0.5~1% | |
信託報酬(税抜) | 年率0.55% | |
信託財産留保額 | なし | |
直近1カ月の騰落率 | 1カ月 | +1.06% |
6カ月 | -1.67% | |
1年 | +14.66% | |
5年 | +74.88% |
MHAM株式インデックスファンドは、毎年10月に決算を行います。12~17年の6年間では、運用実績によって決算ごとに、15~35円の分配金が支払われています。
MHAM日本成長株オープン
『MHAM日本成長株オープン』は、日本の上場企業が主な投資先です。特に、競争力と成長性を重視した企業への投資を行っており、TOPIXを上回る運用実績を目指しています。
項目 | 詳細 | |
購入単位 | 一括購入 | ・店頭:20万円以上1円単位 ・みずほダイレクト:1万円以上1円単位 |
積立 | 1000円以上1000円単位 | |
購入時手数料(税抜) | 購入金額により1~2.5% | |
信託報酬(税抜) | 年率1.55% | |
信託財産留保額 | なし | |
直近1カ月の騰落率 | 1カ月 | +0.89% |
6カ月 | +1.32% | |
1年 | +39.46% | |
5年 | +186.47% |
MHAM日本成長株オープンは、3月と9月に決算が行われます。17年の決算では、どちらの決算でも1000円の分配金が支払われています。
まとめ
投資信託は、商品により投資資産や手数料、分配金などに特徴があります。投資信託を購入する際は、投資の目的やリスク許容度を考慮して選びましょう。