貯蓄型がん保険について
がん保険には、『貯蓄型』と『掛け捨て型』があります。どちらの保険が必要かは、ライフプランや資産状況などにより異なります。
ここでは、貯蓄型と掛け捨て型のそれぞれの特徴をみていきます。
貯蓄型のメリット
貯蓄型は、解約返戻金(※)がある保険です。がんへの備えをしながら貯蓄ができる点がメリットです。
(※解約返戻金とは、保険の解約をしたときに受け取れるお金のことです。受け取れる金額は、商品により異なります)
貯蓄型のデメリット
貯蓄型の保険料には保障に関する費用に加え、貯蓄のお金も含まれます。そのため、掛け捨て型と貯蓄型の契約を比較した場合、掛け捨て型よりも保険料が高くなる点がデメリットです。
また、契約内容や解約時の条件によっては、払込保険料総額よりも少ない金額の解約返戻金しか受け取れないことがあります。
掛け捨て型と違い
貯蓄型がん保険と掛け捨て型との違いは、以下のとおりです。
貯蓄型 | 掛け捨て型 |
保険料が高い | 保険料が安い |
解約返戻金がある | 解約返戻金がない |
保険の見直しがしにくい | 保険の見直しがしやすい |
貯蓄型と掛け捨て型では、商品の特徴が大きく異なります。ライフプランや資産状況に合わせた保険を選ぶことが大切です。
がん保険の解約返戻金の種類
がん保険を解約したときに、どのくらいの解約返戻金を受け取れるかは、商品のタイプにより異なります。
高い返礼率の従来型
『従来型』は、返戻率に基づき解約返戻金額が決まる保険です。返戻率は、払込保険料総額に対し、どのくらいの解約返戻金を受け取れるかを表したもので、払込保険料総額と解約返戻金額が同額のときの返戻率は100%です。
払込保険料総額に比べ、解約返戻金額のほうが少ないときは100%よりも少なく、解約返戻金額のほうが多いときには、100%を超える返戻率となります。
解約払戻金(解約返戻金)の仕組み|保険・生命保険はアフラック
一定期間は返礼率が低い低解約返戻金型
『低解約返戻金型』は、保険料払込期間の解約返戻金が、通常の70%程度に設定されている保険です。
そのため、保険料払込期間中に解約をしたときには、少額の解約返戻金しか受け取れない場合がほとんどです。
保険料払込期間中の解約返戻金額を抑えている分、従来型よりも保険料が安く設定される点が魅力の保険だといえるでしょう。保険料払込期間終了後は、解約返戻金額は通常に戻ります。
保険機能のみの無解約返戻金型
『無解約返戻金型』は解約返戻金がないタイプで、一般的に『掛け捨て型』と呼ばれます。
解約返戻金があるタイプに比べ保険料は割安で、保障機能に特化した契約をしたい人に向いている商品です。
貯蓄型のがん保険を解約するとき
ここからは、貯蓄型のがん保険を解約する際のポイントや注意点を解説します。
解約返戻金に税金がかかることがある
解約返戻金額を受け取ると、場合によっては税金がかかります。かかる税金の種類は、保険料を支払った人や解約返戻金を受け取った人により異なります。
保険料を支払った人 | 解約返戻金を受け取った人 | 税金 |
本人 | 本人 | 所得税(一時所得) |
本人 | 本人以外 | 贈与税 |
所得税(一時所得)は、利益(解約返戻金-払込保険料)に対し課せられます。一時所得には、50万円の特別控除額があるため、利益が50万円以下のとき(※)には、税金はかかりません。
贈与税は110万円の基礎控除があるため、受け取った解約返戻金額が110万円以下のときには、贈与税はかかりません。
(※他の一時所得と合算します)
解約のタイミングに注意
解約返戻金は、解約のタイミングによっても金額が変わります。通常、解約返戻金額は契約から時間が経つほど、金額が大きくなります。
とくに、低解約返戻金型の保険は短期間での解約をすると、ほとんど解約返戻金を受け取れず、損をしてしまう可能性もあるので注意しましょう。
契約者貸付という方法も
解約返戻金がある保険は、『契約者貸付』を受けられることがあります。契約者貸付けは、解約返戻金の一定の範囲内で、お金が借りられる仕組みとなっています。
契約者貸付を利用したときには、定められた期限内にきちんと返済することが重要です。返済をしないままでいると、保険契約が失効することもあるので気をつけましょう。
まとめ
がん保険には貯蓄型と掛け捨て型があります。貯蓄型は掛け捨て型に比べ保険料が割高ですが、保障を得ながら貯蓄ができる点が魅力の保険です。そのため、資産運用のひとつとして、利用することもできるでしょう。
ただし、契約内容や解約時の条件などによっては、払込保険料総額よりも少ない解約返戻金しか受け取れないこともあります。解約時には、解約返戻金額や条件を確認したうえで、手続きを進めることが肝心です。