医療保険とは
医療保険は、病気やケガにより病院で治療をしたときに、給付金を受け取れる保険です。
保障には、契約をしたすべての人が保障を受けられる『主契約』と、自分の希望により付加する『特約』があります。なお、保障内容や給付の条件は、商品により異なります。
基本的な保障は2つ
医療保険では、主契約と特約を組み合わせることで、ひとりひとりに合わせた保障作りができます。ここでは、多くの医療保険で主契約となっている『入院給付金』と『手術給付金』について、詳しくみていきましょう。
入院給付金
入院給付金は、病気やケガにより入院したときに支払われます。給付条件は以下のように各商品により異なります。
商品名 | 給付条件 | 支払い限度日数 |
ちゃんと応える医療保険EVER (アフラック) |
・日帰り入院から給付 ・入院給付金日額×入院日数(ただし、入院5日目までは一律5日分を給付) |
型により、1回の入院につき60日、もしくは120日まで(通算1,095日まで) |
みらいのカタチ 総合医療保険 (日本生命) |
・1泊2日以上の入院で給付 ・入院給付金日額×日数 |
型により、1回の入院につき62日、もしくは124日まで(通算1,095日まで) |
入院給付金日額は、契約時に契約者が設定します。一般的には、5,000円や1万円とする契約が多くなっています。
ちゃんと応える医療保険EVER:特長|保険・生命保険はアフラック
ニッセイ みらいのカタチ 総合医療保険 | 日本生命保険相互会社
手術給付金
手術給付金は、所定の手術をしたときに支払われます。こちらも、2つの商品を例として紹介します。なお、両商品とも支払い限度は無制限です。
商品名 | 給付条件 |
ちゃんと応える医療保険EVER (アフラック) |
・所定の重大手術:入院給付金日額×40倍 ・入院による手術:入院給付金日額×10倍 ・外来による手術:入院給付金日額×5倍 |
ジャスト 総合医療保険 (第一生命) |
・入院による手術:入院給付金日額×20倍 ・外来による手術:入院給付金日額×5倍 |
ちゃんと応える医療保険EVER:保障内容|保険・生命保険はアフラック
総合医療保険|ジャスト商品ラインアップ|第一生命保険株式会社
定期医療保険と終身医療保険の違い
医療保険には、定期医療保険と終身医療保険の2つのタイプがあります。保障期間や保険料などが異なるため、それぞれの特徴よく知ることが大切です。
保障期間が違う
定期タイプと終身タイプの違いは保険期間です。定期タイプは5年や10年など、契約時に決めた期間が保障されます。保障期間終了後は更新することもできますが、更新のタイミングで保険の見直しをしてもよいでしょう。
終身タイプは保障が一生涯続きます。そのため、高齢になったときに保障がなくなる心配がない点がメリットです。
定期医療保険のシミュレーション | アクサダイレクト生命保険
終身保険は保険料が上がらない
医療保険の保険料は、原則として被保険者(保障の対象となる人)が、保険期間に病気やケガを患うリスクをもとに決定されます。定期タイプと終身タイプでは保障期間が異なるため、保険料に違いがでます。
保障期間が決まっている定期医療保険の場合、病気のリスクが低いとされる若いうちは保険料が割安です。しかし、更新のたびに保険料の見直しが行われ、ほとんどの場合、年齢が上がると保険料が高くなります。
一方、終身医療保険は、契約時に決まった保険料から上がることはありません。若いうちに契約すれば、歳を取ってからも安い保険料のまま保険を継続できます。
ただし、終身医療保険では、一生涯のリスクを保険料に組み込んでいるため、若いうちは定期タイプに比べると、保険料が割高になる傾向にあります。
終身医療保険「新じぶんへの保険」 特長 | 生命保険・医療保険のライフネット生命
終身医療保険の必要性
医療保険は病気やケガに備える保険ですが、保険に加入していても病気やケガにかからず、給付を受けることがないまま保険期間を終える人もいます。そもそも医療保険は、本当に必要なのでしょうか。
終身医療保険が必要な人とは
終身医療保険の特徴は、一生涯の保障が得られる点です。そのため、高齢になったときでも保障を確保したいという人は、終身医療保険に加入したほうがよいでしょう。
定期医療保険で更新を繰り返していくという方法もありますが、定期医療保険の場合は、年齢や健康状態によっては更新できないリスクがあります。また、一定の年齢を超えると、終身医療保険よりも保険料が上がることも考えられます。
一生涯の保障作りをしたいと考えている人は、保険料を安く抑えられる若いうちに、終身医療保険への加入を検討してみましょう。
医療保険自体が必要ない人とは
ケガや病気になったときに医療保険に加入していれば助かりますが、中にはそもそも医療保険に加入する必要がない人もいます。
- 収入や貯蓄が多い人
- 勤務先の福利厚生(傷病手当など)が充実している人
収入や貯蓄が十分にある人は、医療保険に加入する必要はないでしょう。また、勤務先の福利厚生が充実しており、手当を受けられる人も医療保険に加入しなくてもよいと考えられます。
必要かどうかは各自の判断次第
医療保険が必要かどうかは、ひとりひとりの置かれた状況により異なります。それぞれのライフステージや資産状況をよく考え、適した保険を選ぶことが大切です。
また、病気やケガを患ったときに、どの程度の医療を望むかも人により異なります。大部屋で一般的な治療のみを希望する場合と、個室で先進医療を受ける場合では、かかる医療費は異なります。
いざというときに慌てなくてすむよう、健康なうちから病気やケガになったときのことシミュレーションし、保険を選択することが大切です。
終身医療保険の保険料の払込方法
終身医療保険の保険料の払込方法は、一定期間で払込を終了する『短期払い』と、一生涯にわたり払い続ける『終身払い』があります。
短期払いとは
短期払いは、保険料の払込を一定期間で完了させる払込方法です。60歳までや65歳までなど、保険料の払込を完了する年齢を契約時に設定します。払込保険料と払込期間がはっきりしているため、契約時に払込保険料の総額が確定します。
短期払いのメリットとデメリット
短期払いのメリットは保険料の支払いが完了すると、その後は保険料の負担がなく、一生涯の保障を受けられる点です。
退職を迎え収入が減ると考えられる、60歳や65歳までに保険料の支払いを完了しておけば、老後の家計の負担を減らせるでしょう。
しかし、短期払いの場合、終身払いに比べて月々の保険料が高くなる点がデメリットです。
また、短期間に多くの保険料を払い込むため、契約途中で保険の見直しによる解約を行った場合、無駄になる保険料の額が大きくなる可能性がある点にも注意が必要です。
終身医療保険「新じぶんへの保険」 保障内容 | 生命保険・医療保険のライフネット生命
終身払いとは?
終身払いは保険の契約を続ける限り、一生涯保険料を払い込む方法です。何歳まで長生きしたかにより、払い込む保険料総額が変わります。
終身払いのメリットとデメリット
終身払いのメリットは、短期払いに比べ月々の保険料が抑えられる点です。デメリットは、高齢になり収入が減った後も保険料の支払いが続くほか、長生きをするほど払込保険料総額が大きくなる点です。
『アクサダイレクトの終身医療』を例に、終身払いと短期払いの保険料払込総額の違いをみていきます。(契約条件:35歳男性、入院日額1万円)
払込方法 | 月額保険料 | 60歳での払込保険料総額 | 85歳での払込保険料総額 |
60歳払済 | 3,750円 | 112万5,000円 | 112万5,000円 |
終身払い | 2,040円 | 61万2,000円 | 122万4,000円 |
60歳の時点では、短期払いのほうが終身払いよりも保険料払込総額が51万3,000円多いですが、85歳まで長生きすると、終身払いのほうが10万円多くなります。
生命保険料見積もり | ネット生保のアクサダイレクト生命保険
女性のための終身医療保険とは
女性のための終身医療保険は通常の医療保険に加え、女性特有のがんや病気への備えを手厚くした保険です。
国立がん研究センターのデータによると、女性特有のがんは年々増加している傾向にあり、部位別がん死亡者数の推移は、以下のようになっています。心配な人は女性特有の病気への保障がある医療保険を選択肢に加えてみましょう。
がんの種類 | 2006年 | 2011年 | 2016年 |
乳がん | 11,177人 | 12,731人 | 14,015人 |
子宮がん | 5,513人 | 6,075人 | 6,345人 |
がんの統計 '17:[国立がん研究センター がん登録・統計]
女性保険の仕組み
一般的な医療保険は通常、入院給付金(日額)と手術給付金が保障されます。女性保険では、加えて女性特有の病気による入院給付金(日額)と、手術給付金の保障がついています。
つまり、女性特有の病気にかかったときには、医療保険での保障に女性保険の保障が上乗せされるようになります。
女性保険は、女性向けの保険として商品になっているものと、通常の医療保険に女性特約を付加するものがあります。保障内容や保険料を比べて、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。
女性向け医療保険 新CURE Lady[キュア・レディ]|オリックス生命保険株式会社
女性保険加入前に注意したいこと
女性保険で備えられるのは、『通常の医療保険の保障+女性保険での保障』です。そのため保障は手厚くなりますが、保険料は高くなります。契約の際には、保障と保険料のバランスをよく検討しましょう。
また、妊娠出産を控えた女性の場合、加入できないこともあります。加入条件は商品により異なるため、加入前にきちんと確認しなければなりません。
終身医療保険を解約する
終身医療保険は、原則として一生涯にわたり契約を続けることを前提としています。しかし、場合によっては、途中で解約しなければならない事態となることもあります。
解約する主な理由
終身医療保険を解約する主な理由には、以下のようなものがあります。
- 保険の見直しにより、別の保険に乗り換えたい
- 収入の減少により、保険料の支払いができなくなった
- 貯蓄や収入が増えたため、保険による備えが不要となった
時代とともに医療は変化していくため、加入から年数が経った保険では、保障が不十分となってしまうケースがあります。そのようなときには、保険の見直しや乗り換えも選択肢のひとつとなるでしょう。
また、収入の減少により保険料を支払い続けるのが難しくなったときには、保険を解約せずに保険料を下げる方法もあります。(後述します)
解約時に注意すること
終身医療保険を解約するとき気をつけなければならないのは、『保険の空白期間を作らないようにする』ことです。空白期間に病気やケガをしてしまうと保障が受けられないため、解約前に次の保険への加入を済ませておきましょう。
ただし、年齢や健康状態によっては、新たな保険に加入できないこともあります。解約後に、次に加入できる保険がないという事態となっても、一度解約した保険を元に戻すことはできません。
よって、現在契約している保険を解約した後も、何らかの医療保険に加入し続けていきたいと考えているのであれば、解約前に新しい保険を確保しておくことは重要だといえます。
解約せずに保障を維持することもできる
解約を検討している理由が『保険料が払えない』という場合には、以下の方法で保険を継続をすることができます。
- 減額
- 特約の解約
- 契約者貸付
減額は保険の一部を解約する方法です。保険料は下がりますが、減額した分の保障が減ります。特約の解約は、契約している保険の特約部分のみを解約する方法です。
そして契約者貸付は、解約返戻金(※)を受け取れる商品でのみで利用することができます。解約返戻金の範囲内でお金を借りることができるため、一時的に現金が必要なときには助けとなります。
(※解約返戻金とは、保険の解約をしたときに受け取ることができるお金です。受け取れる金額は商品により異なります)
おすすめの終身医療保険を比較する
ここでは、おすすめの医療保険を3つ紹介します。
オリックス生命医療保険新CURE
オリックス生命の『医療保険 新CURE』は、病気やケガによる入院や手術をした際に給付金が支給されます。
入院給付金は原則として1入院につき60日が支払い限度ですが、7大生活習慣病の場合は120日まで、3大疾病のときには無制限で保障される点が特徴です。
インターネットによる申込(※)では、先進医療保障(技術料と同額を2,000万円まで)も自動で付加され、手厚い保障にすることができます。
なお、所定の高度障害状態となったときには、以後の保険料の支払いが免除されます。さらに、女性向け医療保険の『医療保険 新CURE Lady』もあります。
(※先進医療保障は特約契約であるため、代理店などによる対面販売の場合は、取り外すことも可能です)
アクサダイレクト生命の終身医療
アクサダイレクト生命の『終身医療保険』では、病気やケガによる入院、および手術をした際に入院給付金(Ⅰ型の場合)が支給されます。
入院給付金は1入院につき60日までが限度ですが、長期入院時一時金特約を付加すると60日以上の入院となったときに、一時金として50万円を受け取れます。
また、先進医療への備えを希望する場合は、特約を付加することで保障(技術料と同額を2,000万円まで)を受けることが可能です。さらに、女性特有の病気への備えを充実させたいときには、女性疾病入院特約で対応できます。
インターネットで加入できる医療保険 | アクサダイレクト生命保険
チューリッヒ生命終身医療保険プレミアムDX
チューリッヒ生命の『終身医療保険プレミアムDX』は、入院給付金の限度日数を30日、60日、無制限(7大疾病延長入院特約を付加した場合)から選択できます。
また、手術給付金額も3種類から選択が可能で、契約者が保障と保険料のバランスを考えて、保障内容を自由に決められる点が特徴です。
まとめ
医療保険は、病気やケガによる入院や手術に備える保険です。必要な保障内容や保障額はひとりひとり異なるため、保険に加入する際には自分のライフステージや将来のライフプラン、資産状況などを考慮して契約しましょう。
手厚い保障を受けたい人は、特約を上手に利用することで先進医療や三大疾病、女性特有の疾病などに備えられます。
契約時にはいくつかの見積もりを取り、保障内容と保険料のバランスを考え、払い続けていける保険料で契約することが大切です。