がん保険の種類
がん保険は、終身型と定期型の2種類に分かれます。終身型のがん保険は保障が一生涯続き、保険料は上がりません。
一方、定期型のがん保険は、主に10年など期間を定めている保障で、期間満了後は自動で更新され、更新毎に保険料が上がります。
終身型と定期型の違い
終身型には、終身払・60歳払済・65歳払済・70歳払済など、さまざまな支払方法があります。終身払は、解約または亡くなるまで支払いが続きます。20代や30代のうちに加入しておけば、保険料はそれほど高くありません。
また、終身型は基本的に同じ保障内容が一生涯続きます。そのため、時代とともに保障内容が沿わなくなる可能性があります。
60歳払済は、全ての保険料を60歳までに払い込んでしまうものです。そのため、老後の負担は避けられますが、終身払に比べて保険料は高くなります。
定期型は前述したように、10年毎に更新がくるのが一般的です。万が一、がんを患っていても、保障内容を変えなければ更新できます。
また、若いころの保険料が安い反面、60歳前後を境に保険料が高くなります。さらに、更新できる年齢に上限があるので、加入の際は確認が必要です。
掛け捨て型と貯蓄型の違い
保険料を無駄金にしたくないからという理由から、貯蓄型の保険を選ぶ人もいます。がん保険にも掛け捨て型と貯蓄型があり、掛け捨て型は、途中で解約しても解約返戻金は全く戻ってこないか、戻ってきたとしてもごくわずかです。
一方、貯蓄型は解約したときに、それまでに払った保険料の一部が戻ってきます。保険料は解約返戻金がある分、高くなります。
もし、保険料払込期間中に保険料の払込が厳しくなり解約に至った場合は、保障が受けられなくなります。また、実際に戻ってくる額は、支払った保険料の50%~85%程度です。
特殊ながん保険もある
最近のがん保険はさまざまな種類があります。一般的に、がん保険で中心的な保障は、治療開始前にまとまったお金を受け取ることができる、がん診断一時金です。その他、どのようなものがあるかみてみましょう。
収入が保障されるがん保険
治療が長期化する場合、仕事が続けられなくなる可能性もでてきます。そんな収入減の不安を軽減することができるのが、収入保障のがん保険です。
このタイプは収入を保障する特約を付けることで、がんと診断が確定されたときから、契約時に決めた金額や支払期間に応じて、年金形式で給付金が受け取れるものです。治癒しても年金支払期間中であれば、継続して受け取ることが可能です。
また、がん収入保障年金の受け取り期間中に亡くなった場合は、未払年金を一時金、または年金のどちらかで遺族が受け取れます。
緩和告知型のがん保険
通常のがん保険は、一度がんになったことがある人は、加入できなくなっています。稀に完治してから数十年経過しており、告知書に問題がなければ、加入できる可能性もありますが基本的には難しいでしょう。
しかし、緩和告知型のがん保険であれば、がん治療を受けた最後の日から5年以上経過し、簡単な告知項目にすべて該当しなければ、がんでの入院や通院、手術のほか、放射線治療や抗がん剤治療まで備えることが可能です。
ただし、保険料は通常のがん保険より高くなります。
がん保険に特約をつける
がん保険にはいくつかの特約があります。主な特約は以下のとおりです。
- がん入院特約
- がん通院特約
- がん診断一時金特約
- 抗がん剤・放射線治療特約
- がん先進医療特約
がん入院特約
がん入院特約とは、がんで入院したときに給付金が受け取れる特約です。通常1日あたりの入院保障が、5,000円または10,000円のプランが多いです。最近は、大半が入院日数無制限となっており、中には61日目から入院日額が増額するところもあります。
がん通院特約
がん通院特約とは、がんで通院したとき給付金が受け取れる特約です。1日あたりの通院保障は、5,000円から1,000円単位で設定可能です。
また、この特約はがん診断後の治療の通院はすべて対象というものや、がんで入院後の通院のみ対象のもの、また、入院前後の一定期間内の通院が対象のものなど、保険会社によって支払条件が異なります。
がん診断一時金特約
がん診断一時金特約は、がんと診断確定されたとき、給付金が受け取れる特約です。
この特約は、診断された時点で受け取れるので、治療費のほか、収入の補てんに使えたり、入院前の準備や交通費などの雑費にあてられたりと、非常に活用しやすいのが特徴です。
ただし、給付金の支払回数は、1回のみ・回数限定・無制限と各保険会社によりさまざまです。
抗がん剤・放射線治療特約
抗がん剤・放射線治療特約は、抗がん剤や放射線の治療を受けたときに給付金が受け取れる特約です。この特約は、抗がん剤や放射線治療を受けた月ごとに、定額給付されるのが一般的です。また、給付回数に限度があるものと、無制限のものがあります。
抗がん剤治療や放射線治療は、通院での治療が可能なうえ、再発リスクを軽減するための大切な治療です。これらの保障を主契約にした保険もでてきています。
がん先進医療特約
がん先進医療保険特約は、がんの治療に関わる先進医療を受けたとき、給付金が受け取れる特約で、先進医療にかかる技術料の実費負担分を保障してくれます。保障額の上限は、保障期間通算で2,000万円と設定されているところが多いです。
まとめ
がん保険には終身型と定期型、掛け捨て型と貯蓄型のようにいくつかの種類があります。 また、特約を付けることで、さまざまな種類のがん保険ができます。
そのため、自分の年齢や家族構成などに適した保険内容になるよう、主契約と特約を組合わせることが大切です。
がん保険には種類がある。給付金や特約も分かりやすく解説します