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損害保険業界は今後も安泰?基本情報や関連する仕事と共に紹介

損害保険に加入している人は多いですが、どのような保険なのか具体的に理解しているでしょうか。本記事では、損害保険の概要や仕組みなどについて解説します。また、損害保険募集人や損害保険料率算出機構など、損害保険の業務に関わる知識も紹介します。

この記事の目次

損害保険の基礎知識

まずは、損害保険とはどのような保険なのか、どんな種類があるのか、基礎的な知識について解説します。

損害保険とは

損害保険とは、『偶発的な事故などによって生じた損害を補償する保険』です。普通に生活していても、自動車事故に遭ったり災害に遭ったりと、何らかの事故に遭遇するリスクは常にあります。

そして、そのような事故に遭ったときには、多額の損額が発生するケースが多いものです。例えば、自動車事故を起こした場合、自動車の修理費用が必要になるでしょう。

民家を破壊したり、人身事故を起こしたりした場合は、個人の貯金でまかなえないような、とても払えない金額の損害賠償金が発生する可能性もあります。このようなときに保険金によって費用が捻出できるように、損害保険に加入するのです。

個人向け損害保険の種類

損害保険には個人向けと法人向けがあり、それぞれにさまざまな種類の保険が存在します。まずは、個人向け損害保険の種類を見ていきましょう。

  • 自動車保険:自動車事故による搭乗者や第三者、自動車などへの損害を補償する保険
  • 火災保険:火災による建物や家財への損害を補償する保険
  • 地震保険:地震や火山の噴火などによる建物や家財への損害を補償する保険(火災保険と併せて加入するのが一般的)
  • 旅行保険:国内・海外旅行中のケガや病気などを補償する保険

法人向け損害保険の種類

法人向けの損害保険には、以下のような種類があります。

  • 火災保険:火災による事業財産への損害を補償する保険
  • 賠償責任保険:事業において発生した損害賠償を補償する保険
  • 貨物・運送保険:貨物の保管中、運送中に生じた損害を補償する保険
  • 興行中止保険:何らかの理由で興行が中止された場合に、その損害を補償する保険

一般的に、個人の損害よりも事業上の損害の方が金額は大きくなるため、個人向け損害保険よりも法人向け損害保険の方が、保険料や補償額が高い傾向にあるといえます。

生命保険とは何が違う?

損害保険と生命保険は、どちらも万が一の備えとして加入するものです。しかし、両者には大きく異なる点があり、目的に応じた使い分けが必要です。しっかり使い分けられるよう、損害保険と生命保険の違いを把握しておきましょう。

ヒトかモノか

損害保険と生命保険の大きな違いは、対象が『人』なのか『もの』なのかということです。民間の保険は、その特徴によって第1分野・第2分野・第3分野に分類されます。

  • 第1分野:人の生死に対して保障が行われる保険
  • 第2分野:物の損害に対して補償が行われる保険
  • 第3分野:第1分野と第2分野のどちらにも属さない保険

損害保険は、物の損害に対して補償が行われる保険です。よって、第2分野に分類されます。一方、生命保険は人の生死に対して保障が行われる保険であるため、第1分野に分類されます。

なお、生命保険は損失の発生事由にかかわらず、一定額の保険金が支払われますが、損害保険は発生した損失額相当の保険金が支払われる『実損払方式』が基本です。

損害保険の仕組み

損害保険の保険料の仕組みも知っておきましょう。損害保険の保険料は、『純保険料』と『付加保険料』で成り立っています。

純保険料とは、被保険者(※1)に支払われる保険金の原資となる部分です。『収支相等の原則』と『給付・反対給付均等の原則』に基づいて金額が決定されます。

  • 収支相等の原則:純保険料の総額と支払う保険金の金額が等しくなるようにすること
  • 給付・反対給付均等の原則:保険会社が引き受けるリスクと保険料が比例するようにすること

そして、付加保険料とは、保険会社の事業経費や利益に充当される部分です。契約者(※2)の利益と保険会社の担保力を守り、かつ契約者間で不公平が生じない金額に設定するよう定められています。

(※1.被保険者とは、その保険の保障対象者のことです)

(※2.契約者とは、保険料を支払っている人のことです)

損害保険募集人って何?

損害保険にかかわる業務のひとつに、『損害保険募集人』があります。損害保険募集人とは何なのか、どのようにすれば損害保険募集人になれるのか、詳細を解説します。

損害保険募集人の役割

損害保険募集人とは、損害保険会社や代理店などで損害保険の商品紹介や販売、顧客のサポートといった業務を担当する人のことです。

また、損害保険の契約締結や契約内容の変更、解約手続き、事故発生時の対応受付なども損害保険募集人の業務範囲になります。

損害保険募集人は、保険会社や代理店と委託契約を結んで業務を担当していましたが、2014年5月23日に成立した改正保険業法によって再委託が禁止されました。

これにより、保険会社から保険の販売を委託されている代理店が、さらに損害保険募集人に保険販売を委託できなくなっています。現在代理店で損害保険募集人の業務を担当する場合は、正式に社員などとして、雇用契約を結ばなくてはなりません。

日本損害保険協会の資格が必要

損害保険募集人になるには、日本損害保険協会が実施する『損保一般試験』に合格し、損害保険募集人の資格を取得する必要があります。

日本損害保険協会 損保代理店試験/損保一般試験

損保一般試験とは

損保一般試験とは、保険商品に関する重要事項などを正確に説明するための知識があるかどうかを確認するための試験です。

『基礎単位』と『商品単位』に分かれており、さらに商品単位は『自動車保険単位』『火災保険単位』『傷害疾病保険単位』の3単位に分かれています。

損害保険募集人の業務を始めるには、基礎単位に合格し、募集人届出をして認定を受けなければなりません。ただし、商品単位の商品を取り扱うには、その商品の商品単位を取得する必要があります。

日本損害保険協会 損保代理店試験/損保一般試験

損害保険料率算出機構って何?

損害保険の保険料は、保険金額に所定の保険料率を乗じて算出します。この保険料率を決定しているのは、『損害保険料率算出機構』です。損害保険料率算出機構とは何なのか、概要とその主な役割を見ていきましょう。

損害保険料率算出機構 HOME

二つの保険料率算定会が統合してできた団体

損害保険料率算出機構とは、『損害保険料率算定会』と『自動車保険料率算定会』という、二つの保険料率算定会が統合してできた団体です。

主な役割は三つ

損害保険料率算出機構の主な役割は、以下の三つです。

  • 参考純率、および基準料率の算出・提供
  • 自賠責保険の損害調査
  • データバンク

損害保険の保険料率を算出して各保険会社に提供する以外にも、自賠責保険の請求に対し、中立的な機関として公正な損害調査をしています。

また、さまざまな保険データを収集したり、ある出来事における危険度の分析や研究をしたりして、その結果を公開・提供するというデータバンクとしての役割も担っています。

損保料率機構の役割|損害保険料率算出機構

機構が算出している主な保険料率と内容

損害保険料率算出機構が算出している主な保険料率は、以下の3種類です。

  • 自賠責保険基準料率
  • 火災保険参考純率
  • 傷害保険参考純率

それぞれの概要を解説します。

自賠責保険基準料率

自賠責保険基準料率とは、自賠責保険の保険料を算出するための保険料率です。自賠責保険とは、自動車を運転するすべての人に加入義務がある損害保険のことです。

自動車事故によって第三者にケガを負わせた、あるいは死亡させて損害賠償責任が発生した場合に保険金が支払われます。

自賠責保険では、加入者ごとに異なる保険料率が設定されます。自動車の車種や利用目的などによって事故の頻度や被害の程度が異なるためです。自分の保険料が知りたい場合は、国土交通省の自賠責保険ポータルサイトなどで確認しましょう。

自賠責保険基準料率|損害保険料率算出機構
自賠責保険(共済)の加入方法

火災保険参考純率

火災保険参考純率とは、火災保険の保険料を算出するための保険料率です。火災保険に加入していると、火災による建物や家財の損害以外にも、落雷や風災、盗難などによる損害も補償されるのが一般的です。

ただし、地震や噴火などによる損害の補償を受けたい場合は、別途地震保険に加入する必要があります。

火災保険では、建物の構造や所在地などによって異なる保険料率が設定されます。建物の構造や所在地ごとに、被害の程度や災害の起こりやすさなどが異なるためです。

加入前に一括比較サイトなどを利用して、保険料を比較してから加入する商品を決めるとよいでしょう。

火災保険参考純率|損害保険料率算出機構
価格.com - 火災保険 比較・見積もり|最大12社の人気保険を一括見積もり

傷害保険参考純率

傷害保険参考純率は、傷害保険の保険料を算出するための保険料率です。傷害保険とは、急激・偶然・外来の事故によって、傷害・後遺障害・死亡の状態になった場合や、入院・通院した場合などに保険金が支払われる保険のことです。

日常で起こった事故による損害を補償する『普通傷害保険』、旅行中の事故による損害補償する『旅行傷害保険』など、いくつか種類があります。

補償を受けたい項目ごとに加入すべき保険の種類が異なり、各社で保険料も異なるので、まずはどの傷害保険に加入したいのかを決定し、保険料を比較しましょう。

傷害保険参考純率|損害保険料率算出機構

損害保険リサーチって何?

相手がいる事故が起きた場合、それぞれの過失割合を決定し、それぞれがその過失割合に納得しないと交渉が進みません。

しかし、過失割合によって損害賠償額が変わってくるため、当事者同士で話し合ってもなかなか交渉が進まず、公正な結果にならないことも多いものです。

かといって、警察は過失割合を決めてくれません。このようなときに、過失割合を決定する機関として出てくるのが『損害保険リサーチ』です。

第三者の立場で過失割合を調査

損害保険リサーチとは、損害保険にかかわる調査や確認をする会社です。各損害保険会社が共同出資して設立した会社ですが、いずれかの損害保険会社が有利になるような判断はしません。あくまで調査結果をもとに公正に判断します。

事業内容 | 株式会社損害保険リサーチ

主な調査内容

損害保険リサーチの主な調査内容は、以下の通りです。

  • 事故状況調査
  • 不正請求疑義調査
  • 医療調査
  • 休業・休車損害調査
  • 書類取付
  • 鑑定書、意見書作成・カルテの翻訳
  • 海外調査
  • 災害応援調査

これらの調査を経て、それぞれの過失割合を決定します。また、損害保険だけでなく、生命保険や共済に関わる調査をすることもあります。

シェアランキング上位の損害保険会社は?

ここでは、損害保険シェアランキング上位の、以下の四つの損害保険会社の特徴を紹介します。

  • 東京海上日動火災保険
  • 損害保険ジャパン日本興亜
  • 三井住友海上火災保険
  • あいおいニッセイ同和損害保険

損害保険会社の格付けランキングと特徴 | 火災保険の申請は【一般社団法人 全国建物診断サービス】

東京海上日動火災保険

東京海上日動火災保険は、1879年創業の長い歴史を持つ日本最大級の損害保険会社です。火災保険や自動車保険以外にも、傷害保険や海上保険など、さまざまな損害保険を取り扱っています。

保険料が他の損害保険会社よりも割高な傾向にありますが、その分事故が起きた場合のサポートが手厚く、充実している点がメリットです。

東京海上日動火災保険

損害保険ジャパン日本興亜

損害保険ジャパン日本興亜株式会社は、88年創業とやはり長い歴史を持つ損害保険会社です。14年9月1日に、損保ジャパンと日本興亜という二つの損害保険会社が合併したことにより、国内損害保険市場でトップクラスのシェア率を達成しました。

損害保険会社で初めて介護・ヘルスケア事業も手掛けており、保険金を介護費用に充当する商品の開発なども検討されています。

三井住友海上火災保険

三井住友海上火災保険は、三井海上と住友海上が合併して誕生した損害保険会社です。東京海上日動火災保険や損害保険ジャパン日本興亜株式会社ほどではないものの、創業は1918年と100年以上の歴史があります。

手頃な保険料で手厚い保障が受けられるため、火災保険や自動車保険、傷害保険など、複数の損害保険を、三井住友海上火災保険の商品でまとめて契約している人も多く見られます。

三井住友海上

あいおいニッセイ同和損害保険

あいおいニッセイ同和損害保険株式会社は、10年10月にニッセイ同和損害保険とあいおい損害保険が合併してできた損害保険会社です。

三井住友海上グループホールディングスと株式交換によって子会社化されているため、三井住海上火災保険系列の会社でもあります。

日本生命やauなどとの提携、合併によって、積極的に保険加入や利便性の向上を進めているのが特徴です。

あいおいニッセイ同和損保

損害保険業界の今後

損害保険業界への就職などを考えている場合、業界がどうなっていくのかが気になるところでしょう。今後の損害保険業界について解説します。

国内市場での伸びは厳しい

日本は少子高齢化社会を迎えており、労働人口が減少しています。さらに経済情勢も不安定であることから、自動車の販売台数や住宅の新築戸数などが減少傾向にあります。

このまま少子高齢化に歯止めがかからず、増税などが繰り返されれば、さらに日本国内での自動車や住宅の販売が縮小していくでしょう。

そして、これらの『もの』を対象としている損害保険会社は、少ないシェアを取り合うことになるため、今後国内市場で収益を伸ばすことは非常に厳しくなります。

海外進出がカギを握る

これから損害保険会社が利益を確保し、会社を維持していくには、海外進出がカギを握っているといえます。海外では、まだ損害保険が普及していない国や、人口の増加・経済成長が期待できる国が数多く存在しています。

そのような国にいち早く進出し、環境などを整えられれば、今後も損害保険会社は成長していくでしょう。

また、損害保険ジャパン日本興亜株式会社が介護・ヘルスケア事業にも拡大しているように、国内での需要の増加が見込まれる業界への進出も考えられます。

大手の損害保険会社は資金力があるため、『日本国内』や『損害保険』という従来の枠を超えて、さらに会社を成長させていくことが期待できるでしょう。

まとめ

損害保険は、自動車や住宅といった『もの』に受けた損害を補償するための保険です。保障対象によって加入するべき保険の種類が異なるため、どの保険が必要なのかをよく検討することが重要です。

また、保障内容や事故発生時の対応、保険料などが保険会社によって異なります。契約前にその保険会社の評判や商品の詳細などを調べて、自分の希望に合う損害保険を見つけましょう。

生命保険、医療保険、損害保険、ガン保険などに入る前には保険料が支払えるのか、 保険料はどれくらいになるのか、どのような保障が付いているのかが大事です。 まずはライフプランを作成してみましょう!

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