生命保険比較のポイント
生命保険を比較するときにとくに重要なのが、『保障内容』『保障額』『保障期間』です。なぜこれらの項目が重要なのか、詳細を解説します。
保障内容
どの生命保険であっても、主契約(※1)は『死亡保障』です。被保険者(※2)が亡くなった場合に、遺族に死亡保険金が支払われます。
死亡保険金は、生命保険の種類や商品によって『一括(一時金)』や『分割(年金)』など受け取り方法が異なるため、どちらが向いているかを考えなくてはなりません。
また、生命保険の中には、特約(※3)を付けることで、死亡保障以外の保障が受けられる商品が多くあります。
特約の種類は商品によってさまざまなので、生命保険で死亡保障以外の保障も受けたい場合は、各商品の特約の内容を確認することも重要です。
(※1.主契約とは、その保険の基礎契約のことです)
(※2.被保険者とは、保険の保障対象者のことです)
(※3.特約とは、主契約に有料オプションとして付加する保障のことです)
保障額
生命保険を選ぶときには、保障額も比較しておきましょう。生命保険に加入する際、最初に死亡保障額を設定する必要があります。
しかし、設定できる死亡保障額の範囲が、100万~3000万円や200万~1億円など、商品によって大きく異なります。
また、同じ保障額でも保険料が商品によって異なるため、自分が希望する死亡保障額を設定できるのか、その死亡保障額で保険料がいくらになるのか比較することが大切です。
保障期間
生命保険は、一定期間だけ保障が受けられるもの、生涯保障が受けられるものなど、商品によって保障期間も違います。
子どもが独立するまでの保障が欲しい、生涯保障を確保して安心したいなど、どれくらいの保障期間が必要なのかを明確にし、それに合う商品を選びましょう。
比較の仕方
複数の生命保険を比較するにはどうすればよいのか、具体的な方法を紹介します。
比較表や比較サイトを使う
保険会社各社が自社商品のホームページを用意していますが、複数の生命保険を一つずつチェックしていくのは大変です。
複数の商品を比較してみたい人は、インターネットで公開されている保険の比較表や、一括比較サイトなどを利用するとよいでしょう。
とくに、一括比較サイトは、自分が希望する保障内容や保障額で保険料がいくらになるのか一目でわかるので便利です。
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無料相談サービスを活用
自分に必要な保障内容や保障額などの見当がつかないという人は、保険の無料相談サービスを利用するのもよいでしょう。
保険の仕組みや保障内容、必要な保障額、どの保険会社や商品が合うかといったことを教えてもらえます。
また、窓口相談の場合、気に入った保険やプランがあれば、そのまま契約まで済ませることが可能です。契約書などでわからないことがあってもすぐに確認できるので、いまいち保険がよくわからないという人でも安心できるでしょう。
キャンペーンも上手に使おう
無料相談の利用でプレゼントがもらえたり、便利なサービスが優待価格で利用できたりといったキャンペーンを実施していることがあります。
お得に無料相談を利用したい人は、このようなキャンペーンがある会社の無用相談を利用するとよいでしょう。
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エクセルで比較表を作るのもアリ
ある程度商品や保障内容などが絞れている場合は、自分でエクセルを利用して、保険の比較表を作ってもよいでしょう。
項目 | A社 | B社 | C社 |
主契約 | 死亡保障 | 死亡保障 | 死亡保障 |
特約 | 医療保障 | 介護保障 | なし |
保障期間 | 定期 10年・20年・30年から選択可 |
定期 60歳・70歳・80歳から選択可 |
終身 |
保険料 | 月1750円 | 月2020円 | 月3500円 |
このように、各社の保障内容や保障期間、保険料などを書き出し、一目で特徴が比較できるようにしておきます。比較表があると、夫婦や家族間で相談もしやすいのでおすすめです。
終身保険と定期保険の比較
生命保険には、『終身保険』と『定期保険』の2種類があります。それぞれの特徴を比較し、どちらが自分の希望に合うか考えてみましょう。
終身保険や定期保険とは
終身保険や定期保険とは、保障期間によって保険を分類したものです。終身保険は、被保険者が死亡するまで保障が続く保険のことをいいます。
そして、定期保険とは、一定期間内だけ保障が受けられる保険です。定期保険の保障期間は、『歳満了(さいまんりょう)』と『年満了(ねんまんりょう)』のいずれかになるのが基本で、自分で保障期間を決定します。
- 歳満了:60歳・70歳・80歳など、年齢によって保障期間を設定すること
- 年満了:10年・20年・30年など、年数によって保障期間を設定すること
終身保険の特徴
終身保険は、毎月の保険料が保険料の総額を加入期間で等分した金額になること、契約更新がないことから、最後まで保険料が一定という特徴があります。
年齢が若いうちは定期保険よりも保険料が割高ですが、高齢になってからは保険料が安く済む可能性が高いでしょう。
また、商品によっては、『一時払い』『短期払い』『終身払い』などから保険料の支払い方法を選ぶことが可能です。
- 一時払い:生涯で支払う保険料全額を一括払いすること
- 短期払い:保険料の支払い期間を設定し、期間内に全額支払うこと
- 終身払い:生涯保険料の支払いを続けること
このうち、一括払いや短期払いを選ぶと、保険料の割引が受けられることがあります。
定期保険の特徴
定期保険は、貯蓄分の積み立てなどがないことから、保険料が安いという特徴があります。商品や加入時の年齢によっては、毎月数百円程度の出費で済むこともあるのが魅力です。
ただし、生命保険は年齢に応じて保険料が高くなるので、高齢になってからでは、定期保険でも思ったより保険料が安くならないでしょう。
また、商品によっては、保障期間満了時に更新することで、保障期間が延長できることがあります。しかし、更新すると、そのときの年齢に応じた保険料に変更されるため、これまでと同じ保障内容のまま、保険料だけが高額になります。
掛け捨て型と貯蓄型の比較
生命保険は、『掛け捨て型』と『貯蓄型』にも分類されます。それぞれどのような特徴があるのか見ていきましょう。
掛け捨て型や貯蓄型とは
掛け捨て型や貯蓄型とは、貯蓄性の有無によって保険を分類したものです。掛け捨て型は、貯蓄性を持たない保険を指します。
そして、貯蓄型とは、満期保険金や解約返戻金(かいやくへんれいきん)などが受け取れる、貯蓄性を持った保険のことを指します。
- 満期保険金:保障期間満了時に被保険者が生存していたら支払われる保険金
- 解約返戻金:保険解約時に支払い保険料の総額や加入期間などに応じて支払われるお金
掛け捨て型の特徴
掛け捨て型は、保険料に貯蓄分の加算がないことから、保険料が安いのが特徴です。掛け捨て型の多くは定期保険でしたが、最近は終身保険でも掛け捨て型にすることで保険料を抑えた商品が増えています。
万が一のときの備え、安心を買っているので、正確には保険料を無駄にしているわけではありません。しかし、お金が戻ってこないため、保障を受けることなく保障期間が終わった場合は、保険料を無駄にした感覚になる人もいるでしょう。
貯蓄型の特徴
貯蓄型は、保険料に貯蓄分が加算されることから、掛け捨て型よりも保険料が高いのが特徴です。しかし、保障を受けることがなくても、解約返戻金や満期保険金が受け取れるので、保険料を全額無駄にした感覚になることはないでしょう。
解約返戻金や満期保険金は、保険料の積み立て分が戻ってくるものなので、支払った保険料が全額戻るとは限りません。ただし、商品によっては金利が上乗せされ、支払った保険料よりも多い金額が支払われることもあります。
県民共済との比較
家族の死亡に対する備えとして、生命保険のほかに都道府県民共済という選択肢もあります。都道府県民共済とは、非営利団体の全国生活協同組合連合会が運営する、加入者同士の助け合いの仕組みのことです。
生命保険と都道府県民共済の条件や保障内容などの違いを把握し、どちらが向いているのか考えてみましょう。
条件の違い
まずは、生命保険と都道府県民共済の条件を比較してみましょう。
生命保険 | 都道府県民共済 |
・都道府県ごとに共済が分かれており、その都道府県の居住者のみが対象 ・県外に引っ越した場合は、引っ越し先の都道府県民共済に再加入するか、解約する必要がある(※) ・健康状態は自己申告 |
・日本のどこに住んでいても加入できる ・引っ越しによって再加入や解約をする必要はない ・健康状態の審査があるのが基本で、健康診断書の提出が必要な場合もある |
(※2019年時点で福井県・鳥取県・徳島県・高知県・佐賀県・沖縄県の6県には都道府県民共済がないため、6県のいずれかに引っ越した場合は解約することになります)
保障や特約の内容
生命保険と都道府県民共済では、保障や特約などの内容も異なります。
都道府県民共済 | 生命保険 |
・死亡保障額が最高2000万円と少ない ・保障が受けられるのは85歳までで、終身保険がない ・数種類のコースがあり、コースによって保険料(掛金)が一律 ・特約の種類が少ない |
・商品によっては、1億円の死亡保障を設定できる ・終身保険に加入すれば、生涯保障が受けられる ・保障内容や保障額、年齢などで保険料が変動する ・特約の種類が多い |
都道府県民共済は死亡保障額が少ない、その都道府県の居住者しか加入できないなどのデメリットがあります。しかし、保障内容や保険料がシンプルで無駄がなく、わかりやすい点がメリットです。詳しい保障内容を確認し、生命保険と比較してみましょう。
他の共済との比較
都道府県民共済以外にも、国民共済やコープ共済といった共済も存在します。どの共済も加入者同士の助け合いの仕組みである点は同じですが、保障内容はそれぞれ異なります。
例えば、国民共済には終身保険があるので、共済で生涯保障を受けたい人は、国民共済の方がよいでしょう。コープ共済であれば、女性特有の疾患に備える女性コースなども選べます。生命保険と都道府県民共済だけでなく、その他の共済の保障内容も比較してみましょう。
加入者数ランキング上位の会社と特徴
ここでは、加入者数が多い保険会社とその特徴を紹介します。
かんぽ生命
かんぽ生命は、2007年10月1日に郵政民営化によって誕生した、日本郵政グループの生命保険会社です。
かんぽ生命の大きな特徴は、かんぽ生命が取り扱う保険に加入する際、医師の診査が必要ないことです。わざわざ健康状態の審査を受けたり、健康診断書を提出したりする必要がないので、気軽に加入できます。
かんぽ生命の生命保険で代表的な商品は、終身保険の『新ながいきくん』です。定額型や生存保険金が受け取れるおたのしみ型など、さまざまなコースが選択できるため、自分の希望に合うコースを探してみましょう。
日本生命
日本生命は、1889年7月4日創業という日本で3番目に古い生命保険会社です。日本で初めて、日本国内の統計データを用いた保険料表を作成したという実績があります。
万が一のときに確実に保険金の支払いができるよう、毎年着実に積み立てをして、自己資本を増やして堅実な経営を実現しているのが特徴です。
日本生命の代表的な生命保険は、『みらいのカタチ』です。死亡保障を含む13の保険を組み合わせることが可能で、自分に必要な保障をまとめて確保できます。
第一生命
第一生命は、1902年9月15日に日本初の相互会社(※)として創業した、やはり長い歴史のある保険会社です。加入者の一生涯のパートナーとなることをめざし、アフターサービスに力を入れている点が特徴です。
第一生命の生命保険で代表的なのは、『ジャスト』です。死亡保障や医療保障、介護保障などから必要な保障を選んで組み合わせます。健康診断割引特約を付加して健康診断書を提出すると、保険料が割引になるのがメリットです。
(※相互会社とは、保険業法で保険会社のみが設立することを認められている会社形態のことです)
生命保険ランキングからのおすすめ
最後に、生命保険ランキングで上位に入っている生命保険の中から、おすすめの商品を紹介します。
オリックス生命 定期保険ブリッジ
定期保険への加入を希望している人には、オリックス生命の『死亡保険(定期保険)Bridge(ブリッジ)』がおすすめです。
ネット申し込み専用・掛け捨て型の生命保険であるため、保険料が割安というメリットがあります。申し込みから契約まですべてインターネット上で完了できるため、手続きが手軽に済ませられる点もメリットといえるでしょう。
また、保険料の支払い方法を『月払い』『半年払い』『年払い』から選択でき、半年払や年払いを選ぶと保険料の割引が受けられます。
死亡保険(定期保険)Bridge[ブリッジ]|オリックス生命保険株式会社
ライフネット生命 かぞくへの保険
ライフネット生命の『かぞくへの保険』は、19年の価格.com保険アワード(生命保険の部)で1位を獲得した生命保険です。
ネット専用保険にすること、死亡保障に特化した保険にすることで、手頃な保険料を実現しています。死亡保障は最大1億円まで設定できるため、手厚い保障を確保したい人にもおすすめです。
また、死亡保障額を所定の金額以下に抑えれば、健康診断書の提出が不要になるため、わざわざ健康診断書を提出するのが面倒に感じていた人でも申し込みやすいでしょう。
ライフネット生命の定期死亡保険「かぞくへの保険」保険内容の特長を解説
アクサダイレクト生命 定期保険2
保険料を安く済ませたい人には、アクサダイレクト生命の『定期保険2』もおすすめです。定期保険2への掛け替えや保障内容の見直しによって、保険料が平均で年間5万5584円節約できたとの結果が出ています。(アクサダイレクト生命アンケート結果より)
余命6カ月以内と宣告された場合に、生存中でも死亡保険金を受け取れる『リビング・ニーズ特約』が無料で付加できる点もメリットです。入院費などを早めに精算できるので、遺される家族の金銭的な負担を軽減できます。
定期死亡保険のシミュレーション | アクサダイレクト生命保険
まとめ
生命保険は、商品によって保障期間や保障額などが大きく異なります。また、同じような内容でも保険料が大きく異なるため、各社の商品を比較することが重要です。
まずは、自分がどのような保障を希望するのか、毎月の保険料がいくらまでなら負担なく支払えるのかといったことを明確にしましょう。そのうえで、自分の希望に合う商品を見つけることが大切です。