独身女性が備えておきたい保険とは?
まずは、独身女性が備えておきたい保険について解説します。
リスクを考え、がん保険を検討しよう
独身女性は、がんにかかった場合のリスクを考え、がん保険への加入を検討しましょう。がんは日本人の死因1位の、女性でも罹患リスク(病気にかかるリスク)が高い病気です。
国立がん研究センターの『最新がん統計』によると、生涯でがんにかかるリスクは男性62%、女性47%と男性のほうが高い傾向にあります。しかし、30代後半~40代では女性のほうが罹患率が高いという結果が出ています。
オリックス生命の試算によると、がんで入院した場合の費用は1日あたり平均で『1万9800円』です。1週間入院しただけでも13万8600円もの費用がかかることになります。
がん保険に加入していれば、治療中に発生する様々な費用の保障が受けられるため、金銭的な負担を軽減できます。
1人だからこそ収入減や入院に備えよう
独身女性は、1人だからこそ病気やケガによる収入減や入院にしっかり備えましょう。例えば、収入減に備えるための保険として『就業不能保険』があります。
就業不能保険とは、病気が原因で働けなくなった場合に保険金が受け取れる保険のことです。
会社員であれば、就業不能状態になった場合でも所定の条件を満たせば傷病手当金(※)が受け取れますが、就業不能保険に加入していればより安心です。
また、『医療保険』に加入しておくと、病気やケガの治療でかかった医療費の保障が受けられるので、高額な医療費が発生した場合も対応しやすくなるでしょう。
ただし、将来に備えることに集中しすぎて保険料が家計の負担にならないように、必要な保険を厳選することも重要です。
(※傷病手当金とは、病気やケガで休業し、その間十分な収入が得られない場合に支給される給付金のことです)
夫婦共働きの既婚女性にも保険は必要?
既婚で共働きの女性にも保険は必要なのでしょうか。
子どもがいる場合は死亡保障があると安心
共働きの場合は、どちらかが死亡しても遺された配偶者が生活に困る可能性は低いといえます。
そのため、葬儀や埋葬、遺品整理などの費用に対応できる程度の死亡保障があれば問題ないでしょう。ただし、子どもがいる場合は、それなりの金額の死亡保障を確保しておくと安心です。
例えば、共働きで夫の収入を生活費、妻の収入を子どもの教育費などの貯蓄に回していた場合、妻の死亡により予定通りの貯蓄ができなくなります。その結果、子どもの教育費が足りなくなるかもしれません。
妻の収入が途絶えることで、どれぐらいライフプランに影響があるかをシミュレーションし、死亡保障額を決めましょう。
女性保険への加入はおすすめ?
『女性保険』には、加入したほうがよいのでしょうか。
子宮筋腫など女性疾病に対応できる
女性保険とは、子宮筋腫や子宮がん、乳がんなどの女性疾病の保障が手厚い保険のことです。
通常の医療保険に女性疾病特約を付加して、女性疾病にかかった場合に、通常の給付金に女性疾病特約分の給付金が上乗せされる形になるのが一般的です。
女性疾病特約を付けると、その分、保険料が上がります。公的医療制度や貯蓄で医療費に十分対応できるという人は、女性疾病特約を付けなくてもよいでしょう。
貯蓄が少ない人や、独身、シングルマザーの人などで、治療中の生活費などに不安がある場合は、女性疾病特約の付加を検討しましょう。
20代で加入すると保険料が抑えられる
女性保険をはじめ、生命保険や医療保険、がん保険など、多くの民間保険は20代で加入すると保険料が抑えられます。年齢が低いほど病気や死亡のリスクも低いため、20代の保険料は安いことが多いためです。
また、商品によっては、妊娠中の女性の加入に制限が設けられていることがあります。結婚・出産の予定がある場合は、早いうちに保険に加入しておきましょう。
28歳などアラサーでも遅くない
保険の加入は20代後半でも遅くはありません。アフラックの『ちゃんと応える医療保険レディースEVER』の保険料を比較してみましょう。(しっかりシミュレーション・デフォルトプランで比較)
- 20歳:2167円
- 29歳:2530円
- 38歳:2965円
20歳と29歳の保険料の差は363円ですが、29歳と38歳の保険料の差は435円です。つまり、年齢が1歳上がるごとに一律の金額が加算されていくわけではなく、加算率も高くなるということです。
20代の間であれば加算率の差も大きくないため、20代のうちに保険の加入を決定するとよいでしょう。
ちゃんと応える医療保険レディースEVER:保険料シミュレーション|保険・生命保険はアフラック
30代にオススメの保険の選び方
ここでは、30代女性の保険の選び方について解説します。
生命保険はなるべく若いうちに見直そう
すでに生命保険に加入しているのであれば、なるべく若いうちに保障内容を見直しましょう。30代になると、結婚や出産、転職などで20代の頃とライフスタイルが変わることも多いものです。
ライフスタイルが変わると必要な保障も変わるため、20代のときに加入した生命保険の保障内容を見直したり、必要に応じて掛け替えたりする必要があります。
例えば、子どもが産まれた場合は死亡保障額を増額する、専業主婦になったので死亡保障額を減額するなど、現在の状況と今後のライフプランに保障内容を合わせましょう。
年齢が上がると見直しや掛け替えの際に、それまでよりも保険料が大幅に上がる可能性があるため、30代のうちに済ませておくことが重要です。
女性特有の病気のリスクが上がる
通常、がんは高齢になるほど罹患リスクが高くなりますが、子宮筋腫や子宮頸がん、乳がんといった女性疾患は、30代頃から罹患リスクが高まるのが特徴です。
全日本病院協会の『医療の質の評価・公表等推進事業』によると、子宮筋腫・乳がんで入院した場合の1入院あたりの費用の平均は以下のようになっています。(公的医療保険適用後の金額は3割負担の場合の概算です)
- 子宮筋腫:74万9959円(公的医療保険適用後:22万4987円)
- 乳がん:72万1921円(公的医療保険適用後:21万6576円)
1度入院しただけでも、高額な費用が発生することがわかります。いざというときに費用が捻出できずに困ることがないよう、医療保険などでしっかり備えておきましょう。
医療費:医療の質の評価・公表等推進事業:病院運営支援事業 – 全日本病院協会
医療保険に入ったほうが良いケースは?
30代で医療保険に加入したほうがよいのは、どのようなケースでしょうか。
貯蓄が少ないときや入院保障を希望する場合
医療保険に加入したほうがよいのは、貯蓄が少ないときや、個室に入院したいなどの理由で差額ベッド代(※)などの入院保障を希望するときです。
医療保険に加入していると、入院したときに入院1日あたり○○円という形で給付金が支払われるため、医療費の軽減に役立ちます。
給付金額は日額5000円や1万円など、いくつかのパターンから選択できますが、給付金額を高く設定すると、保険料も高くなります。
貯蓄が少ないことが理由で医療保険に加入する場合は、給付金額を低めに設定して保険料を抑え、貯蓄を増やすことも考えましょう。
(※差額ベッド代とは、個室や少人数部屋への入院を希望した場合に、入院費とは別に発生する費用のことです)
40代にオススメの保険の選び方
40代の保険の選び方についても知っておきましょう。
子どもが大きくなったら生命保険は不要?
子どもが大きくなったら、高額な死亡保障は必要なくなります。ただし、住宅ローンの返済が残っている場合などは、ある程度の保障は確保しておいた方がよいでしょう。
40代、50代も加入率は87%以上
生命保険文化センターの『2016年度・生活保障に関する調査』によると、40代女性の生命保険加入率は87.1%、50代女性の加入率は88.1%となっています。
生命保険に加入している人はどれくらい?|公益財団法人 生命保険文化センター
ライフステージごとに死亡保障を見直そう
40代女性は、ライフステージごとに死亡保障を見直しましょう。例えば、まだ子どもの教育費が必要な場合は、まとまった額の死亡保障が必要です。
子どもがすでに独立しているのであれば、死亡保障額は下げ、保険料が安くなった分を貯蓄に充てるなどして、今後の医療費や老後の資金作りを始めるとよいでしょう。
独身や専業主婦であれば、死亡保障はあまり必要ではないため、最低限の金額に抑えて医療保障を充実させるのがおすすめです。
40代は商品や保障内容によっては保険料が高くなるので、様々な保険をうまく活用し、保険料を抑えることが大切です。
医療保険に入るならラストチャンス?
医療保険に加入したいのであれば、40代がラストチャンスと思って探しましょう。40代以降は、病気にかかるリスクが上がるためです。
基本的に、医療保険は持病や大病の経歴があったり、健康状態に問題があったりすると、加入審査に通らなくなります。持病があっても加入できる医療保険もありますが、通常の医療保険よりも保険料が高額です。
定期型の医療保険のほうが保険料が安く済みますが、老後に契約が切れると保障がなくなるため、終身型に加入したほうがよいでしょう。
まとめ
女性が加入するべき保険の種類や保障内容は、年代や家族構成などによって大きく異なります。
それぞれの保険の特徴や自分の年齢と状況を理解して、自分に合った保険を選べるようになりましょう。