がん保険の予備知識
まずは、がん保険の予備知識について解説します。
最初のがん保険はアメリカンファミリー
がん保険とは、がん治療によって発生する医療費の保障に特化した保険で、各保険会社が提供しています。
世界で初めてがん保険を開発したのは、『アフラック生命保険株式会社(American Family Life Assurance Company of Columbus)』です。
日本に進出したのは1974年で、日本初となるがん保険を発売しました。アフラックのがん保険は、『2016年版・インシュアランス生命保険統計号』がん保険の保有契約件数第1位となっています。
世界で初めてがん保険を開発。アフラック想い|保険・生命保険はアフラック
古いがん保険は見直したほうがよい
契約したままで放置しているがん保険は、保険料や保障内容を見直したほうがよいでしょう。
入院が必要だったがん治療が、医療の進歩によって通院治療で済むことも多くなっています。
出典:通院治療費は最大1,000万円まで補償 - SBI損保のがん保険
そのため、入院保障中心の古いがん保険では、がん治療にかかった医療費を補えないこともあるでしょう。
また、ネット申込限定のがん保険など、コストを抑えることによって、古いがん保険と同等、もしくはそれ以上の保障内容で、安価な保険料を実現したがん保険なども登場しています。
がん保険の見直しをすることで、今よりも保険料が安く、充実した保障内容の商品が見つかる可能性があります。
年末調整で生命保険料控除を受けられる
がん保険に払い込んだ保険料は、年末調整時に申告することで『生命保険料控除』を受けられます。
生命保険料控除とは、生命保険やがん保険、医療保険などに払い込んだ保険料に応じた控除額を、所得額(※)から差し引き、税金の負担を軽減する制度のことです。
生命保険料控除には、一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の3種類があり、がん保険は『介護医療保険料控除』の対象となります。(新制度の場合)
(※所得額とは、収入から給与所得者の場合は給与所得控除、自営業者の場合は経費を差し引いた金額のことです)
税金の負担が軽くなる「生命保険料控除」|公益財団法人 生命保険文化センター
保険期間から見るがん保険の種類
ここからは、がん保険の種類について解説します。まずは、保険期間から見るがん保険の種類を見ていきましょう。
終身タイプのがん保険
終身タイプのがん保険とは、保険期間が一生涯続くがん保険です。解約時に解約返戻金(かいやくへんれいきん※)が支払われる商品が多いことから、保険料が高い傾向にあります。
ただし、終身タイプは、払込保険料の総額が決まっているため、『短期払い』や『一時払い(一括払い)』で、保険料をまとめて払い込むことが可能です。
まとめ払いすると、保険料の割引が受けられることがあり、払込保険料の総額が安くなる場合もあります。
(※解約返戻金とは、保険の解約時にそれまで払い込んだ保険料と、加入していた保険期間に応じて、保険会社から払い戻されるお金のことです)
定期タイプのがん保険
定期タイプのがん保険とは、保険期間が限定されるがん保険です。保険期間が年齢で決まる『歳満了』と、年数で決まる『年満了』の2種類があります。
定期タイプのがん保険は、解約返戻金などの支払いがない掛け捨て型で、保険料が安い点が特徴です。
ただし、保険期間が完了して更新をすると、更新時の年齢に応じた保険料が適用され、保険料が上がることが一般的です。
安易に更新を繰り返すと、終身タイプよりも払込保険料の総額が高くなる可能性があります。
貯蓄性から見るがん保険の種類
がん保険には、貯蓄性の有無による違いもあります。
掛け捨て型がん保険
掛け捨て型がん保険とは、解約返戻金や満期金(※)などの支払いがなく、払込保険料が戻らないタイプのがん保険です。その分保険料が安いですが、貯蓄性はありません。
掛け捨て型は、定期タイプの保険に多いですが、解約返戻金をなくして保険料を安く抑えた、掛け捨て型の終身保険もあります。
掛け捨て型がん保険は商品数が多く、現在のがん治療の傾向に合わせた保障内容のものも多いため、自分に合った保険を見つけやすいでしょう。
(※満期金とは、保険期間が満期(終了)を迎えた際、保険契約者が生存していた場合に、保険会社から支払われるお金のことです)
貯蓄型がん保険
貯蓄型がん保険とは、解約返戻金などが払い戻され、貯蓄性のあるがん保険です。また、無解約返戻金型であっても、一定期間保険を利用しなかった場合に、給付金が支払われる商品もあります。
がん診断保険R | がん保険 | 東京海上日動あんしん生命保険
保障内容で見るがん保険の種類
がん保険の保障には、さまざまな種類があります。
入院給付金型
入院給付金型は、一般的ながん保険です。がん治療のために入院した場合に、日額で給付金が支払われます。
がんと診断されたときに支払われる診断給付金や、がん治療のために手術を受けたとき支払われる手術給付金の金額も、入院給付金の金額がベースとなります。
がん保険の多くが入院給付金型なので商品数が多く、自分に合ったがん保険を見つけやすい点がメリットです。
がん終身保険のシミュレーション | アクサダイレクト生命保険
実損補てん型
実損補てん型とは、一定額の給付金が支払われるのではなく、実際にかかった医療費が保障されるがん保険です。
入院給付金型と比べると商品数は少ないものの、先進医療や自由診療(※)、通院治療、家族の介添え費用に対する保障など、手厚い保障内容の商品もあります。
(※自由診療とは、公的医療保険対象外の治療を自費で行うことです)
診断給付金型
診断給付金型は、診断給付金が支払われるがん保険です。診断給付金は、がんと診断された場合に支払われ、入院費用や生活費など、どのような目的でも自由に利用できます。
もし、給付金が余ったとしても返還の必要はなく、貯蓄に回したり借入金の返済に利用したりすることも可能です。
診断給付金は初回診断時だけでなく、再発した場合にも支払われることが一般的ですが、2回目以降の支払いには、『再発により入院した場合』などの条件が付くことがあります。
また、診断給付金の支払い回数に制限はないものの、『支払いは2年に1回』などといった制限がかかる場合があるので注意が必要です。
ライフネットのがん保険「ダブルエール」 | 生命保険・医療保険のライフネット生命
収入保障型
収入保障型は、がん治療中における収入減少のリスクをカバーするためのがん保険です。給付金は一括ではなく、保険期間満了まで毎月定額が支払われます。
また、加入者が死亡した場合には、遺族に毎月定額の給付金が支払われる商品もあり、遺された家族の生活を支えることができます。
がん保険の種類と給付金について知りたい。先進医療もカバーできる?
がん保険の特約の種類
がん保険には、さまざまな種類の『特約』があります。特約とは、保険商品の基本となる『主契約』に付ける保障のことです。特約を付けることによって、より保障内容が充実します。
ただし、特約は有料であることが一般的です。付加した特約の数が多いほど保険料も上がるので、保険料の負担が重くなりすぎないよう厳選しなければなりません。
ここでは、数ある特約の中で、おすすめの特約を紹介します。
がん先進医療給付金特約
『がん先進医療給付金特約』とは、がん治療のために先進医療を受けた場合に、その費用の保障を受けられる特約のことです。
先進医療にかかる費用は、公的医療保険適用外の治療であるため全額自己負担となります。
がん先進医療給付金特約を付けておけば、先進医療を受けても費用を給付金でまかなえるので、金銭的な負担を軽減できます。
抗がん剤治療や放射線治療特約
『抗がん剤治療特約』や『放射線治療特約』を付けるのもよいでしょう。がんの代表的な治療法として、抗がん剤治療・放射線治療・手術治療があります。
その中で、抗がん剤治療と放射線治療は、通院治療となるケースが増えているため、入院給付金のみのがん保険では、医療費をまかなえない可能性があります。
よって、抗がん剤治療・放射線治療特約を付けておけば、通院治療でも給付金が支払われるので安心です。
おすすめのがん保険
最後に、おすすめのがん保険を紹介します。
アフラックの生きるためのがん保険
アフラックの『生きるためのがん保険Days1』は、がんと診断されたときから再発したときまで、幅広い範囲をカバーできるがん保険です。
入院給付金のほかに、診断給付金と通院給付金が主契約に含まれており、入院治療と通院治療のどちらにも対応できます。
また、先進医療や抗がん剤・放射線治療の保障も特約として付けられるほか、再発時の保険料免除や緩和療養などに対する保障もあり、手厚い保障を備えることが可能です。
生きるためのがん保険Days1:特長・保険料例|保険・生命保険はアフラック
FWD富士生命 がんベスト・ゴールドα
FWD富士生命の『がんベスト・ゴールドα(アルファ)』は、診断給付金が支払われるがん保険です。
初めてがんと診断されたなど、支払い事由に該当した場合に、最高300万円の診断給付金が受け取れます。
また、がんと診断された場合、それ以降の保険料の支払いが免除されるため、療養中の家計への負担を抑えられます。
まとめ
がん保険は、保険期間や保障内容などによって、さまざまな種類に分かれます。それぞれの特徴を知り、どのがん保険が自分に向いているのかよく考えましょう。
また、加入したまま見直しをしていない場合は、保障内容が現在の治療傾向に合っていない可能性があります。いざ保険を使おうとしたときに、自分の治療が保障の対象外だったということがないよう、早めに見直しを行いましょう。