生命保険の基本
生命保険とは、被保険者(保険の対象者)の死亡時に、保険金が支払われる民間保険のことです。
生命保険に加入するメリットとは
生命保険に加入するメリットには、以下が挙げられます。
- 世帯主が死亡したときに、遺族の生活資金などを確保できる
- 病気やケガにより、高額な医療費が発生した場合に備えられる
- 万が一に備えつつ、老後資金や教育資金を確保できる
気になる保険料の平均は?
生命保険文化センター実施の『2016年度・生活保障に関する調査』によると、生命保険の年間払込保険料の平均額は、『19万7000円』となっています。
なお、以下は、夫婦の収入形態別における年間払込保険料の平均額です。
収入形態 | 年間払込保険料の平均額 | |
夫婦片働き | 20万円 | |
夫婦共働き | 夫:常雇被用者/妻:常雇被用者 | 22万3000円 |
夫:常雇被用者/妻:非正規社員 | 18万3000円 | |
夫:自営者/妻:自営者 | 29万2000円 |
調査結果一覧-2(Excelファイル)平成28年度「生活保障に関する調査」(平成28年12月発行)|公益財団法人 生命保険文化センター
3つのタイプを比較してみよう
生命保険には、『定期保険』『終身保険』『養老保険』の3タイプがあります。生命保険を選ぶときには、それぞれの特徴を比較することが大切です。
保険料を抑えられる掛け捨て型の定期保険
定期保険とは、保障期間が『歳満了(さいまんりょう)』、もしくは『年満了(ねんまんりょう)』のいずれかで期間が限定されている保険のことです。
- 歳満了:60歳満了など、年齢によって保障期間が設定される
- 年満了:10年満了など、年数によって保障期間が設定される
多くの定期保険は、解約時や満了時にお金が戻らない『掛け捨て型』となっており、その分保険料が安く抑えられています。
ライフスタイルの変化に応じて保障内容を見直したい人や、安価な保険料で保障内容を充実させたい人に向いている保険です。
死亡保険(定期保険)FineSave[ファインセーブ]|オリックス生命保険株式会社
一生支払いが続くが手厚い終身保険
終身保険は、一生涯にわたり保障が受けられる保険です。解約時にお金が戻る(解約返戻金:かいやくへんれいきん)ものも多く、その分保険料が高くなる傾向にあります。
保険料は、生涯支払いを続ける『終身払い』が基本です。しかし、短期間で保険料を全額払い込む『短期払い』や、一括で保険料を全額払い込む『一時払い』などを選択できることがあります。
短期払いや一時払いを選択した場合は、保険料が割り引かれ、終身払いよりも保険料の支払い総額が安くなることもあるので、資金に余裕がある場合は、検討するとよいでしょう。
扶養家族がおり確実に保障を備えたい人や、解約時に支払い保険料をなるべく取り戻したい人などに向いています。
貯金もできて保障も付く養老保険
養老保険は、老後資金の貯蓄と万が一の保障を備えられる保険です。保障期間は限定されていますが、保障期間中に被保険者が死亡した場合は死亡保険金、満了を迎えた場合は、死亡保険金と同額の満期金が支払われます。
また、満了前に解約した場合は、解約返戻金も支払われるため、死亡時などの保障を確保しながら、さまざまな用途に使える資金を準備できます。
ただし、貯蓄分が上乗せされた保険料となるため、他の保険と比べて保険料が高くなる点がデメリットです。
支払い保険料を無駄にしたくない人や、手厚い保障を確保しつつ、貯蓄を行いたい人は、検討してみるとよいでしょう。
子どものいない夫婦の保険の選び方
ここでは、子どもがいない夫婦の生命保険の選び方を解説します。
DINKS夫婦は医療保障を中心に
DINKS(ディンクス※)の夫婦は、医療保障が手厚い生命保険を選ぶとよいでしょう。DINKSの場合は、それぞれが働いているため、世帯主が死亡したとしても、遺された配偶者がすぐに生活に困る可能性は低くなります。
そのため、死亡保障は、葬儀代や引っ越し代などをまかなえる程度の金額で問題ないでしょう。
どちらかがケガや病気で働けなくなった場合の収入減や、高額な医療費の発生に対応できるように、医療保障を充実させておくと安心です。
金銭的に余裕がある場合は、終身保険に加入してもよいですが、将来マイホームを購入するなどの予定がある場合は、掛け替えがしやすい定期保険がよいでしょう。
(※DINKSとは、意識的に子どもを作らないことを決めている、共働きの夫婦のことです)
妻が専業主婦の場合は万が一に備えよう
妻が専業主婦の場合は、夫が死亡すると収入が途絶え、生活に支障が出る可能性が高くなります。この場合は、できるだけ死亡保障を手厚くし、当面の生活費を確保できるように備えることが大切です。
また、夫が病気などで働けなくなった場合にも備える必要があるため、医療保障も確保しなければなりません。
特に、夫が自営業者の場合は、会社員のように傷病手当(※1)や労災保険(※2)、有給休暇などの公的制度がないので、すぐに生活に支障が出る可能性があります。そのため、できるだけ保障内容を手厚くして、万が一に備えることが重要です。
(※1.傷病手当とは、病気やケガで休業している期間に、十分な収入が得られない場合に、給付金が支給される制度のことです)
(※2.労災保険とは、業務上に何らかのことが原因で病気やケガをした場合に、労働者の生活を保障する制度のことです)
子どものいない夫婦におすすめの生命保険
子どもがいない夫婦におすすめの生命保険を紹介します。
リーズナブルで柔軟性のある楽天生命
楽天生命の『スーパー定期保険』は、保険料が手ごろで柔軟性のある生命保険です。
1年ごとの更新なので、その時々の状況に応じて見直しがしやすく、マイホームの購入や出産など、ライフスタイルに大きな変化が起こりやすい、子どもがいない夫婦に向いています。
3大疾病に備えパートナーを守るアフラック
40代以降の夫婦には、3大疾病に備えられるアフラックの終身保険『三大疾病保障プラン』がよいでしょう。
3大疾病とは、日本人の死因の上位を占める、『がん(悪性新生物)』『脳卒中』『急性心筋梗塞』のことで、40代ごろから罹患率(りかんりつ※)が上がります。
三大疾病保障プランでは、3大疾病にかかり所定の状態に該当した場合には給付金、死亡時には死亡保険金が支払われます。
(※罹患率とは、ある病気の一定期間内における患者の人口に対する割合のことです)
収入保障で安心の三井住友海上あいおい生命
三井住友海上あいおい生命の『&LIFE新総合収入保障』は、被保険者が死亡、および障害状態、就労不能になったときなど、さまざまなケースにおいて保険金が支払われます。
新保険料払込免除特約を付加しておけば、がんと診断されたときや心疾患、脳血管疾患で入院したときなどに、以降の保険料を支払う必要がなくなるため、家計への負担を軽減できるでしょう。
&LIFE 新総合収入保障・新収入保障の特徴としくみ | 三井住友海上あいおい生命保険
子どもがいる夫婦の保険の選び方
子どもがいる夫婦は、何を重視して生命保険を選ぶとよいのでしょうか。
死亡保障の金額に注目
子どもがいる夫婦は、万が一のときでも生活費や教育費が確保できるように、死亡保障の金額に注目しましょう。
幼稚園から高校までの学校種別における教育費の年間平均額は、以下のようになっています。(総務省統計局『16年度・子どもの学習費調査』より)
区分 | 幼稚園 | 小学校 | 中学校 | 高校 |
公立 | 23万3947円 | 32万2310円 | 47万8554円 | 45万862円 |
私立 | 48万2392円 | 152万8237円 | 132万6933円 | 104万168円 |
教育費以外に生活費もかかるので、世帯主に万が一のことがあると、遺族にかかる負担は重くなります。そのため、死亡保障を手厚くすることが重要です。
子供の学習費調査 平成28年度 子供の学習費調査 1 学校種別の学習費 | 政府統計の総合窓口
妻が専業主婦の場合はより手厚くして安心を
妻が専業主婦の場合は、死亡保障をより手厚くしておくと安心です。専業主婦の妻が、世帯主の死亡後に急いで就職先を探したとしても、すぐに職に就けるとは限りません。
また、職に就けたとしても、世帯主と同等の収入を確保するのは難しく、仕事と子育ての両立による負担も大きくなります。
そのため、生活費以外にも葬儀代や引っ越し代、ローンの支払いや教育費など、世帯主の死亡後に発生することが予測される支出額を把握して、保障額を決めなければなりません。
ただし、保障内容を手厚くし過ぎると保険料が高くなり、現在の家計への負担が大きくなるため、保障内容と保険料のバランスも考慮しましょう。
子どもがいる夫婦におすすめの生命保険
子どもがいる夫婦におすすめの生命保険を紹介します。
多数リスク対応で保険料も安いチューリッヒ
チューリッヒ生命の『3大疾病保険プレミアムDX』は、さまざまなリスクに対応でき、保険料が手ごろな生命保険です。
3大疾病になったときの治療方針に応じて、細かく保障内容を組めるので、保障内容と保険料のバランスが取りやすいといえます。
子どものために資金を備えるマニュライフ生命
財産を残したい家族がいる人には、マニュライフ生命の『こだわり終身保険v2』がよいでしょう。死亡時の保障を確保しながら払込保険料を積み立て、資金を備えることが可能です。
また、特定疾病保険料払込免除特則を付けると、3大疾病で所定の状態になった場合に保険料の払込が免除され、解約時に戻る金額が増える可能性があります。
障害年金と収入保障で家族を守るオリックス
オリックス生命の『家族をささえる保険Keep』は、被保険者が死亡した場合に、遺族の生活を支えるための保険です。
被保険者が死亡すると、遺族に毎月定額の保険金が保障期間満了まで継続して支払われます。
子どもの進学などでまとまった額の資金が必要になった場合には、未払い金を一括受取することもでき、遺された家族の生活を支えられます。
家族をささえる保険Keep[キープ](収入保障保険)|オリックス生命保険株式会社
まとめ
夫婦で生命保険に加入する場合は、家族構成などを考慮して商品を選ぶことが重要です。商品によって保障期間や保障内容などが異なるため、複数の保険を比較して自分に合うものを契約しましょう。