医療保険は2種類ある
民間医療保険は、公的医療保険ではカバーできない医療費に備える目的で任意加入する保険です。『定期型医療保険』と『終身型医療保険』の2種類があります。
定期型医療保険
定期型医療保険とは、保障を受けられる期間が『歳満了(さいまんりょう)』、もしくは『年満了(ねんまんりょう)』のいずれかで限定される保険のことです。
- 歳満了:年齢で保障期間が設定される
- 年満了:年数で保障期間が設定される
保険料は、貯蓄性がない『掛け捨て型』であることが多く、その代わりに保険料が安く設定されている点が特徴です。
ただし、保障期間の満了後に契約更新をすると、更新時の年齢の保険料が適用され、保険料が高くなるので注意しましょう。
定期医療保険のシミュレーション | アクサダイレクト生命保険
終身型医療保険
終身型医療保険とは、一生涯にわたり保障が受けられる保険のことです。解約時などにお金が戻る(解約返戻金:かいやくへんれいきん)商品もあり、その分定期型よりも保険料が高くなる傾向にあります。
保険料は、『月払い』や『短期払い』、『一時払い(一括払い)』など、数種類の支払い方法から選択可能です。
一時払いなどで保険料をまとめて支払うと保険料が割引され、支払い総額が定期保険よりも安くなることがあります。
ライフネット生命の終身医療保険「新じぶんへの保険」保険内容の特長を解説
医療保険の保障内容の柱とは
医療保険は、『入院給付金』と『手術給付金』の2つの保障で成り立っています。
入院給付金
入院給付金は、ケガや病気などで入院した場合に支払われる給付金です。保険契約時に日額5000円・1万円など、入院1日あたりで受け取れる給付金額を設定します。
入院給付金には、給付金の支払い限度日数が設けられており、その日数を超えて給付金を受け取ることはできません。
そのため、医療保険を選ぶときには、入院給付金の支払い限度日数も比較することが重要です。
三井生命保険株式会社:入院給付金とは
「1回の入院の支払限度日数」とはなんですか?(FAQ) | 生命保険・医療保険のライフネット生命
手術給付金
手術給付金とは、ケガや病気により手術を受けた場合に支払われる給付金のことです。
給付金は、入院給付金のように日額ではなく、1手術あたり○○円という形で支払われるのが一般的です。
ただし、どの手術を受けても給付金が支払われるわけではなく、その保険商品が対象としている手術に限られます。
対象となる手術の種類や給付金額は保険商品によって異なるので、契約前によく確認しておきましょう。
40代の医療保険の必要性
ここでは、40代における医療保険の必要性を考えていきます。
医療保険の加入率
40代における医療保険の加入率は、以下の通りです。(生命保険文化センター『2015年度・生命保険に関する全国実態調査』より)
- 40~44歳:94.6%
- 45~49歳:94.7%
40代の9割以上が医療保険に加入していることが分かります。それだけ医療保険の必要性を感じている人が多いということです。
調査結果一覧-2(Excelファイル)平成27年度「生命保険に関する全国実態調査」(平成27年12月発行)|公益財団法人 生命保険文化センター
生活習慣病などのリスクが高くなる年代
以下の厚生労働省が発表した『17年・人口動態調査(第7表)』の3大疾病(※)における死亡者数のデータを見ると、40代は、生活習慣病などのリスクが高くなる年代であることが分かります。
年齢(歳) | がんの死亡者数(人) | 心疾患の死亡者数(人) | 脳血管疾患の死亡者数(人) |
20~24 | 174 | 91 | - |
25~29 | 269 | 132 | 51 |
30~34 | 616 | 237 | 127 |
35~39 | 1145 | 427 | 277 |
40~44 | 2649 | 992 | 792 |
45~49 | 4765 | 1765 | 1301 |
年齢と比例して死亡者数が増えており、40代から大幅に増加しています。それだけ、3大疾病の罹患率(りかんりつ:病気にかかる割合)も高いということです。
(※3大疾病とは、がん・心疾患・脳血管疾患の3種類の病気を指します。生活習慣病の中でも特に死亡率が高く、医療費も高額になるケースが多い疾病です)
平成29年(2017)人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省
何かとお金が必要で万が一の備えが必要
40代は、住宅ローンの返済や子どもの進学費用、親の介護費用など、何かとお金が必要になる年代です。
総務省統計局による『17年・家計調査(2人以上の世帯)』の、教育関係費の年齢別平均額は、以下となっています。
年齢(歳) | 教育関係費(円) |
~34 | 1万147 |
35~39 | 1万8945 |
40~44 | 3万376 |
45~49 | 4万8052 |
30代と比べて、金額が大幅に増えていることが分かります。これに、住宅ローンの返済や親の介護費用などが追加されると、さらに金銭的な負担が大きくなるでしょう。
このタイミングで世帯主が大きな病気にかかり、高額な医療費が発生すると、家計が苦しくなる可能性もあります。
病気のリスクが上がることや、多額の出費が増える40代は、医療保険で万が一に備えておくとよいといえるでしょう。
家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2017年 | ファイルから探す | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
40代の医療保険の選び方のポイント
40代は、何を重視して医療保険を選ぶとよいのでしょうか。
自営業者は保障額を大きくする
40代で自営業者の場合は、保障額をできるだけ大きくすることが重要です。会社員であれば、病気で働けなくなったとしても、有給休暇や傷病手当金(※)などにより、ある程度の収入を確保できます。
しかし、自営業者にはそのような制度がないため、働けなくなった時点で収入が途絶える可能性が高いでしょう。
さらに、医療費が高額になれば、貯蓄を医療費に補てんせざるを得ず、生活費が足りなくなることも考えられます。
なるべく保障額を大きくして、医療費や生活費を医療保険から捻出できるようにしておくと、このような事態を避けられるでしょう。
(※傷病手当金とは、病気やケガで働けなくなり、その期間に十分な報酬が得られないときに、給付金が支給される制度のことです)
がん特約も検討の価値あり
40代であれば、がん特約を付けることも検討しましょう。がんは日本人の死因の最上位の病気で、40代ごろから罹患率が高くなります。
出典:最新がん統計:[国立がん研究センター がん登録・統計]
がんは、治療が長期にわたるほか、再発リスクも高いことから、医療費が高額になることも少なくありません。
全日本病院協会『医療の質の評価・公表等推進事業』の医療費データによると、40代で胃がんになった場合の1入院あたりの平均医療費は、『111万8106円』です。
公的医療保険の適用で3割負担になったとしても、約34万円の費用がかかる計算になります。
がん特約を付けると、がん診断給付金が支払われたり、給付金の支払い限度日数が無期限になったりと保障が手厚くなるため、医療費の心配をせずに治療に専念できます。
医療保険ならメディフィットA|商品詳細|保険商品を知る|メディケア生命保険
医療費:医療の質の評価・公表等推進事業:病院運営支援事業 – 全日本病院協会
保険料と保障のバランスを考える
医療保険を選ぶときには、保険料と保障のバランスを考慮し、自分に合った保障内容にすることが大切です。
医療保険は、主契約で入院給付金と手術給付金が保障されますが、特約を付けて保障内容を充実させる商品が多くなっています。
特約が多いほど保障内容は充実しますが、その分保険料も高くなるため、自分に必要な保障を見極めて、家計に負担の少ない保険料で契約するようにしましょう。
40代におすすめの医療保険
最後に、40代におすすめの医療保険を紹介します。
メディケア生命 メディフィットA
メディケア生命の『メディフィットA』は、保険解約時に支払われる解約返戻金をなくすことで、保険料を安く抑えた終身型医療保険です。
入院給付金と手術給付金のほかに、放射線治療給付金と骨髄移植給付金が主契約に含まれています。
また、3大疾病や7大生活習慣病(※)になった場合の、入院給付金の支払い限度日数を無期限にするコースもあり、生活習慣病への保障が手厚い点が魅力です。
(※7大生活習慣病とは、がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎不全を指します)
医療保険ならメディフィットA|商品の仕組み|保険商品を知る|メディケア生命保険
東京海上日動あんしん生命 メディカルKitNEO
病気で働けなくなった際に生活費の保障も受けたい人には、東京海上日動あんしん生命の『メディカルKitNEO』がおすすめです。
メディカルKitNEOには『5疾病就業不能特約』があり、対象となる病気により就業不能状態になった際に、1回100万円の給付金を何度でも受け取れます。(年1回まで)
また、日帰り入院でも10日分の給付金が支払われたり、手術の種類によっては、入院給付金日額の5~40倍の給付金が支払われたりと、入院・手術時の保障も充実しています。
メディカルKit NEO | 医療保険 | 東京海上日動あんしん生命保険
メットライフ生命 FlexiSシンプルタイプ
メットライフ生命の『FlexiSシンプルタイプ』は、主契約が入院給付金と手術給付金、先進医療費保障とシンプルな内容です。
しかし、入院給付金は日帰り入院から保障、対象の手術は1000種類以上で、内容が充実しています。
また、対象期間内に継続10日以上の入院がなければ、5年ごとに10万円の健康祝い金が受け取れます。
まとめ
40代は、病気のリスクが高まるほか、何かとまとまったお金が必要になる場面が増えることから、医療保険の必要性が高くなる年代です。
家計への負担が少ない保険料で必要な保障を備えられるよう、各社の医療保険を比較検討しましょう。
医療保険のおすすめの選び方。特徴やポイントをやさしく解説します