医療保険の種類
まずは、医療保険の種類について知っておきましょう。民間の医療保険は、保険期間によって『定期型医療保険』と『終身型医療保険』の2種類に分かれます。
定期型医療保険
定期型医療保険とは、保険期間が年齢や年数で限定される医療保険のことです。解約時や満期時にお金が支払われない『掛け捨て型保険』が一般的で、保険料が安いという特徴があります。
ただし、満期を迎えて契約を更新をすると、保険料が上がることが多いので注意が必要です。
定期医療保険のシミュレーション | アクサダイレクト生命保険
終身型医療保険
終身型医療保険とは、一生涯にわたり保障が受けられる医療保険のことです。解約時などにお金(解約返戻金)が戻ってくる商品もあり、定期型医療保険と比べると保険料が高い傾向にあります。
ただし、保険料は契約時から一定で変動しません。そのため、契約更新時に保険料が上がる定期型医療保険よりも、払込保険料の総額が安くなることもあります。
ライフネット生命の終身医療保険「新じぶんへの保険」保険内容の特長を解説
医療保険の役割
医療保険には、どのような役割があるのでしょうか。
医療保険の加入率
生命保険文化センターの『2015年度・生命保険に関する全国実態調査(医療保険・医療特約の加入率)』によると、民間医療保険の世帯加入率は『91.7%』となっています。
調査結果一覧-2(Excelファイル)平成27年度「生命保険に関する全国実態調査」(平成27年12月発行)|公益財団法人 生命保険文化センター
50代の加入率
50代の医療保険加入率に絞ってみると、50~54歳が『96.7%』、55~59歳が『96.9%』となっており、多くの人が医療保険に加入していることが分かります。
入院と手術に備える
医療保険の主な役割は、入院や手術により発生する高額な医療費への備えです。
厚生労働省の『15年度・国民医療費(表番号8)』の統計結果によると、50代における入院時の1人あたりの医療費は、50~54歳では『72万3000円』、55~59歳では『98万6000円』となっています。
公的医療保険や高額療養費制度(※)を利用することで、医療費の負担を軽減できますが、それでも家計に大きな負担がかかります。
医療保険に加入しておけば、入院や手術時に給付金が支給されるため、家計への負担軽減に役立つでしょう。
(※高額療養費制度とは、医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に、自己負担額の一部が払い戻される制度のことです)
国民医療費 平成27年度国民医療費 統計表 | ファイルから探す | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
公的医療保険で補えない費用に備えよう
医療保険には、公的医療保険で補えない費用に備える役割もあります。公的医療保険は、投薬・手術・検査など、直接的な医療行為によって発生する費用にしか適用されません。
個室を希望した場合に発生する差額ベッド代や、入院中の食事代などは直接的な医療行為に当たらないため、全額自己負担となります。
また、普通分娩などの治療目的ではない入院や、先進医療を受けて発生した医療費なども対象外です。
このような公的医療保険対象外の費用を補える医療保険に加入しておくと、入院や手術による家計への負担をさらに軽減できます。
50代の医療保険の必要性
50代は、医療保険の必要性が高まります。
病気になるリスクが上がる
50代の医療保険の必要性が高い理由は、病気になるリスクが上がる年代であるからです。例えば、日本人の死因第1位のがんの罹患率(りかんりつ)は、50代から増加します。
厚生労働省の『17年・人口動態調査』の結果でも、3大疾病(※)による死亡者数が50代から大幅に増えていることが分かります。
年齢(歳) | がんの死亡者数(人) | 心疾患の死亡者数(人) | 脳血管疾患の死亡者数(人) |
30~34 | 616 | 237 | 127 |
35~39 | 1145 | 427 | 277 |
40~44 | 2649 | 992 | 792 |
45~49 | 4765 | 1765 | 1301 |
50~54 | 7262 | 2393 | 1671 |
55~59 | 1万2205 | 3372 | 2017 |
万が一、大きな病気にかかってしまっても医療費の心配をせずに済むよう、しっかり備えておきましょう。
(※3大疾病とは、がん・心疾患・脳血管疾患を指し、日本人の死因の上位を占める3種類の病気の総称です)
平成29年(2017)人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省
貯蓄がなければ加入するほうが安心
貯蓄が十分にない場合は、医療保険に加入するほうが安心でしょう。50代は子どもの進学や就職、結婚にかかる資金の援助や親の介護費用などで、多額の資金が必要になる場面が増える年代です。
また、定年前に住宅ローンを完済するための資金や老後の生活資金など、自分のための貯蓄をしておく必要もあります。
そのため、十分に貯蓄がないと、大きな病気にかかったときに、家族や老後のために確保していた貯蓄を取り崩すことになるかもしれません。
医療保険に加入して、給付金で医療費をまかなえるようにしておけば、大切な貯蓄を取り崩さなくても済むでしょう。
保険の見直しのラストチャンス
50代は、保険を見直すラストチャンスの年代です。総務省統計局のデータによると、60代で定年を迎えて再雇用になった場合、平均収入は定年前の収入の7割程度になるという結果が出ています。
さらに、再雇用期間を終えて年金で生活するようになると、平均収入は再雇用期間時の収入の5割程度になるという結果となっています。
そのため、収入が安定している50代のうちに、保険料が安い医療保険に切り替えるなど、老後のことを考えた対応を取ることが重要です。
また、一般的に医療保険は、大きな病気にかかったことがあるなど、健康状態に問題がある場合は加入できなくなります。
50代は病気にかかるリスクが上がるため、健康状態に問題がないうちに、早めに加入・見直しを行いましょう。
50代の医療保険の選び方
ここでは、50代の医療保険の選び方について解説します。
更新型よりも終身型を選択する
50代で加入するのであれば、定期型医療保険よりも終身型医療保険を選んだほうがよいでしょう。
50代で定期型医療保険に加入し、60歳、70歳で満期を迎えて契約を更新すると、保険料が高くなるほか、健康状態に問題があると契約更新自体ができない可能性があるからです。
新たな保険に切り替えようとしても、加入審査に通らない場合があります。終身型医療保険は、一生涯にわたる保障であるため、このような問題が起こりません。
また、解約返戻金が支払われる商品に加入すれば、まとまった資金が必要になった場合に、医療保険を解約することで資金を捻出できます。
短期払いや一時払いを検討する
終身型医療保険の種類によっては、保険料を一時払い(一括払い)したり、払込期間を設定して、短期間で保険料を全額払い込んだりすることが可能です。
早めに保険料の支払いを完了させておけば、定年後に収入が減少したときに家計の負担が軽くなります。
また、一時払いや短期払いにすると、終身払いにするよりも払込保険料の総額が安くなることもありお得です。
終身払いにすると、毎月の保険料の金額は安くできますが、定年後も保険料を支払い続けなければなりません。家計に余裕がある人は、短期払いや一時払いを検討してみましょう。
50代におすすめの医療保険
最後に、50代におすすめの医療保険を紹介します。
オリックス生命 医療保険新CURE
オリックス生命の『医療保険新CURE』は、3大疾病に『糖尿病』『高血圧性疾患』『肝硬変』『慢性腎不全』を合わせた、7大生活習慣病に備えられる終身型医療保険です。
通常は、1入院あたりの給付金の支払い限度日数は60日ですが、7大生活習慣病による入院の場合は120日、3大疾病での入院の場合は無制限となっています。
また、約1000種類の手術が対象となる手術保障も付いており、対象の手術を外来で受けた場合は入院給付金の5倍、入院で受けた場合は20倍の手術給付金が支給されます。
手厚い保障内容でありながら、保険料は50歳男性(入院給付金日額5000円・終身払い)で月々3172円という手頃な金額で、お得な医療保険です。
東京海上日動あんしん生命 メディカルKitNEO
自分に合った保障内容にカスタマイズしたい人には、特約(※)が豊富な、東京海上日動あんしん生命の『メディカルKitNEO』がおすすめです。
生活習慣病の治療に備える特定治療支援特約や、がんや心筋梗塞などによって働けなくなった場合に給付金が支給される5疾病就業不能特約など、さまざまな特約があります。
通常、就業不能になった場合に保障を受けるには、別途就業不能保険に加入する必要があるので、特約で付けられるのは便利です。
主契約はシンプルですが特約の数が多いため、電話やインターネットから専門スタッフに相談ができるサービスを利用して、保障内容を決めるとよいでしょう。
(※特約とは、その保険の基礎となる主契約に、オプションとして付ける保障のことです)
メディカルKit NEO | 医療保険 | 東京海上日動あんしん生命保険
アフラック ちゃんと応える医療保険EVER
アフラックの『ちゃんと応える医療保険EVER』は、日帰り入院や短期入院などでも保障が受けられる医療保険です。
最近は医療制度の改革や医療の進歩によって、以前よりも入院日数が短くなっています。
入院が必要だった治療が通院治療で済む場合があるため、短期入院や通院治療でも保障が受けられるかどうかは、医療保険選びの重要な要素です。
ちゃんと応える医療保険EVERでは、5日未満の短期入院は一律5日分の入院給付金が支給されるほか、通院治療でも給付金が支給されます。
ちゃんと応える医療保険EVER:特長|保険・生命保険はアフラック
まとめ
50代は病気にかかるリスクが上がるため、医療保険の必要性が高くなる年代です。
病気になってしまうと医療保険への加入が難しくなるため、老後の生活のことも考慮し、早めの加入および見直しを検討しましょう。