医療保険には掛け捨てと貯蓄型がある
保険会社が提供する医療保険とは、公的医療保険の適用外となる医療費をカバーするための保険です。
医療保険には、『貯蓄型』と『掛け捨て型』がありますが、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
貯蓄型の医療保険は解約返戻金がある
貯蓄型の医療保険とは、解約時や満期時に解約返戻金(かいやくへんれいきん)や満期金が支払われる医療保険のことです。
ただし、貯蓄分の料金が上乗せされた保険料になるので、掛け捨て型に比べて保険料が高い傾向にあります。
掛け捨て型の医療保険は保険料が安い
掛け捨て型の医療保険とは、解約返戻金や満期金などの支払いがない保険のことです。
年齢や年数で保障期間が設定される定期保険になるのが一般的で、お金が支払われない分、保険料が安い傾向にあります。
貯蓄型医療保険のツボを押さえる
貯蓄型の医療保険には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
貯蓄型の医療保険のメリット
貯蓄型の医療保険には、以下のようなメリットがあります。
- 解約時や満期時にお金が戻ってくるので、保険料が無駄にならない
- 医療費に対する備えをしながら貯蓄ができる
- 保険料が『生命保険料控除(※)』の対象となるため、節税に役立つ
(※生命保険料控除とは、生命保険や医療保険の支払い保険料を所得から差し引くことで、所得税などの負担を軽くする制度のことです)
貯蓄型の医療保険のデメリット
貯蓄型の医療保険には、以下のようなデリットがあることを覚えておきましょう。
- 保険料が掛け捨て型に比べ高くなる
- 途中解約すると損をする可能性がある
貯蓄型の医療保険を途中解約すると、解約返戻金が支払われるのが基本です。しかし、解約返戻金額は、支払い保険料の金額よりも少なくなる場合が多いので、解約は慎重に決めましょう。
貯蓄型医療保険は契約者貸付が可能
貯蓄型の医療保険では、『契約者貸付制度』が利用できることがあります。
契約者貸付制度とは、解約返戻金から一定の範囲内でお金を借り入れられる制度のことです。借入期間中も保障に制限はなく、それまで通りの内容で保障が継続されます。利息は、年率3.0~5.0%程度であることが一般的です。
また、返済日の指定はなく、お金に余裕があるときに保険会社が定める金額内で自由に返済できます。
ただし、返済日の指定がないからといって放置すると、利息が膨らみ貸付範囲内を超えてしまうことがあります。
この場合は、返済期日が設定され、期日までに返済できない場合は保険が失効、または解除されるため注意が必要です。
医療保険を解約するときの注意点
医療保険を解約するときの注意点を解説します。
空白期間が生まれないようにする
医療保険を解約するときには、空白期間が生まれないようにしましょう。空白期間とは、保障が受けられない期間のことです。
医療保険の種類によっては、保障が開始される『責任開始日』が設定されていることがあります。
例えば、責任開始日が契約日から90日後と設定されている場合は、医療保険に加入してから90日は保障が受けられません。そのため、今までの医療保険を解約して、すぐに別の医療保険に加入したとしても、90日間は無保証の状態が続きます。
この間に高額な医療費の支払いが発生しても医療保険が利用できないため、新たに加入する医療保険の責任開始日を考慮して、解約日を決めることが大切です。
新たな保険は保険料が高くなる
医療保険は、年齢が上がるほど保険料も上がるのが一般的です。今までの医療保険を解約し、新たな医療保険に加入する場合、前よりも年齢が上がっているため、保険料が高くなることが考えられます。
新たな医療保険を探すときには、保障内容だけでなく現在の年齢での保険料も比較しましょう。
現在の健康状態では加入できないことも
現在の健康状態によっては、新たな医療保険に加入できない場合があります。ほとんどの医療保険では、健康状態に問題がある人の加入を認めていません。
まれに、健康状態に問題がある人でも加入できる医療保険がありますが、保険料が高く設定されています。
いったん解約してしまうと、今まで加入していた医療保険に、同じ保障内容で再契約することはできないため、健康状態に不安がある人は、慎重に解約を決める必要があります。
健康状態に不安がある人でも、契約できる医療保険とは?|公益財団法人 生命保険文化センター
まとめ
貯蓄型の医療保険は、解約時や満期時にお金が戻ってくるというメリットがあります。ただし、掛け捨て型と比べると保険料が高くなるので注意が必要です。メリットとデメリットをよく検討してから加入を決めましょう。
医療保険の貯蓄型とは?メリットとデメリットをわかりやすく解説