ファイナンシャルプランナーとはどんな人?
ファイナンシャルプランナーとは、どのようなことをする人なのでしょうか。
ライフプランを立ててアドバイスをする
ファイナンシャルプランナーは、顧客のライフプランを立て、そのライフプラン実現のためのアドバイスをするのが仕事です。
ライフプランとは、就職・結婚・出産・住宅購入・老後の生活などにおいて、将来的にどうなりたいのか、そして、いつごろ実現させたいのかといった計画のことを指します。
ファイナンシャルプランナーは家計や保険、税金や年金、資産運用といった、お金に関する豊富な知識を有しています。
そして、その知識を活かして、顧客が希望するライフプランを実現するにはどうすればよいのか、主に資金面からのアドバイスをおこないます。
ファイナンシャルプランナーは国家資格
ファイナンシャルプランナーになるには『FP技能士』という、厚生労働省が認定する国家資格を取得する必要があります。(民間資格もあります)
FP技能士の資格を取得するには『金融財政事情研究会』、または『日本FP協会』が実施している認定試験を受け、合格しなければなりません。
FP技能士は1級・2級・3級に分かれており、1級が最も難易度が高く、次いで2級、3級となります。
下位資格は趣味や副業目的で取る人も多い
FP技能士の下位資格である3級の認定試験では、日常でも触れる機会がある内容が出題されるため、趣味や副業目的で取る人も多くいます。
合格率は70%と高く、数ある国家資格の中でも比較的取得しやすい資格といえます。そのため、通信講座やスクールもありますが、独学で取得する人も多く見られます。
ファイナンシャルプランナーの仕事先は?
ファイナンシャルプランナーの仕事先には、どのようなものがあるのでしょうか。
企業内FPと独立系FP
ファイナンシャルプランナーには、『企業内ファイナンシャルプランナー』と『独立系ファイナンシャルプランナー』がいます。
企業内ファイナンシャルプランナーの場合は、保険会社や不動産会社、金融機関などが主な仕事先となります。
そして、それらの企業や金融機関のサービス、金融商品についての説明をしたり、顧客の相談に対応したりします。
独立系ファイナンシャルプランナーの場合は、個人でファイナンシャルプランナー事務所を開業し、 顧客のライフプランやお金についてのアドバイスをおこないます。
求人は金融系が多く未経験でも需要は多い
企業内ファイナンシャルプランナーは、とくに金融機関の求人が多く、ファイナンシャルプランナーとしての業務未経験者の需要もあります。
また、企業によっては福利厚生の一環で、FP技能士資格取得を支援している場合もあります。すでにFP技能士の資格を取得している人は、転職でも有利に働く可能性があります。
資格を活かした副業も
ファイナンシャルプランナーの資格を取得している人の中には、資格を活かして副業をしている人もいます。
平日は会社に勤務し、週末だけファイナンシャルプランナーとして活動している人や、ライターとしてお金に関する記事を書いている人、コンサルティングや不動産賃貸などをおこなっている人もいます。
いきなり自分でファイナンシャルプランナー事務所を開設するのは、資金や経験面で不安があるという場合は、このように副業から始めてみるのもおすすめです。
ファイナンシャルプランナーの給料
ファイナンシャルプランナーの給料は、どのぐらいなのでしょうか。
企業内では資格手当をもらえる場合が多い
企業内ファイナンシャルプランナーの場合は、雇用されている会社から給料が支給されるため、給料金額は雇用されている会社に準じます。
また、ファイナンシャルプランナー資格の保有者に対して、数万円程度の資格手当を支給している企業も多くあります。
独立系は実力次第?
独立系ファイナンシャルプランナーの場合は、自分でファイナンシャルプランナー事務所を開業しているため、給料は実力次第です。
顧客からの相談料が主な収入源となりますが、相談料には法的な制限は設けられていません。そのため、各ファイナンシャルプランナーが独自の料金を設定しています。
相談料は時間制となっていることが多く、1時間当たり5,000円~10,000円程度が相場です。しかし、実力や人気があるファイナンシャルプランナーの場合は、1時間で20,000円以上の相談料を設定していることもあります。
反対に、副業でファイナンシャルプランナーをしている人や、ファイナンシャルプランナーになったばかり人などは、5,000円以下の料金に設定している場合もあります。
収入アップの方法は多彩
収入を上げるための方法は多彩です。
収入アップの方法 | |
企業内 | ・雇用されている企業内で昇進する・成果を上げる ・資格を活かした副業を始める |
独立系 | ・実力を上げて、相談料の単価を上げる ・クライアントの数を増やす ・税理士など、他分野の資格も取得する ・セミナーや講演の講師を務める ・お金やライフプランについての本を執筆する |
ファイナンシャルプランナー資格を活かせる分野は広いため、上記以外の方法も探してみましょう。
ファイナンシャルプランナー資格を取るには
ファイナンシャルプランナー資格の、取得方法について説明します。
3級は誰でも受けられる
FP技能士3級の認定試験は、受験資格が設けられておらず、誰でも受けられます。日常で触れる機会がある内容の問題が多く、おおよその出題範囲も決まっているので、80~150時間程度勉強すれば、独学での取得も難しくありません。
ファイナンシャル・プランニング 技能検定 3級 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
2級以上の受験資格や難易度
FP技能士1級・2級は、難易度が3級に比べて大きく上がります。また、受験資格が設けられているため、以下の項目のいずれかに該当していなければ受験できません。
受験資格 | |
FP技能士1級 | ・ファイナンシャルプランナーの実務経験が5年以上ある ・FP技能士2級合格者で、ファイナンシャルプランナーの実務経験が1年以上ある ・FP養成コース修了者で、ファイナンシャルプランナーの実務経験が1年以上ある |
FP技能士2級 | ・FP技能士3級合格者 ・金融渉外技能審査合格者 ・AFP認定研修を修了している ・ファイナンシャルプランナーの実務経験が2年以上ある |
FP技能士1級・2級の難易度は、以下のようになっています。
難易度 | |
FP技能士1級 | 合格率:10%程度 勉強時間の目安:約400~500時間 |
FP技能士2級 | 合格率:20~40%程度 勉強時間の目安:約80~150時間 |
ファイナンシャル・プランニング 技能検定 1級 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
ファイナンシャル・プランニング 技能検定 2級 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
AFPやCFPとの関連
ファイナンシャルプランナーの資格には、日本FP協会が認定する『AFP』と『CFP』という民間資格も存在します。AFPはFP技能士2級程度、CFPはFP技能士1級程度の難易度の資格です。
それぞれの資格を取得するには、以下のような条件を満たす必要があります。
取得条件 | |
AFP | ・AFP認定研修の受講・修了 ・FP技能士2級の認定試験合格 ・AFP資格登録手続きの完了 |
CFP | ・CFP資格取得 ・CFP資格審査試験合格 ・CFPエントリー研修の受講・終了 ・ファイナンシャルプランナーの実務経験を通算3年以上積む ・CFP資格登録手続きの完了 |
AFPを取得するには、FP技能2級の合格が必須となっています。そして、FP技能2級の受験資格には、AFP認定研修を修了していることという項目があり、相互に関係の深い資格となっています。
AFP資格とは? | 日本FP協会
CFP®資格とは? | 日本FP協会
ファイナンシャルプランナーの将来性
ファイナンシャルプランナーは将来性のある仕事です。
国家資格保有者の需要は維持される展望
国家資格であるFP技能士保有者の需要は高く、今後も維持される展望です。ファイナンシャルプランナーは経済面の知識が豊富で、さまざまな分野や企業で需要があるためです。
とくに、FP技能士2級以上の保有者で、かつ実務経験がある人は優遇される傾向にあります。
また、経済や税制、法律などは常に移り変わるものであり、金融関連の仕組みは複雑なため、常に情報の更新やスキルアップができる人材が求められます。
ダブルライセンスの人も増える?
ファイナンシャルプランナーには、ダブルライセンスの人も増えています。ダブルライセンスとは、税理士や公認会計士、弁護士といった、ファイナンシャルプランナー以外の国家資格も取得している人のことです。
また、住宅購入や住宅ローンの相談も受けるため、宅地建物取引士の資格を持っている人もいます。
保有資格がファイナンシャルプランナー資格のみになると、たとえば、法的な手続きが必要な相談の場合は、他分野の国家資格を持つ専門家にサポートを依頼しなければなりません。
しかし、自らその資格を得ることで、対応できる相談の幅が広がり、より多くの顧客の相談を受けられるので、その分収入も上がる可能性が高くなります。
まとめ
ファイナンシャルプランナーとは、顧客のライフプランを立て、ライフプラン実現のためのアドバイスをする人のことです。お金に関する豊富な知識を有しており、多方面の分野や企業で需要があります。
ファイナンシャルプランナー資格は、転職の際に有利に働く可能性もあり、資格手当がつくなどの優遇を受けることもあります。
変化の起こりやすい経済や税制、法律などの分野に対応できるよう、資格取得後も常に情報の更新と、スキルアップを目指すことが大切です。