夫婦でどのくらい貯金しているのか?
お金のことは人に相談するのが難しく、一般的な貯金額というものがよくわからない人も多いのではないでしょうか。
まずは平均的な貯金額について見ていきましょう。
年代別の貯金額
年代別の平均貯金額は以下の通りです。
年代 | 平均貯金額 |
20代 | 304万円 |
30代 | 630万円 |
40代 | 1,026万円 |
50代 | 1,645万円 |
60代 | 2,456万円 |
70代 | 2,353万円 |
家計調査 2017年7~9月期 | ファイルから探す | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
20代は働き始めて間もない時期ですので、本格的に貯金ができるのは20代後半になってからでしょう。
30代になると収入も安定してくるため、20代に比べてしっかりと貯金ができます。しかし、結婚や出産などで出費がかさむ時期でもあるため、貯金額は平均630万円に留まっています。
40代以降では子どもの教育費や親の介護費用が必要になってきます。しかし、役職に就き責任のある仕事を任されることで収入が増え、それに伴って貯金額が大幅にアップしています。
貯金額は退職金を受け取る60代でピークを迎え、70代以上では減少します。これは主な収入が年金のみとなり、貯蓄を取り崩して生活費に充てているためと考えられます。
共働きと専業主婦での貯金額の違い
共働き家庭と専業主婦家庭では、月々の貯金額にどのような違いが見られるでしょうか。
出典:統計局ホームページ/家計調査報告(家計収支編)―平成29年(2017年)平均速報結果の概要―
こちらは総務省統計局が毎年集計しているデータから作成された図で、共働き家庭と専業主婦家庭の平均的な収支を示したものです。
黒字額を見ると、専業主婦家庭は約10万円、共働き家庭は約16万円です。共働き家庭の方が専業主婦家庭よりも黒字額は大きいですが、消費支出も多いことがわかります。
共働き家庭の場合、『相手も働いているから大丈夫』という気持ちが浪費につながることも多いので注意が必要です。
毎月の理想的な貯金額とは
家庭によって毎月の収入は異なりますが、その中からいくら貯金すれば、急な出費や老後の生活を支えることができるのでしょうか。
ライフイベント別に必要となる費用
主なライフイベントと、その平均費用は以下の通りです。
ライフイベント | 平均費用 |
結婚 | 500万円 |
出産 | 50万円 |
子どもの学費 | 1,000万円 |
住宅購入 | 4,000万円 |
リタイア後の生活費 | 6,480万円 |
結婚には、挙式費用の他に新婚旅行や引っ越し、家具の購入など多くの費用がかかります。
妊娠・出産の際には補助金制度が利用できますが、妊婦健診や育児用品の購入などに備える必要があります。
また表中の子どもの学費は、高校まで公立に通った場合の子ども1人当たりの金額です。子どもの人数や、通う学校が公立か私立かによって大きく変わります。
さらに住宅を購入すれば点検やリフォームの費用も発生するため、購入費以外にも修繕費などの積み立てが必要です。
リタイア後の生活費は、『夫婦で65~85歳まで生活する』と仮定した金額です。月々の生活費を27万円とすると、27万円×12カ月×20年=6,480万円の生活費が必要となります。
退職金や年金制度が利用できますが、それだけでは不十分です。若い頃から時間をかけてまとまった額の貯金を準備しておく必要があります。
その他に必要なものとしては、親の介護費用や、葬儀費用などがあります。将来を見据えた計画的な貯金が重要であるといえるでしょう。
年代別理想的な貯金額
年代別の理想的な貯金残高の目安は以下の通りです。
- 20・30代:年収と同額程度
- 40代:年収の2倍程度
- 50代以降:年収の4倍程度
どの年代でも、月々の給料の15%程度を貯金にまわし不足分をボーナスで補えば、この目安金額に達することが可能です。子どもの教育費やローン返済で貯金が難しい時期であっても、これだけは続けたいものです。
さらに、定期的に保険の見直しやローンの繰り上げ返済をして無駄な支出を抑え、貯金額を増やすとよいでしょう。
夫婦でできる貯金法
夫婦で長期間にわたって計画的に貯金をするには、お互いの協力が不可欠です。どのように取り組めばスムーズに貯金をすることができるのかを見ていきましょう。
まずは夫婦で話し合いと現状把握
貯金を始める前に、夫婦で以下の点について話し合いましょう。
- 現在の収支について
- 目標貯金額と月々の貯金額
- 定期的な貯金額の見直し
まずは、収入と支出の内訳など、正確な家計の状況を夫婦で把握することが、何よりも重要です。
その上で目標の貯金額を設定し、そこから逆算して毎月の貯金額を決めましょう。現状では目標金額に達するのが難しい場合は、現在の支出を再度見直し、節約できる部分がないか念入りにチェックしましょう。
計画を立てて貯金をしていても、病気やケガなどで突然の出費を迫られる場合もあるでしょう。また転職や異動、子どもの成長によって月の収支が変わってしまうこともあります。
そのような場合は、その都度夫婦で収支の確認や貯金額を見直し、計画を立て直すとよいでしょう。
先取り貯金で負担なく貯める
貯金をする際は、以下の点に注意しましょう。
- 貯金は給与と別口座で管理
- 先取り貯金の実施
- 気持ちにも余裕をもつこと
せっかく貯金をしようと決めても、生活費と同じ口座で管理していると、つい使ってしまうことも考えられます。そんな事態を防ぐために、貯金の管理は別口座で行うことが大切です。
また、確実に貯金をするには『先取り貯金』が最適です。勤務先に財形貯蓄や社内預金の制度がある場合は、給与天引きで自動的に貯金ができるため手間がかかりません。積極的に利用しましょう。
財形貯蓄や社内預金がない場合は、給与が振り込まれる金融機関の『自動積立定期預金』を利用するとよいでしょう。毎月指定した日に、指定金額を定期預金に振り替えることができます。
先取り貯金をすると『今月は●●円貯金するために節約しなければ』といった不安や焦りから解放されます。手元に残ったお金は使いきっていいと思うと、気持ちに余裕をもつことができるのではないでしょうか。
固定費の見直しを行う
貯金をする上で避けられないのが節約です。節約するには、毎月決まって支払っている固定費の見直しが最も有効です。見直すべきポイントは『家賃・各種保険料・車の維持費・携帯電話料金』です。
毎月支払っているお金は本当に必要なものなのか、妥当な金額なのかどうか定期的に見直すことで無駄な支出を抑えることができ、大幅な節約につながります。
まとめ
日常生活を送っていく中で、多額の出費が必要となる場面は突然訪れます。そんなときに役に立つのは、コツコツと貯めてきた貯金です。
夫婦で話し合い支え合っていけば、さまざまなライフイベントや突然の出費に耐えうるだけの貯金をすることができます。
まずは手をつけやすい部分の節約や、固定費の見直しなどを行い、目標貯金額の達成を目指しましょう。