30代の貯金事情
金融広報中央委員会が公表した、平成29年の『家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯調査)』によると、30代で年収300万円未満の人は、46%の人が貯蓄なしと回答しており、6%の人が1,000万円以上の貯蓄があると答えています。
年収 | 貯金なし | 100万円未満 | 100~200万円未満 | 200~300万円未満 | 300~ 400万円未満 |
400~ 500万円未満 |
500~ 700万円未満 |
700~ 1,000万円未満 |
1,000万円以上 |
300万円未満 | 46% | 20% | 6% | 10% | 4% | 4% | 2% | 2% | 6% |
300~500万円未満 | 38.5% | 4.5% | 7.1% | 6.4% | 9% | 6.4% | 9.6% | 5.1% | 7.7% |
設問間クロス集計(平成29年) ― 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](平成19年以降)|知るぽると
どんな目的で貯金しているか
30代夫婦の家庭が貯金をする目的には、主に次のようなものがあります。
- 老後のための資金
- 出産にかかる費用
- 子どもの教育費
- 引越しのための費用
30代では子どもの出産や教育費にかかるお金が多く、その他の費用についても将来必要になるもので、金額の大きなものが多いことから、事前に準備をしておきたい項目ばかりです。
特に、30代で気になり始めるのが老後のための資金で、収入がなくなり年金だけで本当に生活していけるのかどうか、不安に感じている人も多くいます。
30代の平均年収
貯金をしていくために特に気になる項目といえば、やはり年収です。平成28年9月に国税庁が公表した『民間給与実態統計調査(平成27年分)』によると、30代の男女別の平均年収額は、以下のようになっています。
年齢 | 男性の平均年収 | 女性の平均年収 |
30歳から34歳 | 451万円 | 307万円 |
35歳から39歳 | 510万円 | 299万円 |
これはあくまで平均年収で、子どもがいる家庭の場合は共働きが難しく、フルタイムでの仕事もなかなかできない場合が多いため、夫の収入だけで生活しているというケースも少なくありません。
30代で貯金が1,000万を超えている割合
2017年11月10日に金融広報中央委員会が発表した、家計の金融行動に関する世論調査によると、貯金が1,000万円以上あると答えた30代の人の割合は、以下のようになっています。
1人暮らし | 2人以上の世帯 | |
30代 | 18.5% | 11.3% |
30代では、1人暮らしに比べると2人以上の世帯のほうが、割合が低くなっています。これにはさまざまなケースがありますが、30代では結婚して子どもが生まれたり、住宅を買ったりといったような出費が多いからだという理由があります。
貯金できる人とできない人の違い
1人暮らしをしていても夫婦で暮らしていても、貯金ができる人とできない人はいます。浪費癖がある場合は当然ながらお金は貯まりませんが、普通に生活していても出費はどうしてもあります。
では、貯金ができる人とできない人ではどのような違いがあるのか、詳しく紹介していきます。
貯金できる人の特徴
貯金ができる人というのは、お金の管理がしっかりできており、お金の使い方が上手いという特徴があります。
- お金の使い方にメリハリがある
- ATMでは必要な分だけ降ろす
- 口座を目的ごとに分ける
- 投資をしている
貯金をするからといってやみくもに節約するのではなく、必要に応じてお金を使い、無駄な部分の出費は減らすというお金の使い方をしています。
また、ATMでは必要なお金だけを引き出したり、生活費とその他にかかわるお金を別の口座に分けて管理したりするなど、無駄な出費をしてしまわないように工夫をしています。
さらに、資産運用という形での投資以外にも、資産運用をするために専門家にアドバイスを聞くためや、自分のスキルアップのためにお金を使うなど、『後々の利益』になるためにお金を使っています。
貯金できない人の特徴
どうしても貯金が上手くいかないといった貯金ができない人には、以下のような特徴があります。
- 貯金する目標額を決めていない
- クレジットカードの支払い額を把握していない
- 毎月の支払いを把握していない
- 給料が残ったら貯金するという考えを持っている
- ついつい衝動買いをしてしまう
- ATM手数料が毎回かかっている
- リボ払いや分割払いの仕組みを理解していない
- 自炊をせず外食が多い
クレジットカードは実際にその場でお金が動くわけではないので、支出が分かりくくついつい使いすぎてしまう傾向にあります。貯金ができない人は、こうした支出や毎月の支払いをきちんと把握できていないということが多くあります。
また、つい衝動買いをしてしまったり、外食が多かったりといったのも特徴で、お金に関しての考えがすこし緩いというのも特徴です。
貯金額1000万円を目指すには
貯金額が1,000万円以上あるという人は、日々の節約をしているのはもちろんですが、資産運用を上手に利用しているという場合が多くあります。
お金を増やす
どんなに貯金をしようと頑張っても、やはり元手が少なくては貯金額もなかなか増えていきません。そこで重要になってくるのがお金を増やすということです。
貯金をしている人や資産を増やしていける人というのは、資産運用や投資などについてきちんと勉強しています。独学で勉強するのもよいですが、無料のセミナーなどもあるので、利用してみるのがおすすめです。
お金の増やし方や資産について知識を増やすことで、貯金の仕方やお金の使い方にも変化が出て、結果的にお金を増やすことにつながります。
投資や運用で増やす
株やFXなどといったものに投資をして、お金を運用することでお金を増やしていくのも大切です。ただし、知識もないままに始めてしまっては、お金が無駄になってしまうといった可能性もあるので、知識をつけておくことが大切です。
初めて投資をする場合は、低リスクのものから始めて、投資をしながら知識をつけるという方法もあります。以下の3つは初心者でも始めやすい投資なのでおすすめです。
- 投資信託
- ミニ株投資
- 国債
『投資信託』とは、プロが金融商品を運用してくれるので、知識が少なくても安心して始められます。1万円程度から始められるものもあるので、手軽に利用できるのが特徴です。
『ミニ株投資』は株式投資のひとつですが、通常購入する単位の1/10で購入できるので、初めて株をする場合の練習にもなります。
『国債』とは簡単に言うと国が国民にお金を借りることで、国が歳入不足に対応するために発行するものです。国債を買うと、一定の利息が得られます。国が破たんしない限りは紙切れになることがないので、安全性が高いのが特徴です。
知識がついて、ある程度投資になれたら、株式投資やFXを利用してみるのもよいでしょう。
支出を減らす
収入が多く投資でお金を増やすことができても、支出が多くては結局、貯金には結びつきません。日ごろの支出を減らして、貯金にまわせるお金を増やしていくのも大切です。
先取り貯金
お金が手元にあるとどうしても使ってしまいがちです。そこで、先取り貯金をするという方法がおすすめです。
銀行の定期預金には『自動積立』というものがあり、これを利用すると毎月決まった金額のお金を定期に積み立ててくれます。また、会社によっては『財形貯蓄制度』がある場合もあるので利用するのもよいでしょう。
自動でお金を積み立ててくれるので、ストレスがなくお金を貯められます。また、手元には貯金をした後のお金が残るので、使いすぎを防ぐこともできます。
家計管理の見直しを実施
毎日生活をしているとさまざまな出費がありますが、こうした出費を見直すのも大切です。家計簿をつけて、どんなものにどれくらいのお金を使っているのかをきちんと把握することで、今後の節約にも繋がります。
お金の出費を見直すことで無駄な出費が見えてくるので、そうした部分を少しずつ減らしていくことで貯金にもつながっていきます。
まとめ
お金についての正しい知識や使い方を身につけることで、貯金額1,000万円以上も夢ではありません。
毎日の生活を見直すことはもちろんですが、投資などといった資産運用をしてお金を増やしていくという方法もあります。自分に無理のない範囲から始めて、少しずつ貯金額を増やしていきましょう。
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