支出に対する理想的な家賃の割合とは
節約をするために適切な家賃を割り出すためには、まず『支出に対する家賃の割合』と『収入に対する家賃の割合』という2つの軸を考えなければなりません。
まずは現状を把握する
節約するうえで何より重要なことが現状を冷静に把握することです。現状把握とは収入から支出を引くことで手元に残るお金を算出することに他なりませんが、細かく支出のカテゴリーを分けることで、より具体的な数値を確認できます。
たとえば、スマートフォンの家計簿アプリやエクセルを活用すると、月ごとの比較やグラフに反映した各カテゴリーの割合などのデータが把握できます。
家計の黄金比率に当てはめてみる
自分がなににどのくらいのお金を使っているのかを把握したうえで、『家計の黄金比率』に当てはめてみましょう。
『家計の黄金比率』とはさまざまなデータから根拠付けられた、豊かな生活を送るための各支出の割合です。家賃や食費、通信費、貯金、その他費用において適切な割合が定められています。
下記の表は、1人暮らし単身者の場合における家計費の理想割合を示したものです。
支出項目 | 黄金比率 |
家賃 | 28% |
食費 | 18% |
水道光熱費 | 6% |
通信費 | 6% |
保険料 | 4% |
趣味娯楽費 | 4% |
貯蓄 | 17% |
『家計の黄金比率』を守り、支出額全体の中で家賃は28%までに抑えることでうまく節約につなげられます。
家計費の理想割合とは?費目毎に節約してお金を貯める貯金術 - ハピスマ | アクサダイレクト生命保険
収入に対する理想の家賃はいくらか
『支出に対する家賃の割合』を把握したうえで、『収入に対する家賃の割合』についても解説していきます。2つの指標でダブルチェックを行うことで、無理のない資金計画が現実となります。
家賃は手取りの25〜30%まで
収入に対する家賃の割合において、まず明確にしておかなければならないラインが『手取りの25〜30%まで』という基準です。この割合を超えている場合は、結果として生活を圧迫してしまうので、一度見直す必要があると言えるでしょう。
年収が400万円の場合
年収400万円の場合を一例として解説していきます。年収400万の場合、手取り年収は100万円ほど減り、300万円ほどです。また、そのうちボーナスがどのくらい含まれているかも把握しておきます。
仮にボーナスが年2回20万円ずつだったとすれば、以下のような計算式がなりたちます。
年収300万円−40万円(ボーナス分)=260万円
260万円÷12=約21万7,000円(月収)
21万7,000円×25%=54,250円
もちろん内訳にもよりますが、年収400万円の場合は、5万4,250円が収入に対する適切な家賃となります。
家賃節約は物件選びがポイント
家賃の適切な割合がわかったうえで、節約につながる物件選びのポイントをみていきましょう。
家賃交渉をする
不動産会社や大家さんと交渉のうえ、家賃を節約にできる物件もあります。ただし、家賃交渉はあまり人気のない物件に限られ、どんな物件にも応じてもらえるわけではありません。
家賃交渉は以下のような条件が行いやすい傾向にあります。
- 長期空き家物件
- 引っ越しシーズンではない7月〜8月の閑散期
- 最寄り駅やスーパーから遠いなど、利便性がよくない
- 築年数が古い物件
条件の優先順位を決める
条件の優先順位を自分なりに明確にすることで、家賃を下げることもできます。たとえば、『街の中心地まで15分』という優先順位を決めた場合は、『徒歩なのか?』『電車なのか?』といった条件面で大きく家賃が変動します。
ひと駅離れるだけで相場も大きく変わり、数千円単位で家賃を節約できます。
家賃以外のコストが下がる物件を選ぶ
最近では『固定回線費無料』といった通信代を節約できる物件も増加しており、同じ家賃でも支出額を1万円ほど節約できます。
また、エリアによってプロパンガスは都市ガスと全国ベースで1.86倍高いというデータもあるため、都市ガスを採用することで毎月の支払額を抑えられます。
さらに、最近では礼金ゼロの物件を取り扱っている不動産会社もあり、初期費用を節約することも可能です。
経済産業省資源エネルギー庁「ガス料金等の現状について」(平成25年7月)より
まとめ
適切な家賃の住まいを見つけるためには、しっかりと段階を踏んでいきましょう。
まずは、現状のお金の使い方を把握し、その後に『支出に対する家賃の割合』と『収入に対する家賃の割合』の2つの軸と比較し、どのくらいムダな費用が生じているかを算出していきます。
そして、しっかりとお金が貯まる資金計画をたてたうえで、物件の条件を決めて見学へと移行していきましょう。
特に、1人暮らしを初めてする人は、物件を見て回っているうちに、少し予算オーバーしてしまうけど借りてしまおうか、と無理をしてしまいがちです。家賃は毎月支払わなければならない費用なので、冷静に判断してから決めるようにしましょう。