月々の平均生活費とは
世間一般の家庭が、毎月どの程度の支出をしているか分かれば、自分のお金の使い方が多いのか少ないのかも、概ね判断できます。
総務省統計局が毎年行う「家計調査」は、公正な立場で、様々な属性から国民の消費行動を調査分類したデータで、平均的な生活費の支出(消費支出)を計るのに適した資料となっています。
ここでは、2017年発表の最新データから、日本国民が毎月支出する金額を見て、1カ月に使う生活費の平均を確認していきます。
地域別の平均生活費
最初に見るのは、10に分けた国内の各地域で、平均どのくらいを生活のために支出しているかの調査結果です。以下に、1家庭が1カ月に支出する金額を、各地域で分類したデータを示します。
地域 | 消費支出(平均生活費 円) |
北海道 | 282,386 |
東北 | 295,539 |
関東 | 324,552 |
北陸 | 320,671 |
東海 | 315,852 |
近畿 | 299,175 |
中国 | 289,184 |
四国 | 310,785 |
九州 | 300,699 |
沖縄 | 225,308 |
年代別の平均生活費
それでは、どの年齢の人がどの程度の生活費支出をしているのでしょうか。以下に、調査対象者を年齢層で分類した場合の、それぞれの平均生活費を示します。
年齢 | 消費支出(平均生活費 円) |
~29歳 | 211,967 |
30~39歳 | 269,549 |
40~49歳 | 315,661 |
50~59歳 | 342,952 |
60~69歳 | 277,283 |
70歳~ | 238,650 |
単身、家族構成別の平均生活費
当然、家族構成によっても、生活費の支出形態が変わってくるので、それについての調査結果も発表されています。
以下に、家族構成の代表的な例として、単身、2人、4人の3ケースについての、平均生活費の調査結果を示します。
家族構成 | 消費支出(平均生活費 円) |
単身世帯 | 169,632 |
2人世帯 | 251,440 |
4人世帯 | 314,599 |
生活費の具体的な内訳
それぞれの家庭が1カ月に使う金額が概ね分かったところで、その使い道についてもしっかりと把握・確認しておきましょう。そのデータも、総務省統計局が毎年行う家計調査の中に、詳細なデータが公表されています。
ここでは、その中から代表的な家族構成について、平均生活費の使い道の内訳をみていきます。
単身の場合
まず、最も基本的な生活スタイルとして、単身の勤労者の場合です。以下に、その場合の生活費内訳について、全国平均のデータを示します。
内訳 | 単身世帯(円) |
食料 | 44,074 |
住居 | 28,541 |
光熱・水道 | 8,927 |
家具・家事用品 | 4,216 |
被服及び履物 | 6,254 |
保健医療 | 5,566 |
交通・通信 | 24,558 |
教育 | 16 |
教養娯楽 | 20,931 |
その他の消費支出 | 26,548 |
2人暮らしの場合
次に、子供のいない夫婦などを想定し、2人暮らし家庭の場合の生活費用をみていきましょう。以下に、その家庭における生活費支出の内訳について、全国平均のデータを示します。
内訳 | 2人世帯(円) |
食料 | 64,502 |
住居 | 17,713 |
光熱・水道 | 18,647 |
家具・家事用品 | 9,396 |
被服及び履物 | 8,397 |
保健医療 | 13,546 |
交通・通信 | 30,998 |
教育 | 357 |
教養娯楽 | 26,266 |
その他の消費支出 | 61,619 |
4人家族の場合
生活費内訳の最後は、夫婦と子供2人を想定した4人家族の場合です。以下に、その生活形態における全国平均の生活費支出の内訳を示します。
内訳 | 4人世帯(円) |
食料 | 80,704 |
住居 | 15,125 |
光熱・水道 | 22,936 |
家具・家事用品 | 10,847 |
被服及び履物 | 14,276 |
保健医療 | 11,211 |
交通・通信 | 46,152 |
教育 | 28,375 |
教養娯楽 | 30,999 |
その他の消費支出 | 53,975 |
理想的な生活費の割合
上記に示したデータから、それぞれの生活形態において、1カ月に日本国民が平均的に支出している金額が分かりました。そこで今度は、毎月の収入をどのように割り振っていったらよいのかを考えてみましょう。
お金の使い道は各家庭毎に様々ですが、まず、一般論として家計の理想的な割り振り方を知ってから、支出の仕方を決めることが大切です。
以下で、典型的な3つの家族構成における、生活費の理想割合といわれている数字を確認してください。
単身者の理想割合
ここでも先ず、最も基本的な生活スタイルとして、単身(一人暮らし)の場合について確認します。以下に、その場合における生活費支出の各割合を示します。
内訳 | 割合(%) |
食料 | 18 |
住居 | 28 |
光熱・水道 | 6 |
家具・家事用品 | 3 |
被服及び履物 | 3 |
保健医療 | 4 |
通信 | 6 |
教養娯楽 | 4 |
交際費 | 5 |
その他の消費支出 | 6 |
貯蓄 | 17 |
2人暮らしの理想割合
次に、夫婦を想定した2人暮らし世帯の場合の、理想的な生活費割合をみてみます。以下に、その場合における生活費支出の割合を示します。
内訳 | 割合(%) |
食料 | 15 |
住居 | 25 |
光熱・水道 | 5 |
家具・家事用品 | 2 |
被服及び履物 | 3 |
保健医療 | 4 |
通信 | 6 |
教養娯楽 | 3 |
交際費 | 2 |
こづかい | 12 |
その他の消費支出 | 3 |
貯蓄 | 20 |
4人家族の理想割合
理想割合の最後は、夫婦と子供2人を想定した4人家族の場合です。以下に、その場合における生活費支出の各割合を示します。
内訳 | 割合(%) |
食料 | 15 |
住居 | 25 |
光熱・水道 | 6 |
家具・家事用品 | 2 |
被服及び履物 | 3 |
保健医療 | 6 |
通信 | 6 |
教育 | 12 |
教養娯楽 | 2 |
交際費 | 2 |
こづかい | 10 |
その他の消費支出 | 3 |
貯蓄 | 8 |
生活費を節約するおすすめの方法
先述した世の中の平均的データから、ご自分の家庭の毎月の支出が多いのか少ないのかが、ある程度みえてきたと思います。場合によると、支出の多すぎる項目が発見されたことでしょう
ここでは、そんな風に使い過ぎているお金を抑えて、家計を改善するための方法を考えていきます。
通信費を節約
月々の支出の中で、ある程度の比重を占めているのが携帯電話(スマートフォン)などの通信費です。一般的に言っても、6,000円程度は払っている人も少なくありません。
このスマホ代の節約には、最近多くみかける『格安スマホ』への乗り換えを検討するのも効果的です。
端末ごと買い替えることも可能ですが、最近では、SIMカード(契約者情報が記録されているICカード)を差し替えられる、SIMロック解除も進んでいます。
そのため、それまで使用していた端末を継続使用しながら、格安スマホのSIMカードを適用できる場合も多くなっています。
この格安スマホに乗り換えることで、毎月の携帯代金を2,000円程度に抑えることも可能です。また、動画などは大きなデータ量のコンテンツなので、視聴頻度なども見直して、データ制限量の小さい低価格なコースを選ぶのもひとつの手です。
無料Wi-Fiやモバイルルーターを持ち歩こう
もうひとつ重要なのは、無料Wi-Fiが有るスポットを、チェックしておくことです。
Wi-Fiであれば、電話回線からのデータを使用せずにネットなどが使えるので、そういった環境が身近にある人は、スマホ自体の契約料金を少なくできる可能性もありますので、積極的に活用しましょう。
常に持ち歩けるモバイルWi-Fiルーターを持っていれば、外出時にもWi-Fi環境でネットを使うことができます。毎月の通信制限が気になる方という方は、モバイルWi-Fiルーターを活用して、通信費節約を検討しましょう。
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光熱費を節約
家族の人数が多くなるほど、支出も多くなってくるのが光熱費です。
家族のメンバーが、それぞれ照明や空調を使用するので、この出費がかさむのは必然的ともいえますが、逆に考えると、個別に使う機会を減らせば、出費も減らせる可能性が高いということにもなります。
できるだけ、ひとつの部屋で家族が過ごすようにすることで、ある程度は電気代などの節約が期待できるでしょう。また、電気代の節約で大きいのが、電力会社を見直すことです。
電力自由化された今では、各社から様々な電力料金プランが発売されており、賢く選ぶことで光熱費の節約につなげることが可能です。
食費を節約
食費の節約を考えた時、まず頭に浮かぶのは自炊をするということです。この場合でも、購入した食材の無駄を省くことが大切で、捨てる分が極力出ないようにするために、レシピサイトなどを活用するのもひとつのアイディアです。
同時に、一度作ってしまったメニューをリメイクして別の料理にすることも、節約につながります。また、スーパーで買い物をする際も、値引きされている食材の購入を徹底して、レシピはそれに合わせて考えるというのも有効な節約術です。
交際費を節約
他の支出項目と違い、自分だけの都合で出費が決められないのが交際費です。しかし、家計から外すこともできないのがこの項目です。
基本的には、無理な会合の機会はできるだけ辞退することですが、参加が必要と思われる場合には、出費のかさまない場所で集まるなどを徹底するとよいでしょう。さらに、クーポン券やポイントカードなどの活用も節約に役立ちます。
また、普段からポイント還元率のよいクレジットカードを持って、可能な限りそれで支払うようにすれば、ポイントという形で間接的に値引きを得ることになり、節約の助けになります。
まとめ
家計支出の節約といっても、やみくもに行っては効果が出にくいものです。そのため、自分の家庭が1カ月に使う金額を家計簿などを使って、まず把握することが大切です。
そして、今回ご紹介したような端的なデータを見比べながら、生活費の支出項目や金額を見直し、節約に役立てていきましょう。