夫婦共働きでもお金が貯まらない
夫婦ふたりで働いているなら、もっとお金が貯まってよいはずなのに、なぜか思ったように貯金が増えない…。それはきっとどこかに「穴」が空いているからに違いありません。
なぜ貯金が増えないのか?
貯金が増えないのは、家計の全体像が見えていないからです。お互い別会計でやりくりしているという状態が、共働きの家計ではよく見られます。
たとえて言えば財布があちこちにあり、そこから適当にお金を出して使っているというような感じでしょうか。
貯金を増やす原則は【収入-貯金>=支出】つまり、収入から貯金を引いた額の範囲内で生活費をやりくりすることです。そのためには、収入・貯金・支出それぞれの額が把握できていることが必要になります。
しかし、家計の全体像が見えていない状態では、どの金額も把握のしようがありません。これでは貯金が増えるはずもなく、まずは我が家の財布をひとつにまとめることが先決となります。
相手の財布の中身を把握してる?
最初に、あちこちに散らばった財布をひとつにまとめて、我が家の収支が見えるようにします。お互いに相手の財布の中身を把握できるようにするのです。
これをしないと、結婚しているのに独身時代と同じようなお金の使い方を続けてしまい、いつまでたってもお金は貯まりません。
独身時代は収入の多くを自分のためだけに使うことができました。しかし、結婚したならそうはいきません。ふたりのため、家族のためへとお金の使い方をシフトしながら、未来の幸せへと投資してゆく必要があるのです。
そのために、それぞれ自分の財布の中身だけではなく、相手の財布まで含めて把握することが大切なのです。
貯金方法を考える前に
我が家の財布がひとつにまとまって中身が見えるようになったら、次にやるべきことは支出の見直しです。貯金方法を考えるのはその後になります。
夫婦共働きの落とし穴とは?
家計の全体像が見えていない状態だと、自分が貯金できていなくてもお互いに「きっと妻(夫)がお金を貯めているはず」という妙な安心感を持ってしまうものです。
その結果、自分の財布のヒモがゆるんで、支出に歯止めが掛からなくなってしまうのです。あればあるだけお金を使ってしまうという悪癖は、危機感を持って取り組まなければなかなか治せません。
自分たちがいかにムダ遣いをしているかを、この際徹底的に洗い出しましょう。押さえておきたいのは、ムダ遣いはお互い様なので相手を責めないということです。
何にいくら使ったのかを把握するには、支出をスマートフォンに入力していくだけのシンプルなお小遣い帳アプリが便利です。
夫婦仲が悪いと貯金が増えない
家計の全体像を把握するためには、夫婦で協力し合うことが必要になります。財布の中身だけでなく、頭や心の中身も共有してこそ協力し合うことができます。
ところが夫婦仲が悪くお互いそっぽを向いていたら、協力し合うことなどできません。そして、夫婦仲が悪いと家で一緒にいても楽しくないため、つい家の外で過ごす時間が増えて、余計なお金を使うことになってしまいます。
さらに、夫婦仲が悪いと買い物の相談もしないでしょう。それぞれ勝手に買い物をしていると、買わなくてもすむものや買う必要のないものまで買ってしまいます。こうして果てしなく浪費が続き、貯金は一向に増えないのです。
貯金方法を見直してみよう
我が家の収支がはっきりしたら、いよいよ貯金方法の見直しです。
夫婦でとことん話し合ってみよう
マイホーム・車・旅行・大型家電など、欲しいものはいくらでもあります。しかし、一度にすべてを叶えることはできません。特にマイホームは、数十年のローンを組んで購入する一生涯で最大の買い物となります。
マイホームを手に入れるには、車や旅行などは先延ばしにして頭金を貯める必要があるのです。住宅ローンを完済するまでの道のりは遠く、いくつかの夢を諦めることになるかもしれません。
しかし、奥さんがマイホームを熱望していたとしても、ご主人は新車が欲しいと思っていることもあります。このようなミスマッチを避けるためには、夫婦でとことん話し合ってみることが大切です。
お金の優先順位を決めよう
優先順位を決めて計画的にお金を振り分けて貯金していかなければ、いつまでたっても欲しいものは手に入りません。
夫婦でよく話し合って落とし所を決めましょう。そのうえで貯金方法を決めるのです。おすすめの方法は次の2ステップです。
- 目的別に口座を分ける
- 毎月決まった日に決まった金額を入金する
まず、目的別に口座を分けます。例えば
- マイホームの頭金用口座
- 新車用口座
というようにします。次に、毎月の貯金額を決めます。マイホームの頭金用口座には、必要な頭金の額をマイホーム購入までの月数で割った額を、新車用口座には車両価格を購入までの月数で割った額を、給与振り込み日に入金するという具合です。
ここだけの話、へそくりは必要
長い人生には山もあれば谷もあります。そんな時に頼りになるのはやはりお金です。
ここまでお金に関してオープンマインドで、と言っておきながらどうなのかと思われるかもしれませんが、相手に内緒でへそくりを確保しておくのは必要なことです。
戦国武将の山之内一豊の奥さんが、夫の勝負どころで内助の功を発揮できたのは、へそくりがあったからです。へそくりは、いざという時のために大切に温存しておきましょう。
へそくりは自分の小遣いを節約して作ります。自分の小遣いは好きに使っていいものなので、相手に責められる筋合いはありません。備えあれば憂いなし、早速へそくりを始めましょう。
まとめ
ふたりの幸せな将来のため、お金の話は避けて通れないものです。しかし、夫婦間でもお金の話はしづらいもので、なんとなく先延ばしにしてきたのではないでしょうか。
共働きなのに貯金が増えないことに気付いたのはラッキーです。貯金を増やしたいという「正論」があれば、お金の話は格段にしやすくなります。
共働きで貯金を増やすためには、夫婦で協力しなければなりません。お互いの財布を見せ合いながら、ふたりの未来について話し合いましょう。
お互いをより理解でき、夫婦仲はもっと良くなり、貯金も増えてゆくはずです。記事を参考に、ふたりにぴったりな貯金方法を決めて、お金と幸せを育てていただければと思います。