この記事の想定の読者さま
一人暮らしの方、社会人の方、学生、主婦、家族がいらっしゃる方を対象に「貯金を銀行・郵便局でどちらでしようか迷っている」という方に向けて、どちらが良いのか、また他に金利が高く、ある程度安心して資産・お金を増やせる方法について詳しくご紹介しています。
ローリスクでお金を増やしたい
銀行や郵便局に預けていても金利が非常に低いため、定期預金などで積み立ててもあまり意味がありません。それであればローリスクで数万円程度から積み立てができる投資信託をオススメします。
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ここからは、郵便局と銀行の預金について詳しく解説します。
郵便局の特徴
郵便局は平成19年10月に「日本郵政公社」が民営分社化され、それまで、郵便局の窓口で提供されていた貯金業務は、「株式会社ゆうちょ銀行」という名前で、貯金業務のみを専門に取り扱うようになりました。
まず、「ゆうちょ銀行」にはどのような特徴があるかについて、ご説明します。
日本全体に広がるネットワーク
ゆうちょ銀行の大きな特徴は、全国津々浦々に存在する店舗や、ATMです。この日本全体をカバーできるネット網が、ゆうちょ銀行の大きな強みとなっています。
多くの店舗をもち便利
ゆうちょ銀行は、全国に24,000店舗と27,000台のATMがあり、コンビニがないような小さな田舎でも、店舗やATMを利用して貯金の入出金が可能です。
また、総合口座を利用すると、ATM(コンビニなど一部を除く)での振替は、ゆうちょ銀行の口座同士であれば月3回まで手数料が無料となります。
さらに、「ゆうちょダイレクト」を申し込むと、インターネットを経由して自宅や職場などから振込・振替ができ、月5回まで手数料が無料です。忙しい方にはとてもうれしいサービスとなっています。
このようにゆうちょ銀行は、私たちの生活に身近で便利なサービスを提供してくれる金融機関です。
定期貯金と定額貯金がある
銀行は顧客から預かるお金のことを、「預金」と呼びます。これに対しゆうちょ銀行では、「貯金」という言葉を使って表現しています。
これは民営化される前の郵便局で、「貯金」という言葉が使われていたのをそのまま引き継いだもので、言葉の意味には「預金」と「貯金」で違いはありません。
ゆうちょ銀行の貯金の中で、一般的な銀行の定期預金にあたる商品が、「定期貯金」と「定額貯金」です。この二つの貯金について、詳しくご紹介していきます。
定期貯金について
ゆうちょ銀行の定期貯金は、他の銀行でいう定期預金と同じです。1ヵ月~5年の間で設定された、預け入れ期間を選んで貯金します。期間が満了すると、自由に貯金を引き出すことが可能となります。
預け入れ期間に、長い期間を選択するほど高い金利で貯金できますが、途中で解約してしまうとペナルティーとして、普通預金より低い金利での払い戻しになってしまいます。
定額貯金について
定額貯金とは、預け入れ後6ヵ月が経過すると、預けたお金がゆうちょ銀行の窓口でいつでも自由に引き出す事ができる貯金です。定期貯金は、預け入れ期間が最長5年までですが、こちらは預け入れ期間は最長10年までとなります。
使う目的がしばらくないお金の場合は、定期貯金に預ける方が一般的にお得になります。ただ現在は、定期貯金と定額貯金で金利差がない事を考えると、6ヵ月経過後は、自由に引き出せる定額貯金のほうが何かと便利です。
貯金額に上限設定がある
ゆうちょ銀行は、一人当たりの貯金額の合計は1,300万円までという、貯金額に対する上限設定を設けています。
現在のゆうちょ銀行は民営企業ですが、未だに最大の株主は日本政府です。また、ゆうちょ銀行の貯金総額や規模が巨大である事も、国営企業だった頃と変わっていません。
これらの事は、貯金する人々にゆうちょ銀行への絶大な信頼感を与えています。ゆうちょ銀行が個人に対する貯金の限度額を設けているのは、このような信頼感が民間金融機関の経営を圧迫する事を防ぐためです。
その他の主な銀行の特徴
日本の銀行は、金融庁の「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」では、都市銀行・地方銀行・第二地方銀行・信託銀行・その他に分類されています。その他に属する銀行は、ゆうちょ銀行やネット銀行などです。
中でも私たちが普段よく利用する、都市銀行・地方銀行・第二地方銀行・ネット銀行について主な特徴をまとめました。それぞれの銀行に、どんな特徴があるのかを見ていきます。
都市銀行
都市銀行とは、大都市に本店を構え、全国展開する巨大な資産を持つ銀行です。その活動は日本国内だけにとどまらず、海外にも営業拠点を設けています。
現在は、三菱東京UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行・りそな銀行の4行が、都市銀行とされています。
一般的な個人向けの銀行業務も取り扱っていますが、その他に、大企業への融資や国際取引なども主な業務として積極的に行っています。
また、グループ企業に証券会社やカード会社など、様々な金融関連会社がある事から、顧客のニーズに応じて資産運用などいろいろな商品を、専門的立場から提案できる体制を整えています。
地方銀行と第二地方銀行
地方銀行と第二地方銀行では、それぞれの業務内容に関して違いはありません。この二つの違いは、所属する協会の違いにあります。地方銀行は全国地方銀行協会、第二地方銀行は第二地方銀行協会に、それぞれ所属しています。
具体的な例を挙げると、地方銀行は、横浜銀行・千葉銀行・福岡銀行などがあり、第二地方銀行には、北洋銀行・京葉銀行・関西アーバン銀行などがあります。
第二地方銀行協会は、相互銀行から現在の普通銀行へと転換した銀行が、主な会員の協会です。地方銀行・第二地方銀行ともに地方都市に本店を構え、その近隣の地域に多くの支店を展開しています。
地方での役割
地方銀行・第二地方銀行は、主にその地域に住む人々や中小企業を取引先とし、地元に密着した金融商品やサービスを提供する事で、その地域での信頼と実績を築いています。
さらに、銀行の支店やATM が町の至る場所にあり、地域の人々には便利で欠かせない銀行でもあります。
また、近年は地方の企業が海外へ農水産物や工業製品などを輸出したり、地元商品のブランド化を目指すなど、様々な試みを行っています。
地方銀行・第二地方銀行は、これらの企業に積極的に融資を行い、地方自治体とともに企業の後押しをし、地域経済の活性化を図っています。
インターネット銀行
インターネット銀行とは、インターネットの普及に伴い、新たに登場した銀行です。例えば、ソニー銀行・セブン銀行などがインターネット銀行です。
インターネット銀行と従来の銀行との大きな違いは、店舗を設けず、窓口での銀行員による業務を行わない事です。
この事によるコスト削減が、他の従来の銀行よりお得な金利や、安い手数料など、利用者への様々なサービスの提供を可能にしています。これがインターネット銀行の最大の魅力です。
インターネット銀行の取引は、インターネット上かまたは、コンビニや提携先の銀行のATMを利用して行います。
ゆうちょ銀行がおすすめなのは?
ゆうちょ銀行の大きなメリットは、日本中に広がる店舗・ATMによるネットワークにあります。また窓口が郵便局内にあるなど、その親しみやすい雰囲気や、政府が大株主という安心感もゆうちょ銀行の大きな魅力です。
では、ゆうちょ銀行はどのような場合に利用すると、そのメリットを生かすことができるのでしょうか。具体的な例をいくつかご紹介していきます。
転勤など転居が多い世帯の場合
仕事による転勤などで引っ越すことの多いご家庭は、普段よく使う口座は郵便局につくるのがおすすめです。
引っ越しが大都市間に限られる場合は、都市銀行の預金口座が引っ越し先でも利用できるかもしれません。
ただ、地方の市町村へ引っ越す可能性のある方は、地方に支店があるゆうちょ銀行を利用する方が確実に継続して口座が利用でき、新しく口座を設ける手間が省けます。
子供が貯金する場合
お子さんがお年玉などを貯金する場合、口座の開設は、ゆうちょ銀行が適しています。
お子さんが自身で貯金するには窓口での対応や通帳の発行があり、自宅から近い場所に、店舗やATMが存在する金融機関が望ましいと言えます。
またお子さんの場合は、将来的に進学や就職などで親元を離れる事も考えられるので、引っ越し先でも利用できる金融機関が便利です。
そのような条件を満たすのが、ゆうちょ銀行です。国内どこででもキャッシュカードや通帳が利用でき、アルバイトを始めたり、仕送りが必要になっても、新しく口座を設ける必要がありません。
小銭貯金する場合
小銭を銀行へ預ける場合、ATMが利用できますが、都市銀行の店舗内にあるATMや、ゆうちょ銀行の一部のATMなど、利用できるATMに限りがあります。
また、一度に扱える硬貨の枚数にも制限が設けられています。ゆうちょ銀行のATMは、預け入れの場合は硬貨100枚まで、引き出しの場合は硬貨は1,000円未満となっています。
家庭で貯めた大量の硬貨などは、ATMで入金すると時間がかかり面倒です。硬貨をゆうちょ銀行の窓口へ持参すれば、機械を使って枚数を数え、入金してもらえます。そのため、時間もかからず店頭を利用したほうが便利です。
その他の銀行がおすすめなのは?
ゆうちょ銀行がおすすめの場合は、ご説明したとおりです。では、郵便局以外の他の銀行がおすすめなのはどのような場合なのかについて考えてみます。
高い金利で貯金したい場合
現在は超低金利のため、どこに預けても、利息は期待できないと思われがちです。しかし、それぞれの銀行を比べてみると、銀行によって預金の金利に違いがある事がわかります。
金利の違い
ゆうちょ銀行とその他のいくつかの銀行の、定期預金金利を表にまとめました。すべて、300万円未満の定期預金(ゆうちょ銀行は定期貯金)に、預けた場合の年金利です。
表を見ると、地方銀行のインターネット支店・ネット銀行が、定期預金の金利は高く設定されています。
また、普通預金の金利に関しては、SBJ銀行・オリックス銀行・楽天銀行などは、金利が年0.02%、イオン銀行は「イオンカードセレクト」を申し込むと、金利が年0.10%に優遇され、定期預金並みの金利で、普通預金が利用できます。
最新の金利情報は、各ホームページにてご確認下さい。
金利一覧-ゆうちょ銀行
円預金金利 : 三井住友銀行
円預金金利 | 三菱東京UFJ銀行
預金金利【愛媛銀行インターネット専用:四国八十八カ所支店】
インターネット定期預金「ネットプラス」「ネットプラス大口」概要/島根銀行
金利一覧|個人のお客さま|SBJ銀行
金利一覧 | 個人のお客さま | オリックス銀行
銀行名 | 6ヵ月 | 1年 | 3年 | 5年 |
ゆうちょ銀行 | 0.01% | 0.01% | 0.01% | 0.01% |
三井住友銀行 | 0.01% | 0.01% | 0.01% | 0.01% |
三菱東京UFJ銀行 | 0.01% | 0.01% | 0.01% | 0.01% |
愛媛銀行インターネット専用四国八十八か所支店 | 0.22% | 0.22% | 0.25% | 0.10% |
しまぎんインターネットバンキング | 0.18% | 0.23% | 0.23% | 0.23% |
SBJ銀行 | 0.05% | 0.15% | 0.25% | 0.30% |
オリックス銀行 | 0.08% | 0.10% | 0.18% | 0.25% |
住宅購入など借入予定がある場合
ゆうちょ銀行には、独自の個人向けローンがありません。現在は、住宅・教育などのローンは、スルガ銀行の個人向けローンを代理業者として媒介しています。
これは、ゆうちょ銀行の窓口で契約した個人ローンが、実際はスルガ銀行と契約したという事になります。
借入先を考慮して銀行を選ぶ
ゆうちょ銀行が扱うスルガ銀行の住宅ローンは、個人事業主向け・働く女性向けなど対象を絞った商品を扱い、審査に通りやすい反面、金利に関してはあまり魅力的とは言えません。
将来的に住宅ローンや教育ローンなど、大きな借入の可能性がある方は、借入する金融機関の選択を考慮しながらメインバンクを利用することも大切です。
ゆうちょ銀行と他の銀行いくつかについて、住宅ローンの年間金利を表にしました。最新の金利情報は、各ホームページにてご確認下さい。
金利|スルガ銀行 ゆうちょ専用支店
みずほ銀行 : ネット住宅ローン「全期間重視プラン」
住宅ローン 銀行金利一覧|住宅ローン|楽天銀行
住宅ローン(新築・購入)|横浜銀行
銀行名 | 変動 | 3年固定 | 5年固定 |
ゆうちょ銀行 | 2.475% ~2.775% | 2.90%~3.20% | 3.00%~3.30% |
みずほ銀行 | 0.600%~1.075% | 0.675%~1.15% | 0.675%~1.15% |
楽天銀行 | 0.507%~1.157% | 0.878%~1.528% | 0.915%~1.565% |
横浜銀行 | 0.600% | 0.725% | 0.775% |
商品を選んで貯金したい場合
貯金する際に納得のいく商品を選びたい場合は、ゆうちょ銀行とその他の銀行どちらがよいのでしょうか。
各銀行が魅力的な商品・サービスを提供していますが、中でもネット銀行が、預金金利や商品に付随するサービス・特典に関しては充実しています。
ネット銀行のお得なサービス
ネット銀行のサービスについて、いくつかご紹介します。
イオン銀行のWAONポイントや楽天銀行の楽天スーパーポイントは、それぞれの銀行に口座をつくり利用する事で、ポイントを有利に獲得できます。
またオリックス銀行や新生銀行は、2週間という短期間で満期を迎える、高金利の預金を扱っています。他にも各ネット銀行が独自の豊富な商品を取り揃え、販売しています。
これらの金融商品をうまく活用することができれば、超低金利と呼ばれる現在の状況でも、有利に貯金することが可能になります。
それぞれの詳しい情報については、各ホームページにてご確認下さい。
イオン銀行ポイントクラブ |イオン銀行
楽天スーパーポイントが貯まって使えるハッピープログラム|楽天銀行
eダイレクト2週間定期預金 | 預金 | オリックス銀行
2週間満期預金 - 円預金 | 新生銀行
まとめ
引っ越しの多い方や、お子さんなどが使用する口座、また頻繁に入出金する口座などは、ゆうちょ銀行に設けると便利に利用できます。
定期預金のような引き出す必要が当分ない口座は、金利や預け入れ期間などを比較して、条件の良い銀行を選択すれば有利にお金を増やすことが可能です。
銀行を選択する際は何を目的に貯金するのかを明確にし、自分の生活状況や貯金する目的に、どの銀行が最適なのかを考える事が大切です。金融機関のメリットを、最大限に生かした貯金をする事が目的達成の近道となります。