人数は2倍でも光熱費は3倍
2人暮らしの平均の水道光熱費は、以下の通りです。
2人の世帯の平均水道光熱費(月額) | |
2016年 | 18,647円 |
2015年 | 20,348円 |
2014年 | 20,917円 |
2013年 | 20,159円 |
2012年 | 19,753円 |
2011年 | 18,949円 |
出典:統計表一覧 政府統計の総合窓口 4:世帯人員・世帯主の年齢階級別
1人暮らしから2人暮らしに変化したとき、水道光熱費は約3倍になります。まず、個人で使う水道光熱費は、単純に2倍になります。トイレやシャワーなど個人で使う分が2倍分など、同じ使用量で済まない場面は少なくありません。
さらに、住む部屋が2人の分広くなります。それにより、暖房やエアコンなどが部屋全体を暖めたり冷やしたりするのに、より電気やガスを使います。
以上のことから、1人暮らしから2人暮らしになるときには、3倍近い光熱費を見込む必要があります。
ルールを決める
3倍にもなる光熱費を節約していくには、まず2人の協力が欠かせません。それぞれで好きに生活してしまうと、個々の光熱費が上がってしまうからです。
例えば、お風呂はなるべく同時か間を空けずに入るようにして追焚きの回数を減らしたり、仕事の時間をなるべく合わせて電気代の安い時間帯に帰宅したりするなど、協力することで光熱費は減らすことができます。
まずは、2人で生活プランや考え方をよく話し合い、協力し合うという気持ちを作ることが大切です。
20代、アパートに住む2人暮らし
20代の方で2人暮らしを始める場合、どちらかの部屋に1人が加わるか、2人で新しい家に引っ越すか、どちらかのパターンが多いです。どちらにしろ、2人で暮らして初めてわかることが多くあります。
20代のアパート暮らしでできる節約術を紹介します。
電力会社を変える
電力自由化により、複数の会社から2人の生活に合った電力会社を選ぶことができるようになりました。1人暮らしではあまり差は出ませんが、2人以上になると、会社によって電気料金が変わってきます。
2016年に電力自由化が始まって以来、電力会社やプランを見直した世帯は、年間平均18,000円の節約になりました。最近では、携帯会社も電気の販売を始め、他の固定費とともに電力会社を検討できるようにもなってきています。
2人暮らしを始めるときは、電力会社を選ぶ良いタイミングです。住む家が決まったら、一度検討してみるのがおすすめです。
どう折半するかが大事
2人で住むときに大切なのは、家賃や光熱費などの固定費をどう分けるかです。家賃は半分に折半しやすいですが、光熱費は変動しやすいので毎月の清算が大変です。
しかし、電気代は私、水道やガスは相手などと適当に分けてしまうと、どちらかが大きく払うことにもなり、不満の原因となります。
また、一方が在宅ワークなどで家にいる仕事の場合、光熱費を多くかけるのは家にいる方です。それでも光熱費が折半となると、納得しない人もいます。
2人で暮らすと、家事の役割も分担しなければなりません。それぞれの役割を振り分け、それとともに光熱費をどちらが払い、どう折半していくかも話し合う必要があります。
30代、一戸建てに住む2人暮らし
一戸建てに2人で住む場合の大半が、将来家族が増えることも見据えていることが多いです。将来、家族が増えるということは、固定費も増えていきます。
もちろん、単純に人数が増えることの増加もありますが、生活の時間帯が日中などにも広がるので、今ままで、日中の電気代を割高にして、夜の電気代を下げていた家は、見直す必要が出てきます。
家族が増える前に、一戸建てだからこそできる節約方法があります。例えばガス会社など、賃貸では一律になっていた部分を自分に最適な方法に変えることができます。
一戸建てを強みにできるような光熱費の節約方法をご紹介します。
太陽光を考える
自分の屋根に太陽光をつけ、自分の家で使う電気を自分で作る方法です。さらに、余った電気を電力会社に買い取ってもらい、収入を得ることもできます。
太陽光の設置に対して初期費用は大きいですが、その売った電気代から太陽光発電装置の設置費用を支払うので、思ったよりも出費は少なくすみます。
そして、設置費用を支払った後もずっと電気を作り、自分の家で使ったり、売ったりすることができるので、一戸建てなど長期的に住むことを考えた場合は、大きなメリットです。
太陽光の設置の費用は、年々下がっています。しかし、同時に電気の買い取り価格も下がっています。そのため、どのタイミングで太陽光を設置するべきかも、検討する必要があります。
太陽光発電|知っておきたい価格の鉄則―【失敗しないための総合サイト】省エネドットコム
お湯をわかす方法で節約
電気やガス以外のエネルギーを活用しお湯を沸かすことで、光熱費を節約する方法です。家の外に設置し、24時間お湯を作ることができます。
また、この設備は、空気中の二酸化炭素を利用したり、自家発電でお湯を沸かすので、環境にも優しいのが特徴です。
さらに、深夜の電気代が安い時間帯にお湯をためておくことで、お風呂の湯沸かしなど大きく電気代やガス代がかかる場面で、かなりの節約を見込めます。
しかし設置には、配管などの切り替えも行う必要があるので、初期費用がかかり、また工事ができる家とできない家があります。その点は、注意が必要です。
具体的には、以下のような給湯システムがあります。
エネファーム
エネファームとは、水素と酸素の化学反応で発電し、その際に出る熱でお湯を沸かし、さらに発電もできるシステムです。水素と酸素の化学反応でできるのは水なので、有害物質が発生する心配もありません。
このシステムは、自家発電することで電気のロスを減らし、電気や熱を効率良く利用することができます。そして、石油や天然ガスを使用しない発電なので、二酸化炭素の削減につながります。
さらに、エネファームは、お湯が大量に使われる時間帯や電気代の安い時間帯を自ら学習し、自分で発電や湯沸しのタイミングを調整するので、お湯切れの心配もなく、それぞれの家の生活時間に合わせて効率良く稼働します。
エコキュート
エコキュートとは、「自然冷媒CO2ヒートポンプ式給湯機」といい、空気中の二酸化炭素使ってお湯を沸かす、給湯システムです。
その特徴は、ヒートポンプ式を利用している点が挙げられます。空気中の熱を集めて圧力をかけ、その熱でお湯にし、再度空気を低圧にして冷やす、というのを繰り返すことで、効率良く熱を使うことができます。
ガスを一切使わないのでガス代が必要なく、また、時間帯別電灯契約にすることで、深夜帯にお湯を沸かすので電気代も少なくすみます。また、空気中の二酸化炭素を使うので、環境にも優しいシステムです。
初期費用はかかりますが、ガス代が削減される分、長期的に考えると節約につながります。
エコキュートのしくみ | エコキュート | 給湯・暖房 | Panasonic
ガスの小売自由化
都市ガスは、それぞれの地域のガス会社が決まっており、決められた費用を支払っていましたが、ガスの配線はそのままに、ガスの会社を選べるようになりました。
自由に選べることによって、ガス会社側もお客様にとってより良い料金メニューを設定するようになり、より安くガスを使うことができます。
ガス会社を変えても、ガス漏れや緊急の時には、従来のガス会社が対応してくれるので、安心して選ぶことができます。
都市ガスをどのように選べばいいか、ガス料金を比較できるサイトもあります。オール電化でない家庭は、ガス代は切っても切れませんので、一度見直してみるのもおすすめです。
[ガス自由化]ガス会社・料金プランって、どう比較して選んだらよいの?
シニア世代、2人暮らし
子供の独立を機に、今まで大人数で暮らしていた生活から夫婦2人きりになるという家庭も少なくありません。そのときに、今まで通りの料金プランを設定していると、大きなコストがかかります。
さらに、朝早く起きて夜も早く就寝するという生活時間へシフトしていくのも、シニア世代の生活の特徴です。
このタイミングで再度光熱費の見直しをし、生活に合った光熱費の契約プランにすることが大切です。
プランの見直し
シニア世代の家庭は、生活の時間が早朝から夕方がメインになっていくので、電気プランが時間帯別電灯契約のままになっていると、せっかくの割安な時間帯を有効活用できない場合があります。
時間帯の契約よりも、どれだけ電気代を使ったかの従量に対して徴収する形に切り替えるというのも1つの手段です。
また、子供が独立する前のようにお湯をたくさん沸かしていると、お湯を使いきれず湯余りばかりが起こり、電気代やガス代を大きく無駄にしてしまう可能性もあります。
貯湯式の給湯器から使う分だけお湯にできるガス給湯器で、無駄を省くことができますので、一度検討してみるのもおすすめです。
使うところには使う
夫婦2人だからと言って生活をあえて質素にしたり、今後のことが心配で節約しすぎてしまう家庭も多くあります。2人しかいないと、広い家でクーラーや暖房を使うのに抵抗がある方も多いです。
しかし、そのように我慢しすぎてしまうと、夏には熱中症、冬には心筋梗塞など大きな病気に繋がることは少なくありません。
身体的に環境の影響を大きく受けやすいのが、お年寄りでもあります。なんでも使わない、我慢すればいいという考え方ではなく、使うところには使うように心がけることも大切です。
特に、冬の入浴時は、寒い中で急に熱いお湯を体にかけることで心臓に大きな負担がかかります。入浴前に浴室を暖める浴室暖房機など検討すると良いでしょう。
まとめ
2人で暮らし始めるということは、1人暮らしとは違い、お互いの協力が必要です。また、2人暮らしは、1人暮らしのときより将来について考える場面が多くあります。
そんな2人暮らしにおいて大切なのは、自分だけが我慢せずに、きちんと話し合うことです。特に、光熱費の節約は毎日のことなので、我慢の繰り返しですと長くは続きません。
ときには、節約したお金で2人のご褒美をするなど、長期的に続けられる節約方法を試しましょう。その方法の中で、契約プランの見直しや、給湯のシステムを変えるなど、根本から変えることもとても節約に役立ちます。
それらのタイミングや将来性なども踏まえて、効率よく節約を実施しましょう。
節約したいなら光熱費を見直そう。環境づくりで大きく変わる光熱費