クレジットカードのブラックカードとは
クレジットカードのブラックカードとは、どのようなクレジットカードなのでしょうか。
ゴールドカードの上位カード
ブラックカードは、ゴールドカードの上位カードです。クレジットカードは、一般的に以下のようにランク付けされています。(ランクの低い順に記載)
- 一般向けカード(シルバーカード)
- ゴールドカード
- プラチナカード
- ブラックカード
クレジットカードが示すステータス(社会的地位)が高い、いわゆる『ステータスカード』と呼ばれるカードは、ゴールドカードからとなります。そして、ステータスカードの中で、最上位のクレジットカードがブラックカードです。
クレジットカードのランクが上がるごとに、クレジットカード入会時の審査が厳しくなり、入手がむずかしくなります。
とくに、一部のプラチナカードやブラックカードは、カード会社からの招待がないと発行できない、非常に入手困難なクレジットカードです。
ブラックカードの上は存在しない
クレジットカードには、さまざまな種類がありますが、ブラックカードよりも上のランクのクレジットカードは存在しません。
ブラックカードのさらに上のランクのクレジットカードとして、クリスタルカードが存在するという噂もありますが、これは誤った情報です。
アメリカン・エキスプレスの一般カードに、半透明のクリアカードがあります。これが、日本では発行されていない、珍しいクレジットカードであったことから、特別なクレジットカードなのではないかという噂が広まったのです。
ブラックカードならではのメリット
ブラックカードには、ブラックカードならではのさまざまなメリットがあります。
ステータスが別格
ブラックカードのステータスは、ほかのランクのクレジットカードと、比べ物にならないほど高いものです。
ブラックカードは、カード会社が利用者の年収や、クレジットカードの利用履歴などを審査して、最優良顧客と認めた人にだけ発行する、招待制のクレジットカードです。
そのため、ブラックカードを持っているということは、それだけの収入や社会的地位、信用力があることの証明となります。
とくに、海外ではクレジットカードのステータスが重要視される傾向にあるため、ブラックカードを提示すると、VIP待遇を受けられることもあるほどです。
クレジットカードでブラックカードを持つには?年収などの条件を解説
クレジットカードのブラックカードは年収が影響?発行基準を知ろう
専用のコンシェルジュが対応
多くのブラックカードには、ブラックカード会員専用のコンシェルジュサービスが付帯しています。
基本的に、コンシェルジュサービスは24時間・365日対応しており、航空券やホテルの予約、コンサートなどのチケットの手配、買い物の代行など、さまざまな要望に対応してもらえます。
また、紹介制のレストランや繁忙期のホテルの部屋など、個人で予約を取るのがむずかしい場合でも、ブラックカードのコンシェルジュサービスを通すと、予約が取れることがあります。
カード会社によっては、ブラックカードの会員ごとに、専任のコンシェルジュがつき、会員が何度も同じ説明しなくても、すぐに話が通るようになっていることもあります。
会員限定のイベントへの招待
ブラックカードを持っていると、ブラックカード会員限定のイベントへの招待が届くことがあります。
芸能人やスポーツ選手が参加するようなパーティーやソムリエのセミナーなど、さまざまなイベントが開催されており、人脈作りにも役立ちます。
また、紅葉の有名スポットを貸切にしての観賞会や、美術展などに開催日前に特別入場できるイベントなど、VIP待遇を体験できるイベントが開催されることもあります。
ホテルや空港の上級会員資格
ブラックカードには、ホテルや空港の上級会員資格が、自動で付帯していることがあります。
ホテルや空港の上級会員資格を得ると、ホテルの部屋や飛行機の座席が無料でアップグレードされたり、レイトチェックアウトができたりするなど、さまざまな優待が受けられます。
通常、ホテルや空港の上級会員資格は、何度も利用を重ねて、一定の条件を満たした人でないと付与されません。
しかし、ブラックカード会員であるということは、それだけの年収や社会的地位がある優良顧客だということが証明されているため、自動で上級会員と認められるのです。
ブラックカードには限度額がないのか
ブラックカードには、利用限度額はないのでしょうか。
どんなカードにも限度額はある
クレジットカードには、そのカードで支払いができる上限額=利用限度額が設定されています。
利用限度額は、どんなクレジットカードにも必ず設定されているもので、ブラックカードも例外ではありません。
ただし、クレジットカードのランクが高いほど、利用限度額も高くなるのが一般的です。そのため、ブラックカードの利用限度額は、ほかのランクのクレジットカードよりも高い傾向にあります。
限度額は人それぞれ
クレジットカードの利用限度額は、カード会社が個人の年収や勤務先、信用情報(※)などを審査し、それらをもとに決定するものであるため、人それぞれ金額が異なります。
また、利用限度額は、クレジットカード入会時に決定された金額で固定されるものではありません。
クレジットカード入会後にも、定期的に審査がおこなわれ、その結果によって変更されます。これはブラックカードでも同様です。
この定期審査のときに、クレジットカードの利用頻度が高く、返済の遅延もないなど、優良顧客だと判断された人は、利用限度額が引き上げられることがあります。
反対に、年収が下がっていたり、カード利用額の返済を遅延していたりすると、利用限度額が引き下げられることもあるので注意が必要です。
(※信用情報とは、個人信用情報機関に登録されている、クレジットカードやローンなど、利用者の契約内容や返済状況といった情報のことです)
最上級のクレジットカード。ブラックカードの限度額はいくらなのか
ブラックカードを持つ条件
どのような条件を満たせば、ブラックカードを持てるのでしょうか。
審査基準は会社によって異なる
ブラックカードの招待は、カード会社が利用者のクレジットカードの利用履歴や年収などを審査して、最優良顧客と認めた人にだけ届きます。
このときの審査基準は、カード会社によって異なります。また、詳細な審査基準は明かされていません。
ゴールドカードの利用実績を積もう
審査基準はカード会社によって異なるものの、ゴールドカードで優良な利用実績を積んでいると、ブラックカードの招待が届きやすくなる傾向があります。
ブラックカードは、ほかのランクのカードよりも特典やサービスが豊富で、利用限度額も高額に設定されているものが多くあります。
その分、ほかのランクのカードよりもコストがかかるうえに、もし利用者が支払不能に陥った場合は、カード会社の損害額も高額になります。
そのため、より多くの利益をもたらす人や、信用力がある人でないと、ブラックカードは発行されません。
カード会社からすると、ゴールドカードの利用実績が優良な人は、信頼できる人だと判断しやすいので、ブラックカードの招待が届きやすくなるのです。
クレジットカードのブラックカードの審査。考慮される内容とは何?
世界最高峰の2大ブラックカードを比較
ブラックカードの中でも、世界的にステータスの高さが認められている、『アメリカン・エキスプレス・センチュリオンカード』と、『ダイナースクラブプレミアムカード』の特徴を紹介します。
アメックスセンチュリオンカード
アメリカン・エキスプレス・センチュリオンカードは、アメリカン・エキスプレスのクレジットカードの中で、最高ランクのクレジットカードです。
項目 | 詳細 |
年会費 | 35万円(税抜) ※別途入会金50万円(税抜) |
発行方法 | アメリカン・エキスプレスからの招待 |
アメリカン・エキスプレス・センチュリオンカードを入手するには、アメリカン・エキスプレスからの招待を受ける必要があります。
ブラックカードの招待を受けるには、まずアメリカン・エキスプレスのゴールドカードで利用実績を積み、プラチナカードの招待を受けなければなりません。
そして、プラチナカードで利用実績を積んでいると、次はブラックカードの招待が届くという流れになっています。
ただし、詳細な審査基準は明かされておらず、プラチナカードを長く所有している人でも、ブラックカードの招待が来ない可能性もあります。
年会費が高くチタン製もあり
アメリカン・エキスプレス・センチュリオンカードを発行すると、年会費が35万円(税抜)かかるほか、入会時に50万円(税抜)の入会金が必要になります。
ただし、コンシェルジュサービスをはじめ、ホテルや飛行機での優待、プライベートジェット機のチャーター(有料)といった、高額な年会費や入会金に見合う、豪華なサービスや特典が付帯しています。
また、通常のアメリカン・エキスプレス・センチュリオンカードは、ほかのクレジットカードと同じくプラスチック製ですが、希望すればチタン製のカードも発行可能です。
ただし、チタン製のカードは、発行・再発行に時間がかかるほか、決済端末に通らないなどの問題が起こることがあるため、プラスチック製のカードとの併用が推奨されています。
入手困難なクレジットカード。ブラックカードの年会費はいくらなのか
ダイナースクラブプレミアムカード
ダイナースクラブプレミアムカードは、ダイナースクラブカードの最高ランクのクレジットカードです。
項目 | 詳細 |
年会費 | 13万円(税抜) |
発行方法 | ダイナースクラブからの招待 |
ダイナースクラブプレミアムカードを入手するには、やはりダイナースクラブから招待を受ける必要があります。
招待を受けるには、まずダイナースクラブカードで利用実績を積まなければなりません。ただし、ダイナースクラブカードは、ほかのカード会社のゴールドカード相当のステータスがあり、審査が厳しい傾向にあります。
そのため、ダイナースクラブカード作るには、他社のクレジットカードなどで返済を遅延するなど、信用情報が悪化するようなことは避けることが重要です。
ポイントの貯まりやすさが魅力
ダイナースクラブは、ポイントの貯まりやすさが魅力のブラックカードです。通常、ダイナースクラブのクレジットカードでは、利用額100円ごとに1ポイント付与されます。
しかし、ブラックカードではボーナスポイントが1ポイント加算され、利用額100円ごとに2ポイント貯まるため、ポイントが貯まりやすいといえます。
また、プレミアム会員専用のコンシェルジュサービスはもちろん、ホテルの上級会員資格や、ブランド店の貸切など、ブラックカードならではの特典やサービスも充実しています。
おすすめのブラックカード
ここでは、おすすめのブラックカードを紹介します。
JCBザ・クラス
項目 | 詳細 |
年会費 | 50,000円(税抜) |
発行方法 | JCB、または提携しているクレジットカード発行会社からの招待 |
テーマパークの特典が魅力
JCBザ・クラスの年会費は50,000円(税抜)で、ブラックカードの年会費としては、比較的安価な金額に設定されています。
加えて、JCBがオフィシャルスポンサーになっている、ディズニーリゾートの優待が特典として付いているのも魅力です。
JCBザ・クラス会員は、ディズニーランドやディズニーシーに設置されている、JCBスポンサーラウンジが利用できるほか、さまざまなアトラクションに優先的に搭乗できます。
また、年1回届く『ザ・クラス・メンバーズ・セレクション』のカタログギフトから、ディズニーパークチケットや、クラブ33の食事券などを受け取れます。(一部のギフトは抽選となっています)
スルガ銀行 VISA Infinite
項目 | 詳細 |
年会費 | 12万円(税抜) |
発行方法 | スルガ銀行からの招待 |
日本で唯一VISAのブラックカード
スルガ銀行VISA Infinite(インフィニット)は、日本で唯一のVISAのブラックカードです。
スルガ銀行でローンを組むなどして、スルガ銀行の優良顧客になると、スルガ銀行VISA Infiniteの招待を受けられる可能性があります。
スルガ銀行VISA Infiniteを持っていると、VISA Infiniteカードとスルガ銀行、それぞれの特典やサービスが利用できます。
- 24時間対応のコンシェルジュサービス
- 提携ブランドショップの店内貸切サービス
- プレミアム返済アシスト(クレジットカードの利用額の1.8%を、住宅ローンの繰上返済に充当するサービス)
上記以外にもさまざまな特典やサービスがあり、お得感の高いブラックカードです。
楽天カードにブラックカードはあるのか
「楽天カード」にも、ブラックカードはあるのでしょうか。
招待制の楽天ブラックカードがある
「楽天カード」にも、招待制の楽天ブラックカードが存在します。
項目 | 詳細 |
年会費 | 30,000円(税抜) |
発行方法 | 楽天カードからの招待 |
招待の条件は、以下のように記載されています。
楽天ブラックカードは、原則、楽天カードが発行するカードをお持ちの方の中から選ばれたお客様へご案内させていただいております。
そのため、楽天ブラックカードを入手したいのであれば、まず楽天カードを作り、優良な利用実績を積まなくてはなりません。
注意したいのが、通常の「楽天カード」から楽天ブラックカードにランクアップした場合、それまでのカード番号などが引き継がれない点です。
カード番号や有効期限が変更されるため、公共料金などを楽天カードで支払っている場合は、変更手続きをおこなう必要があります。
ライセンスはPlatinum
楽天ブラックカードは、名称はブラックカードとなっていますが、ライセンスは『Platinum』です。ただし、ブラックカードならではの、特典やサービスは充実しています。
楽天ブラックカードの特典
楽天ブラックカードには、以下のような特典やサービスが付帯しています。
- 楽天市場や楽天ブックスでの決済時に、ポイントが最大5倍付与
- 専門のコンシェルジュサービス
- 旅行の予約の代行などをおこなうトラベルサービス
- 国内・海外旅行傷害保険
- 国内・海外の空港のラウンジ利用サービス
もともと、「楽天カード」はポイントが貯まりやすいクレジットカードとして人気ですが、楽天ブラックカードでは、さらにポイントが貯まりやすくなります。
また、年会費は30,000円(税抜)と、ブラックカードの中ではかなり低価格でありながら、専門のコンシェルジュサービスや、空港のラウンジ利用サービスなども利用可能です。
さらに、利用限度額が300万円~1,000万円と高額で、クレジットカードの利用頻度が高い人でも、十分に対応できるようになっています。(利用限度額は審査結果によって、個別に設定されます)
まとめ
ブラックカードは、クレジットカードの中で、最高ランクに位置づけられているカードです。年会費が高額である場合が多いですが、それ相応の豪華な特典やサービスが付帯しています。
ほとんどのブラックカードは招待制となっており、カード会社から招待を受けなければ発行できません。
カード会社から招待を受けるには、カード会社に最優良顧客と認められる必要があるため、クレジットカードの利用頻度を上げ、返済を遅延しないようにすることが大切です。