クレジットカードを強制的に解約される理由
クレジットカードの利用状況が悪いと、クレジットカードを強制的に解約されることがあります。どのような理由で、強制解約となるのでしょうか。
利用代金の延滞を繰り返す
クレジットカードの利用代金の延滞を繰り返していると、クレジットカードを強制解約される場合があります。
クレジットカードには、利用代金の『引落日』が決まっており、引落日を少しでも超えてしまうと、支払いを延滞したとみなされます。
うっかり1度だけ延滞してしまった程度であれば、大きな影響はありません。しかし、何回も延滞を繰り返していると、支払い能力が低いと判断されます。
支払い能力が低い人は、いずれ延滞したまま放置するようになったり、債務整理をおこなったりするリスクが高いことから、クレジットカードを強制解約される可能性があります。
信用情報の悪化
信用情報が悪化したときにも、クレジットカードを強制解約されることがあります。クレジットカードの利用者の情報は、信用情報機関に記録されています。
カード会社は、クレジットカードの新規入会時以外にも、定期的に利用者の信用情報をチェックしています。
このとき、他社のクレジットカードやローンの支払いを長期間延滞していたり、強制解約されていたりといった記録が見つかると、自社でも延滞されるリスクが高くなるため、クレジットカードを強制解約することがあるのです。
不正利用が発覚
クレジットカードの不正利用が発覚した場合も、強制解約の対象となります。クレジットカードを利用するには、カード会社が定める利用規約を守る必要があります。
利用規約は、クレジットカード入会時に必ず提示されるもので、これに同意しなければ、クレジットカードは発行されません。
入会時に、利用規約を守ると約束したにもかかわらず、利用規約に違反した場合は、不正利用に当たるとして、クレジットカードを強制解約されます。
- クレジットカードのショッピング枠を現金化する
- カードの名義人以外がクレジットカードを使用する
このような行為が発覚した場合は、クレジットカードを強制解約される可能性が高いので、絶対にしないようにしましょう。
ショッピング枠の「現金化は厳禁です!」|クレジットカードの三井住友VISAカード
利用代金の延滞は信用を落とす
クレジットカードの利用代金を延滞することは、自身の信用を落とすことに繋がります。
延滞から解約に至るまでの流れ
クレジットカードの利用代金の支払いを延滞してから、強制解約されるまでの流れは、以下のようになります。
- 引落日から数日以内に、クレジットカードが利用停止される
- 再引落がかかる、または振込用紙や督促状が届く
- 信用情報機関に支払いを延滞している記録がつく
- 延滞が解消しないまま61日経過した時点で、長期延滞としてブラックリスト(※)入りする
- クレジットカードが強制解約される
カード会社によって違いはあるものの、おおよそ上記のような流れで強制解約に至ります。3番の信用情報機関に支払いを延滞している記録がつくタイミングは、カード会社によって異なります。
再引落がかかっている間は、信用情報機関には記録しない場合もあれば、即座に記録される場合もあります。
基本的には、引落日を1日過ぎるだけでも『延滞』となるため、口座への入金が遅れないように注意しましょう。
(※ブラックリストとは、信用情報機関に長期延滞・債務整理など、金融事故の記録がついている人のことです。実際にリストが存在するわけではありません)
解約されるとブラックリストに載るのか
クレジットカードを強制解約されると、信用情報機関にその情報が記録されます。正確には、延滞期間が61日を超えた時点で、金融事故を起こしたとして記録されます。
金融事故を起こした情報と、クレジットカードを強制解約された情報は、ともに信用情報機関に5年間保管されます。
そのため、他社のクレジットカードも強制解約される可能性が高くなるほか、5年間は新たにクレジットカードに入会したり、ローンを組んだりすることができなくなります。
CICが保有する信用情報|信用情報について|指定信用情報機関のCIC
登録内容と登録期間 |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
個人情報の取扱い - 全国銀行協会
クレジットカードの情報と住宅ローンの関係
クレジットカードの信用情報と住宅ローンには、どのような関係があるのでしょうか。
利用代金の延滞は住宅ローン審査に影響
信用情報機関にクレジットカードの利用代金の延滞記録があると、住宅ローンの審査に大きく影響します。
住宅ローンは、借入金額が数千万円という大きな金額になるのが一般的で、数十年という長い時間をかけて返済していくローンです。
そのため、延滞記録があると住宅ローンの審査時に、数千万円という金額の長期ローンを貸付するのはリスクが高いと判断されます。
住宅購入の目標がある場合は、クレジットカードの支払いを延滞しないように注意しましょう。
審査に影響のあるその他の情報
住宅ローンの審査には、クレジットカードの支払いの延滞以外にも、以下のような情報が影響します。
- リボ払い・分割払いの利用残高
- カードローン・キャッシングの利用残高
- クレジットカードの保有枚数
住宅ローンの審査では、『総返済負担率』が調査されます。住宅ローンやキャッシングなどのすべての借入の返済率を、基準内に抑えるよう定められているからです。
そのため、リボ払いやキャッシングなどの利用残高があると、総返済負担率の基準を超えてしまい、住宅ローンの審査に落ちる可能性があります。
また、クレジットカードを複数持っている場合、現在利用残高が0円でも、利用枠分の借入ができるため、利用枠=利用残高として審査されます。
その結果、総返済負担率の基準を超えてしまう可能性があるので、使用していないクレジットカードを複数所持している場合は、住宅ローンの審査の前に、解約しておくとよいでしょう。
まとめ
クレジットカードの利用代金の支払いを何回も延滞したりすると、クレジットカードを強制解約される恐れがあります。
長期間の延滞や強制解約の情報は信用情報機関に記録され、クレジットカードに新規入会できなくなるほか、住宅ローンを組むこともできなくなります。
クレジットカードの利用代金は期日通りにきちんと返済し、絶対に延滞しないようにすることが大切です。