クレジットカードの年会費とは
そもそも、クレジットカードの年会費はどういうものなのでしょうか。まずは、年会費の基本情報を理解しておきましょう。
カード会社に払う使用料
クレジットカードの年会費は、利用者がクレジットカードを使うために年1回、カード会社に支払う費用のことです。利用者から支払われた年会費は、クレジットカードを利用する際に受けられる、サービスの充実化などに充てられます。
毎年決まった日に引き落とし
クレジットカードの年会費は、毎年決まった日に引き落とされます。引き落とし日は、カード会社によってさまざまですが、以下のようなルールを採用している会社が多いです。
- 入会月の翌月◯日
- カード有効期限月の翌月◯日
翌月が翌々月になるなど、細かいタイミングは会社ごとに違ってきます。
年会費の相場はどれくらい?
年会費の相場は以下のように、クレジットカードのグレードによって異なります。
グレード | 年会費 |
ブラックカード | 10万円以上 |
プラチナカード | 2万円以上 |
ゴールドカード | 1万円前後 |
一般カード | 無料〜1,500円前後 |
グレードが上がると、年会費も比例して高額になります。
年会費無料のカードのメリット
年会費がかかるものとかからないもの、どちらがよいのでしょうか。比較するために、年会費無料カードのメリットを挙げてみます。
お金がかからないから気軽に作れる
年会費無料のクレジットカードのメリットは、気軽に作れるということです。クレジットカードについて詳しくない人は、クレジットカードを所有するのにお金がかかると、ハードルが高いと感じることもあります。
そのため、年会費が無料であれば、とりあえず申し込んでみようという気になりやすいといえます。
特に、年会費によって得られる恩恵がイメージしづらい人は、無料カードのほうが気楽に使えるでしょう。
年に数千~数万円の年会費を支払っても、クレジットカードを使わなければ、サービスの恩恵を受けられません。その点、年会費無料のカードであれば、年会費に見合った価値があるかどうか吟味する必要がないため、気軽に申し込めます。
年会費無料の条件に注意
申込時に注意しなければならないのは、年会費が無料になる条件についてです。年会費無料と大々的に謳っているクレジットカードすべてが、永年無料とは限りません。年会費無料の条件は、申込時にきちんと確認しておく必要があります。
初年度だけ無料も多い
年会費無料のクレジットカードの中には、無料で使える期間が設定されており、それを超えると有料に切り替わるものがあります。たとえば、初年度は無料で、2年目からは年会費が発生するクレジットカードなどです。
しかし、年会費無料期間の終了時には、基本的にカード会社から連絡があるため、知らないうちに有料に切り替わっていることはありません。
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年会費有料のカードのメリット
年会費有料のクレジットカードには、大きく分けて3つのメリットがあります。
ポイント還元率が高い
年会費有料のクレジットカードは、無料のものよりもポイント還元率が高いです。クレジットカードを利用すると、利用金額に応じてポイントが付与されます。
一般的に、年会費有料のクレジットカードと無料のカードとでは、ポイント還元率が0.5%以上も違います。よって、クレジットカードをたくさん利用するほど、貯まるポイントに差が出ます。
年会費有料のクレジットカードの中には、提携ショップで利用するなど、特定の条件を満たすことで、還元率が倍になるキャンペーンを行っているものもあります。
数回ショッピングの際に利用すれば、年会費分のポイントが貯まるカードもあるため、結果的にお得になります。
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年会費が高い分サービスが充実
年会費を支払うことで、さまざまなサービスを受けられるというメリットもあります。有料カードを持つことで受けられる主なサービスは、以下のようなものがあります。
海外旅行保険
年会費有料のクレジットカードの多くは、海外旅行傷害保険が付帯されています。海外旅行の際は怪我や病気など、万が一に備えて保険に入っておくと安心です。
クレジットカードに保険が付帯されていれば、わざわざ新たに保険に入る必要はありません。
年会費無料のクレジットカードにも、保険が付帯されていることがありますが、種類の豊富さや補償の手厚さは、有料カードのほうが優れています。
空港ラウンジや手荷物宅配サービス
年会費有料のクレジッドカードを持っていると、国内外の空港ラウンジを無料で利用できます。
空港ラウンジではフリードリンクが楽しめたり、無線LANが利用できたりと、さながらカフェにいるかのような、落ち着いた空間で時間を有効に使えます。
また、年会費有料のクレジットカードには、空港で手荷物の無料宅配サービスが受けられる特典もあります。そのため、スーツケースやお土産で、荷物が重くなりがちな海外旅行の際に助かります。
ホテルやレストランの優待
年会費有料のクレジットカードには、ホテルやレストランで優待が受けられる特典があります。クレジットカードを提示したり、支払いに利用したりすることで、ドリンク1杯無料や割引サービスなどが受けられます。
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ステータスが高く堂々と使える
ゴールドやプラチナ、ブラックカードといった、ハイグレードのクレジットカードは、基本的に選ばれた人だけが持てるものです。
そのため、グレードの高い年会費有料のクレジットカードを持っていることは、社会的信用の高い地位にいるという証明になります。高級なホテルやレストランでの支払いにも、堂々と使える点も好評です。
結局どっちを使えばよいの?
年会費無料のものと有料のものとで、それぞれにメリットがありますが、結局どちらを使えばよいのでしょうか。
利用額が少なければ無料カード
クレジットカードをあまり利用しない人には、年会費無料のカードがおすすめです。年に数千~数万円の年会費を払っても、ほとんどクレジットカードを使わないのであれば、あまり意味がありません。
ポイントを貯めることに関心がない、旅行にあまり行く機会がなくサービスに魅力を感じないなど、年会費に見合った価値を得られないだろうと考える人は、年会費無料のクレジットカードを利用しましょう。
海外によく行くなら有料カード
年会費有料のクレジットカードは、海外旅行の際に使える保険が充実しているため、頻繁に海外に行く人におすすめです。海外旅行が趣味の人や出張が多い人は、自動付帯の保険が適用されるので便利です。
また、レストランやホテルで割引を受けたい、空港のラウンジでくつろぎたいなど、サービスを利用するつもりであれば、年会費有料のクレジットカードがお得です。
法人クレジットカードの年会費とは
法人クレジットカードはその名のとおり、法人に対して発行されるカードです。会社や個人事業主が法人名義のカードを持つことで、事業に関する支払いが集約されるため、金銭管理がしやすくなります。
ここでは、年会費有料の法人カードを利用する際に、知っておくべきポイントを見ていきましょう。
法人カードの年会費は経費になる
法人カードの年会費は、仕事を円滑に行ううえで必要な費用なので、経費に計上できます。
クレジットカードの年会費は経費で落とせる?可否や計上の仕方を解説
勘定科目は諸会費か支払手数料
法人カードの年会費は、諸会費か支払手数料として計上できます。どちらを使うかは好みによりますが、一度どちらかに計上したら、その後も同じ勘定科目を使用しましょう。
諸会費は、業務に関わっている団体などに支払う会費や、組合費などを処理するための勘定科目です。会員で有り続けるために必要な出費は、諸会費に該当します。法人カードの年会費も、カードを持ち続けるために必要な出費なので、諸会費に計上できます。
また、支払手数料は、手数料や報酬の支払いを処理するするための勘定科目です。クレジットカードの年会費は、カードを利用するための手数料と考えられるため、支払手数料に計上できます。
年会費には消費税がかかる
意外と見落としがちですが、法人カードの年会費には消費税がかかります。法人カードの年会費は、カードを利用することで受けられるサービスのための対価として支払うものです。
金銭を支払ってサービスを受ける行為は課税対象となるため、法人カードの年会費も課税対象となり、消費税がかかります。
年会費を税込でわかりやすく表示しているカードもありますが、今後消費税が増税されると、年会費も上がるとおぼえておきましょう。
法人クレジットカードの年会費の仕訳は?おすすめのカードも紹介
クレジットカードの年会費に消費税はかかるのか?仕訳や区分について
年会費無料のおすすめカード
年会費無料のクレジットカードを持ちたい人におすすめなのは、以下の3つのカードです。
Yahoo! JAPANカード
Tポイントを貯めたい人におすすめなのが、「Yahoo! JAPANカード」です。年会費は初年度だけでなく、2年目以降も無料になります。
「Yahoo! JAPANカード」の最大の特長は、Tポイントカードと一体になったクレジットカードであることです。日々の支払いでTポイントを貯めて、TSUTAYAやファミリーマートなどの提携店で使用できます。
通常のクレジットを利用した支払いのほか、Yahoo!ショッピングやLOHACOを利用することでもポイントが貯まります。
通常、カード利用時には100円につき1ポイント貯まりますが、Yahoo!ショッピングやLOHACOでの利用では、100円につき3ポイントも貯まるのです。
Tポイントがダブルでたまり、Yahoo! JAPANのサービスをよりおトクに使えるクレジットカード!- Yahoo!カード
OricoCard THE POINT
「OricoCard THE POINT」は高還元率で、ポイントを貯めやすい年会費無料のクレジットカードです。基本の還元率は1%ですが、入会後6カ月間は特別に2%となります。
さらに、オリコモールを経由してamazonや楽天、ZOZOTOWNなどで買い物をすると、最大15%のポイントが獲得できます。ネット通販を頻繁に利用する人に最適なカードです。
Orico Card THE POINT(高還元率のオリコカード ザ ポイント)|入会キャンペーン
エポスカードVISA
旅行によく行く人には、年会費無料の「エポスカード」がおすすめです。旅行出発前に手続き不要で、海外旅行傷害保険が利用できます。
海外旅行傷害保険は怪我や病気、携行品の盗難・破損などを幅広くカバーしてくれるため、頻繁に海外旅行に行く人に最適です。年会費永年無料のクレジットカードではあまり見られない、充実した補償が特徴です。
また、全国の飲食店や遊園地、カラオケ、美容院などで割引が適用されたり、特典を受けられたりします。ポイントよりも付帯サービスを重視して、年会費無料カードを選びたい人に向いています。
エポスカードエポスカード|エポスカード 年会費永年無料 優待10,000店舗
エポスカードは年会費無料で即日発行可能なクレジットカードです。 自動付帯の海外旅行保険や審査の通りやすさが魅力で、初めてクレジットカードを作る方におすすめ。下記の記事で詳細を説明しているので合わせてご覧ください。
エポスカードは即日発行できる?豊富な特典とメリットを解説します
年会費有料のおすすめカード
年会費有料のクレジットカードは、高いポイント還元率や充実したサービス内容が魅力です。ここでは、特におすすめの有料カードを紹介します。
楽天プレミアムカード
「楽天プレミアムカード」は、年会費10,000円(税抜)のクレジットカードです。プライオリティ・パス会員カードを発行でき、世界120カ国400以上の都市や地域で、900カ所以上の空港ラウンジを利用できます。
さらに、世界38拠点の現地トラベルデスクを利用できるほか、海外・国内旅行傷害保険や動産総合保険なども付帯しており、サービスが充実しています。
また、楽天市場で買い物をすると、スーパーポイントアッププログラムが適用され、お得にポイントを貯められます。
dカード ゴールド
「dカード GOLD」は年会費10,000円(税抜)のクレジットカードです。ドコモ携帯やドコモ光の利用金額1,000円につき、100dポイントが貯まります。つまり、ドコモの携帯やドコモ光ついては、ポイント還元率が10%でお得です。
毎月ドコモ携帯の利用料金が9,000円だとすると、10%還元により1カ月に900dポイント、12カ月で10,800dポイントが貯まり、これだけで年会費の元が取れます。
さらに、携帯電話の紛失や故障などの際は、3年間で最大10万円もの補償が受けられます。同一機種で同一カラーの携帯電話を購入すると、10万円以下であればキャッシュバックされます。
携帯のキャリアでドコモを利用している方におすすめのdカードGOLD。 ドコモの携帯料金をdカードGOLDで支払うと、ポイント還元率が10%になります。 下記の記事で詳細を説明しています。あわせてご覧ください。
ドコモ利用者はdカードGOLDがお得?その理由を詳しく解説します
法人におすすめのクレジットカード
法人向けに提供されているクレジットカードは、ビジネスマン向けのサービスを付帯したものが多く、法人や個人事業主に最適です。ここでは、特におすすめのカードを2つ紹介します。
JCB一般法人カード
「JCB一般法人カード」は、オンラインで申し込むと初年度は年会費が無料で、2年目からは1,250円(税抜)がかかります。そして、カードの発行枚数に関わらず、複数枚のETCカードを無料で発行することが可能です。
また、会計ソフトを利用して面倒な経理作業を効率化できるサービスや、立替精算不要で急な国内出張にも対応できるチケットレスサービスなども利用できます。細かい仕事を速やかに済ませて、業務に集中したい会社や個人事業主に向いています。
初年度年会費無料でポイントがおトクに貯まるJCB法人カード | 法人カードのお申し込みなら、JCBカード
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」は、年会費31,000円(税抜)で、追加カードは1枚12,000円(税抜)で発行できます。設立1年目の法人や個人事業主でも申込が可能です。
海外旅行傷害保険が自動付帯されているほか、空港ラウンジや荷物運びサービス、手荷物宅配サービスなどが利用でき、頻繁に海外出張がある人ほど恩恵を受けられます。
アメックスが発行する法人カード。 限度額が無制限なので、大きな決済でも利用できるおすすめの法人カードです。 審査基準もそれほど高くないので是非申し込んでみましょう。下記の記事で詳細を説明しています。あわせてご覧ください。
アメックスの法人カードって?法人向けの特典やメリットを詳しく解説
まとめ
年会費が有料のクレジットカードは、利用状況によっては年会費無料のものよりお得に使えることもあります。ポイント還元率や受けられるサービスを確認し、自分に合ったカードを選んでください。