リボ払いとは
クレジットカードの支払い方法には一括払いや分割払いなど、いろいろな方法があり、リボ払い(正式名称はリボルビング払い)もそのうちのひとつです。
分割払いとの違い
分割払いでは、買い物ごとにまず支払い回数を指定して、その回数によって毎月の支払い金額が決まります。
一方、リボ払いには、支払い額が毎月一定である『定額方式』と、利用残高が一定の金額を超えるごとに毎月の支払い額が増加する『残高スライド方式』があります。利用件数が増えると利用残高も増加するため、支払い期間が長引きます。
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使い分けが大切
分割払いは電化製品のような比較的高額な商品の購入において、一括払いでは負担が大きい場合に利用するとよいでしょう。
分割払いは利用ごとに毎月の返済額が増加するので、利用の際には月々の支払い額がいくらになるのかを把握しての、計画的な利用が必要です。
リボ払いはどうしても購入が必要な場合に限り、近い時期に一括払いで支払えるなど、返済の目途があるときの一時しのぎ的な利用としましょう。
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リボ払いの金利を計算する方法
リボ払いを利用した際は、毎月の返済時には元本に加えて『金利手数料』が請求されます。この金利手数料とは、いわゆる利息のことです。
リボ払いの金利手数料は、どのように計算されるのでしょうか。具体的に見ていきます。
金利は年率で計算する
リボ払いには金利が設定されています。この金利は特に指定がない限り、通常は利用残高に対して1年間にかかる金利手数料(利息)の割合を表します。なお、金利手数料は以下のように計算します。
- 1カ月の金利手数料=利用残高×金利(%)÷365×請求月の日数(30日・31日など)
クレジットカードの請求期間は通常1カ月なので、1年間にかかる金利手数料から1日当たりの金利手数料を求め、30日または31日といった月日数をかけることで、1カ月分の金利手数料を求めることができます。
リボ払いで支払いをした場合
リボ払いで支払いをした際のシミュレーションをしていきます。
『JCBカード』を利用して4月1日に価格5万円の商品を、金利15.0%、毎月元金を1万円ずつ支払うリボルビング払いで購入した場合、支払いは次のようになります。(1円未満端数は切捨て)
毎月支払い元金:1万円の場合
支払日 | 金利手数料 | 毎月支払い額 | 支払い残高 |
5月10日 | 5万円×15.0%÷365日×25日(※)=513円 | 1万513円 | 4万円 |
6月10日 | 4万円×15.0%÷365日×31日=509円 | 1万509円 | 3万円 |
7月10日 | 3万円×15.0%÷365日×30日=369円 | 1万369円 | 2万円 |
8月10日 | 2万円×15.0%÷365日×31日=254円 | 1万254円 | 1万円 |
9月10日 | 1万円×15.0%÷365日×31日=127円 | 1万127円 | 0 |
支払い元金:5万円/金利手数料支払い額:1,772円/支払い合計額:5万1,772円 |
(※JCBカードでは初回に支払う金利手数料は、毎月15日の締切日翌日(16日)から翌月支払日(10日)までの日割計算となります。したがってこの場合は、4月16日~5月10日までの日数25日間で金利手数料を日割計算します。)
ショッピングリボ払いのお支払い方法|クレジットカードなら、JCBカード
次に、商品の価格と金利は同じで、毎月元金を5,000円ずつ支払うリボ払いで商品を購入した場合をシミュレーションすると次のようになります。(手数料の計算式は省略しています)
毎月支払い元金:5,000円の場合
支払日 | 金利手数料 | 毎月支払い額 | 支払い残高 |
5月10日 | 513円 | 5,513円 | 4万5,000円 |
6月10日 | 573円 | 5,573円 | 4万円 |
7月10日 | 493円 | 5,493円 | 3万5,000円 |
8月10日 | 445円 | 5,445円 | 3万円 |
9月10日 | 382円 | 5,382円 | 2万5,000円 |
10月10日 | 308円 | 5,308円 | 2万円 |
11月10日 | 254円 | 5,254円 | 1万5,000円 |
12月10日 | 184円 | 5,184円 | 1万円 |
1月10日 | 127円 | 5,127円 | 5,000円 |
2月10日 | 63円 | 5,063円 | 0 |
支払い元金:5万円/金利手数料支払い額:3,342円/支払い合計額:5万3,342円 |
リボ払いでは利用残高全体に対して金利手数料が毎月かかります。毎月の支払い額を少額にするほど、利用残高の減少速度が遅くなり支払い期間が長くなるため、同じ利用金額の場合でも金利手数料を多く支払うことになります。
リボ払い利用のポイント
リボ払いのデメリットである支払い期間の長期化や支払い手数料の増加を避けるためには、リボ払いを継続して利用しないことがポイントとなります。
リボ払いを利用した場合は支払い方法の変更・繰り上げ返済などにより、早期に支払いを終わらせることが重要です。
おすすめのリボ払い専用カード
『リボ払い専用カード』とは利用する金額や件数にかかわらず、毎月の支払額を一定にできるクレジットカードのことです。リボ払い専用カードは、一般カードと比べて『ポイント還元率』の高さが魅力のひとつとなっています。
ポイント還元率とは、ポイントを使用するときに、カードの利用金額に対しどれくらいが利用者に還元されるかを表します。
クレジットカードのポイント還元率は0.5%くらいが一般的とされ、数値が高いほど有利にポイントが使えることを意味します。
還元率の比較がポイント
還元率は『ポイントの利用価値÷ポイントを貯める際の利用額×100(%)』で計算します。
また、1ポイントをもらうのに必要なカードの利用額を『ポイント付与率』といい、『ポイント数÷利用金額×100(%)』で求められます。
たとえば次のようなポイントサービスの、クレジットカードがあるとします。
・カードA:1,000円利用ごとに1ポイント付与
・カードB:100円利用ごとに1ポイント付与
この2枚のカードではカードBの方がポイントが貯まりやすく、お得と考えがちです。ポイントを使う際の条件が、次の場合について考えてみましょう。
カード | 条件 | 付与率 | 還元率 |
カードA | ・1ポイント=10円として利用 | 1ポイント÷1,000円×100(%)=0.1% | 10円÷1,000円×100(%)=1% |
カードB | ・1ポイント=0.5円として利用 | 1ポイント÷100円×100(%)=1% | 0.5円÷100円×100(%)=0.5% |
カードAの方が還元率が高く、ポイントに関しては有利であることがわかります。ポイントサービスでクレジットカードを選ぶ際は、付与率より還元率をよく比較し検討しましょう。
エブリプラス
『エブリプラス』は三井住友カードが発行する、リボ払い専用カードです。リボ払い手数料の請求がある月は、ポイントが通常の3倍付与されます。
毎月の支払いに関しては『マイ・ペイすリボ』と呼ばれる、利用者が自身で支払い額を決められる仕組みとなっています。最低支払い金額は5,000円です。
項目 | 内容 |
申込対象 | 満18歳以上(高校生は除く、未成年の方は親権者の同意が必要) |
年会費 | 永年無料 |
利用可能枠 | 10~80万円 |
ポイント | ・『ワールドプレゼント』のポイント:1,000円(税込)利用で3ポイント付与(リボ払い手数料請求月のみ) ・商品との交換や、他社のポイントへの移行が可能 |
その他 | 年間最高100万円までのお買い物安心保険つき |
ワールドプレゼントとは|クレジットカードの三井住友VISAカード
JCB EIT
『JCB EIT(エイト)』は大手クレジットカード会社JCBが発行するリボ払い専用カードです。チェックやドットなどのスタイリッシュなデザインカードの中から、自分のお気に入りの1枚が選べ、毎月の支払い額はお財布事情にあわせて自由に決められます。
特典として『Oki Dokiポイント』が、通常の2倍付与されます。
項目 | 内容 |
申込対象 | 18歳以上で、本人または配偶者に安定した収入がある方。高校生を除く18歳以上の学生 |
年会費 | 永年無料 |
ポイント | ・Oki Dokiポイント:1,000円(税込)につき2ポイント付与(通常の2倍) ・カード利用代金の支払いに、1ポイント=3円で使える ・ショッピングやマイル、Tポイントなど他社のポイントとの交換も可能 |
その他 | 海外旅行傷害保険、ショッピングガード保険が自動付与 |
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まとめ
リボ払いは毎月の返済額が抑えられる便利な支払い方法です。しかし一方では、支払いの長期化や手数料の増加を招きやすいといったデメリットがあります。早期に支払いを終わらせる自信がない場合の利用は控えましょう。