クレジットカードの審査について
クレジットカードの申し込み後には、必ず審査が行われます。審査に通りやすい人と通りにくい人では、どのような違いがあるのでしょうか。
審査に通りやすい人
一般的に審査では、その人がクレジットカードを利用した場合に契約通り『返済していける能力があるか』、そしてカードを発行しても問題がない『信用できる人物であるか』が判断されます。
その判断材料として、個人の『属性情報』と『信用情報』が審査され、カード発行の可否や利用限度額などが決められます。
属性情報とは、年齢・職業・収入など個人に関することで、申し込みの際にすべて記入する必要があります。
そして、信用情報とは主にクレジットカードやローンの利用情報や契約内容、毎月の支払状況や利用残高といった『利用実績』をいいます。
審査結果を決める上で重要となる、これら2つが良好な人ほど審査に通りやすくなります。具体的には次のような条件を満たす場合が考えられます。
- 勤続年数が長い・正社員である
- 毎月の収入が一定の基準を満たし安定している
- 過去に延滞などの事故情報がない
- 利用件数・利用残高が多くない
- 毎月使用し、期日を守りきちんと返済している
審査に通りにくい人
審査に通りにくい人とは、属性・信用情報に何らかの問題がある人です。次のようなことが当てはまる場合は、審査に通りにくいと考えられます。
- 勤続年数が短い・正社員でない
- 収入が安定していない・収入額が審査基準を満たしていない
- 過去に延滞など、何らかのトラブルがある
- 利用件数・利用残高が多い
- 利用実績がない
利用実績がない人とは、過去にクレジットカードやキャッシングなど、ローンを利用した経験がない人のことです。この場合は、返済能力を判断できるデータがない状態であるため、審査では不利となります。
利用実績がない人は、普段のショッピングの際、分割払いにするなどして良好な利用実績を作っておくとよいでしょう。
審査に通りやすくするためには
次に、審査に通る確率を上げるには、どのようなことに注意するとよいかについてみていきましょう。
自分の属性情報を確認する
属性情報は、審査結果に大きな影響を与えます。なかでも、収入と借入件数に関しては特に重要といわれます。属性情報は、申込書類に記入が必要となります。申し込み前に、正確に把握できているかを確認しておくようにしましょう。
申込書類の記入ミスは厳禁
申し込み時の書類に記入する氏名・勤務先・年収などは、提出する本人確認書類や職場への在籍確認、信用情報との照合により、正確な内容であるかを必ずチェックされます。
したがって、審査の印象をよくするために虚偽の内容を記入しても、すぐに明らかとなります。虚偽の申告は申込者の信用度を低下させ、審査によくない影響を与えます。
申し込みの際には事実を記入し、ミスはないかきちんと確認することが大切です。
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どうしても審査に通らない場合は?
これまで挙げてきたような理由がないにもかかわらず、どうしても審査に通らない場合はどのような原因が考えられるでしょうか。
申し込むクレジットカードを変える
まず考えられるのは、審査基準が高いクレジットカードへの申し込みです。クレジットカードは発行会社や種類により、審査基準が異なります。一般的に銀行が発行する銀行系クレジットカードは審査基準が高いといわれています。
カードの種類では、ゴールドカードより一般向けカードの方が審査基準は低くなります。若者向けに年齢を限定したカードであれば、さらに基準は低いと考えられます。
銀行や信販系カードの審査に通らない場合は、これらのカードより審査基準が一般的に低いといわれる、流通系クレジットカードに申し込んでみるとよいでしょう。たとえば、スーパーやコンビニ・ネット通販・百貨店などのカードです。
申し込み前にインターネットなどで情報を確認し、自分の年齢や収入、ライフスタイルに合ったクレジットカードを申し込むことで、審査に通る可能性を広げることができます。
信用情報の開示請求を行う
個人の信用情報は、信用情報機関によって管理されます。現在、日本には『(株)CIC(シー・アイ・シー)』『(株)日本信用情報機構(JICC)』『全国銀行個人信用情報センター(KSC)』の3つの機関があります。
銀行やカード会社などの金融機関は、審査の際にこれらの機関で顧客の信用情報を照会します。そのため、信用情報が審査へ与える影響は非常に大きく重要です。
信用情報機関は、金融機関のみに情報を提供するわけではなく、利用者本人が自分の信用情報を確認することもできます。審査に通らず原因がわからない場合は、自分で信用情報の内容を確認してみるとよいでしょう。
各機関により、加盟する金融機関や業者に違いがあります。また、開示請求には必要書類の提出と手数料が必要です。詳細については各ホームページにてご確認ください。
機関名 | 主な加盟金融機関 | 開示請求方法 |
(株)CIC(シー・アイ・シー) | クレジットカード会社を中心に、信販会社・消費者金融・携帯電話会社などが加盟 | インターネット・郵送・窓口 |
(株)日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融業者を中心に、クレジットカード会社・保証会社・リース会社などが加盟 | |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行・信用金庫・信用組合・農協などが主に加盟 | 郵送のみ |
情報開示とは|指定信用情報機関のCIC
信用情報の開示について |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
本人開示の手続き - 全国銀行協会
事故情報が信用情報から消えるのを待つ
クレジットカードやローンの利用において、返済の遅延・滞納・自己破産などの『個人の信用を著しく損ねる事実』があった場合は、『事故情報』として個人の信用情報に登録されます。
金融機関は、審査や契約期間中に顧客の信用情報の照会を行うため、事故情報を把握することが可能です。したがって、事故情報の登録がある期間中は、次のような制限を受けることになります。
- 新規の借入ができなくなる
- クレジットカードを作ることができない
- ローンが組めなくなる
- 持っているクレッジットカードが利用できない
事故情報は一定の期間、信用情報機関に登録されます。そして、期間が過ぎると自動的に抹消されます。抹消後は、審査に通れば新たなクレジットカードを作ることや、ローンを組むことが可能になります。
一部の登録情報について、登録される期間をまとめました。この他の登録情報については、下記サイトにてお確かめください。
登録内容 | 登録期間 |
契約内容(契約日・契約金額・貸付金額など) 支払状況(延滞・滞納・残高・完済日など) |
・契約期間中および契約終了後5年以内 ・延滞情報に関しては、(株)日本信用情報機構は延滞継続中および延滞解消から1年以内 |
自己破産(※1)・個人再生(※2) | ・(株)CICは自己破産に関しては免責決定日から5年以内、個人再生に関しては登録なし ・(株)日本信用情報機構は5年以内 ・全国銀行個人信用情報センターは10年以内 |
(※1.自己破産とは、借金の返済能力がないことを裁判所に認めてもらうことで、財産を清算して借金の返済を免除してもらうことをいいます。)
(※2.個人再生とは、裁判所を通じて借金を大幅に減額(1/5程度)してもらい、これを3~5年で完済する手続きです。財産を処分する必要はありません。)
CICが保有する信用情報|信用情報について|指定信用情報機関のCIC
登録内容と登録期間 |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
個人情報の取扱い - 全国銀行協会
まとめ
クレジットカードの審査の可否を決めるのは、主に個人の属性情報と信用情報です。この2つの情報をもとに、個人の返済能力と信用度が審査されます。
返済の遅れや滞納、そして多すぎる利用件数や利用残高は審査によい影響を与えません。審査を通るためには、普段から計画的にクレジットカードを利用していくことが大切です。