不正利用に気づいたら
さまざまなシチュエーションで便利に使える反面、悪意を持った者の手に渡ると、大きな被害を生んでしまうのがクレジットカードです。
そのため、旅行中にカードが手元にないことや、通販を通じてカード番号が流出していることに気づいた場合は、できるだけすみやかに適切な対処をする必要があります。
まずはカード会社に連絡しよう
まず、何といってもカード会社に連絡し、カードの利用を停止してもらいましょう。
カード会社のサポートデスクは遅い時間帯でも報告を受け付けてくれるので、紛失や盗難、あるいは悪質な通販サイトの被害にあったことに気づいたときは、時間を置かずに停止手続きを行ったほうがよいでしょう。
旅行先が海外であっても、現地に日本語対応のサポートデスクが設けられている場合もあるので、日本語でスムーズに手続きが行えます。
この届出と同時に、カードの再発行手続きを申請することも可能です。帰国後すぐにカードが必要と思われる場合は、サポートデスクにその旨も伝えておきましょう。
また、カード会社のサービスによっては、旅行中に利用するための臨時カードを発行してくれたり、キャッシングのサポートがあったりするので、その点も確認しましょう。
警察に届け出を出そう
カード会社の次に、最寄り(海外旅行の場合は現地)の警察へ届け出たほうがよいでしょう。
カードの利用を停止していれば、悪意を持つ人間が不正に利用することはできなくなります。しかし、クレジットカードを盗まれたという場合は被害届(紛失した場合は遺失届)を出し、証明書を発行してもらいましょう。
クレジットカードの不正利用に対し、カードに付帯している保険を適用するためには証明書が必要となりますので、警察への届け出も忘れずに行いましょう。
クレジットカードの不正利用で警察に連絡?取るべき対処法を探る
補償されない場合とは
カードには、不正利用による金銭被害が利用者におよばないよう、保険による補償が付帯していることが一般的です。
しかし、状況によってはその保険も使えないことがあり得るので、注意が必要です。
自己に過失がある場合
カードの利用者が基本的な対策を怠っている場合などは、利用者に過失があると判断され、保険が適用されないことがあります。
たとえば、カードの裏面にサインをしないまま使用しているケースです。このサインには、本人確認と所有者としての責任を確認する意味があるので、カードが手元に届いた際には、すぐにサインを書き込むようにしましょう。
もうひとつのケースとして、容易に予測できる暗証番号を使っている場合があります。この場合も、利用者の過失が原因の不正利用被害だと判断されることがあります。
補償の申請期間が過ぎてしまった場合
クレジットカードが不正に利用されていることに気づいたら、すぐに手続きをとりましょう。期限は60日以内です。
万が一そのまま61日以降になってしまうと、保険による補償を受けることができなくなるので、この点にも十分な注意が必要です。
不正利用を防ぐ対策
いろいろと便利だということは、逆説的に、クレジットカードには紛失や盗難、そして不正利用などの被害にあう可能性があることを示します。
ここでは、いくつかの典型的なカード被害について防止策をご紹介します。
基本的な対策
繰り返しになりますが、まずカードを作る際の基本的な事項が大切です。
暗証番号は、自身の誕生日や住所、車のナンバーや保険証の番号など、他の個人情報を元に決めたものは推測されやすいので、使わないようにしましょう。
一方、実家の電話番号や社員番号、あるいは結婚記念日などの数字は、推測されにくいとして、一般的に暗証番号に推奨されています。
また、カードが手元に届いた時点で、かならず裏面にサインを記入しましょう。仮にネット通販専用に使う予定だとしても、どこで紛失したり盗まれたりするか分からないので、かならずサインをしましょう。
海外旅行中の対策
海外の観光地などでは、気づかれないように背後から近づいて、バックパックなどを開けられることがあります。こういった窃盗被害を防ぐには、バックパックはジッパーが露出しないよう、前向きに背負うなどの対策がある程度有効です。
海外で発生する別の手口による被害として、施設内ロッカーなどに格納したカードが、他人のものとすり替えられるということもあります。不正利用を防止するためには、ロッカーから取り出したときに自分のものか確認することが賢明です。
また、ロッカーの鍵に設定する暗証番号などが見られていないか、周囲にも気を配るようにしましょう。
さらに加えると、ニセの警察官がカードの暗証番号を聞いてくる、という犯罪手口もあります。警察官がカードの暗証番号を聞くことはあり得ないので、こういった人間を安易に信用しないようにしましょう。
海外通販サイトを利用する際の対策
最近では、ネット通販などを通じ、海外の業者から商品を購入することも普及しています。そして同時に、悪質なサイトによりカード情報が盗まれ、それが不正利用される犯罪も増えています。
ネット通販を利用するとき、まず確認したいのが、ブラウザに『錠前』のマークが表示されているかという点です。これが表示されているサイトは、SSLという安全な暗号化技術を使用して利用者と通信しています。
この通信方式の場合、URLの先頭の5文字が『https』となるので、それによっても確認できます。
SSLは、第3者が通信内容を勝手に傍受することを完全に防ぎます。また、上記の錠前マークをクリックすると、SSLのサーバーが不正のない会社により正しく運営されている証明書を確認できるので、カードを使う前にチェックするようにしましょう。
他にセキュリティ関連では、悪意のある海外通販サイトがEメール経由でカード情報を請求してくるケースもありますが、これに応えてはいけません。
暗号対策を特別に取っていないEメールは。第3者が内容を見ることも可能です。本来、正式にカード会社と提携している業者がEメールでカード情報を求めること自体、相当疑わしいことです。
海外に限らず、ネット通販を利用する際は、SSLサーバーの証明書を持つ業者の正規の決済ページでカード情報を入力するようにしましょう。
クレジットカードの不正利用。その手口から補償内容まで徹底解説
まとめ
外貨を持つ必要が減少するということで、海外旅行では特に威力を発揮してくれるのがクレジットカードです。
しかし、海外には窃盗などのリスクが高い地域もあります。それが原因でカードを不正利用されないためにも、カードがなくなったことに気づいた時点で、カード会社のサポートへ連絡を入れましょう。
また、カードの裏面にサインをすること、および、暗証番号を推測が難しいものに設定することなどは、不正利用をさせないための基本事項です。それらを怠っていると保険が下りないこともあるので注意しましょう。
海外のネット通販は、SSL通信を使っている正しい業者であるか確認のうえ、取引を行うことをおすすめします。