クレジットカード決済とは
商品の購入者が現金を使わずに買い物ができる、ということがクレジットカードの最大の特徴ですが、そのシステムはどのように機能しているのでしょうか。
クレジットカード決済のお金の流れ
クレジットカード決済は、『消費者』『販売店』『カード会社』の間の信用によって成り立っています。
そのお金の流れですが、まず消費者は、販売店で表示されている価格で商品を購入するため、店頭レジにおいてクレジットカードを提示します。
販売店は、そのカードの情報をカード会社へ伝え承認を受けます。カードの利用歴に問題がない場合は、その旨が返信され決済手続きが行われます。これにより、消費者は商品を入手します。
カードによる決済額は、月に一度の締め日までカード会社で蓄えられます。その合計額はクレジット決済の手数料(加盟店手数料)が差し引かれ、1カ月から2カ月後に販売店側の銀行口座へ振り込まれます。
手数料は店舗が負担
上記のとおり、クレジット決済のシステムは、最終的に販売店が支払う手数料により動いています。
現在では、クレジット会社と販売店の間で結ばれる『加盟店契約』により、消費者にこの手数料を(明示的に)請求することが禁止されているのが一般的です。
クレジットカード決済は集客のカギ
店舗側としては、クレジットカード決済にするにあたって導入コストがかかりますが、クレジットカードが使えるということは、消費者にとってメリットが大きく、結果的に店舗にも利益をもたらし得るものです。
たとえば、クレジットカードが使えないということで購入をためらっている消費者も、カード決済が可能になれば、商品を購入してくれるでしょう。そのようなことから、クレジットカードでの購入は顧客単価が高めになる傾向もあります。
それらを考慮すると店舗側としても、カード決済を導入するメリットはあるといえるでしょう。
クレジットカード決済はどんな仕組み?決済に関するポイントまとめ
クレジットカード決済の手数料はいくらか
クレジットカード決済を導入する店舗側にもメリットがあるとはいうものの、実際にカード決済を利用するときに、どの程度の手数料が必要になるかは大きな問題です。
手数料率は業種による
カード決済のための手数料は、通常、販売代金に対する割合として設定されています。
その率は、カード会社や加盟店の業種によっても変わってくるので一律ではないですが、一般的な目安として以下のようになります。
業種 | カード決済の手数料率 |
飲食店 | 4~7% |
小売り・専門店 | 3~5% |
百貨店 | 2~3% |
家電量販店・コンビニ | 1~1.5% |
手数料を下げる方法はあるのか
店舗のオーナーにしてみれば、事業にかかるコストは小さいほうがよいに決まっています。カード決済にはつきものの加盟店手数料ですが、減額させることは可能でしょうか。
カード会社に交渉する
加盟店手数料を下げる最も直接的な方法が、カード会社と交渉するということです。ただし、加盟店契約に関する規約に明記されている以上、残念ながらその数字は簡単に変更されるとは考えにくいところです。
また、中間に決済代行会社が入っている場合は、そもそもカード会社と直接話ができないということにもなります。したがって、この方法で手数料の減額を達成することは、一般的に難しいといえます。
スマホ決済を導入する
手数料の額を下げさせることが困難だとしても、さらに低い率で導入できる決済手段を選ぶという方法もあります。それが、スマートフォンを使う『モバイル決済』です。
モバイル決済の場合、かかる手数料は概ね3.3%から4.0%の間となり、業種にもよりますがコスト的なメリットを期待できます。
また、モバイル決済を使うもうひとつの大きなメリットとしては、振込が早いという点も挙げられます。
通常カード決済では1カ月程度は待たされるので、店の資金繰りが難しくなることも考えられます。しかし、モバイル決済は最短で翌日の振込が可能であり、資金を効率的に動かせます。
提携しているクレジットカード会社も、国際ブランドは一通り網羅していることがほとんどです。また、電子マネーによる決済にも対応するサービスが多く、商品を購入する消費者側にもメリットがある決済方式だといえます。
2つの導入方法
クレジットカード決済とは、具体的にどのように導入するのでしょうか。
VISAやJCBなどカード会社と直接契約
最も基本的なクレジットカード決済の導入方法はVISAやJCBなど、個別のカード会社に連絡し加盟店契約を結ぶことです。
個人の商店などでも、この方法でカード決済導入は可能ですが、各カード会社それぞれと個別に交渉しなければなりません。提携に関する規約は各社で異なるので、そういったことの細かな管理が時間的コストにもなり得ます。
決済代行会社と契約
クレジットカード決済導入のもうひとつの手法として、カード会社との間に『決済代行会社』を置くというものもです。この場合は代行会社を通すことで、複数のクレジットカード会社と一括して契約が結べます。
決済代行会社を利用するメリット
店舗にとって、代行会社を使いクレジットカード決済の導入をすることには、さまざまなメリットがあります。
契約も問い合わせも窓口を一本化
まず、大きなメリットのひとつとして挙げられるのが、契約の一本化です。店舗側としても、複数に分れる規約を把握・管理するといった負担から解放されるので、管理の手間が大幅に削減されます。
決済に利用できるカード会社も、主要な数社が自動的にカバーされるので、比較的容易に、クレジットカード決済の利便性を自分のビジネスへ導入できます。
カード会社と個別に直接契約する場合、その都度審査を受ける必要が生じますが、決済代行会社を使うのであれば、店舗側が受ける審査は一度だけです。
また、承認を受けやすくする申請上のアドバイスなども得られ、特に個人規模の商売を行う人には、便利なサービスといえます。
システム導入コスト削減
各クレジットカード会社と個別に提携する場合は、それぞれのシステムとの連携を店舗側で用意する必要が生じます。
さらには、コンビニや電子マネーを通じた決済手段に対応するには、また別のシステムを用意しなければなりません。
クレジットカードに関する契約を一本化できる決済代行会社を利用することで、こういったシステム構築のための手間とコストを、大幅に削減することが可能です。
さらに、個人では管理しきれないセキュリティのための仕組みを、決済代行会社が提供してくれることも、大きなメリットのひとつです。
事務処理の効率化
決済代行会社を利用する場合、クレジット決済導入のために作成する申込書はひとつだけです。この点でも、店舗側の事務処理負担は軽減されます。
また、各クレジットカード会社は別々に振込日を設定しおり、各社と直接提携をした場合は、代金回収に関する事務処理が煩雑になりがちです。
決済代行会社は、すべての決済を一本化し同時に振込を行うので、財務的な処理も簡素化することが可能です。
おすすめの決済代行会社を比較
ここでは、クレジットカード決済を導入しようとしている店舗オーナーにおすすめの、カード決済代行会社3社を比較・紹介します。
ウェルネット
ウェルネットは2000年5月から稼動しており、国内主要の航空会社や高速バス会社などでも実績がある決済代行サービスです。
24時間体制のサポートを行っているほか、リアルタイムで決済の情報を確認できるシステムなども提供しています。また、代金が変更になった場合でも、常に最新の金額で決済が行われます。
提携しているクレジットカード会社は、VISA、MASTER、JCB、AMEX、DINERSで、さらに店舗側が契約済みであれば、三菱UFJニコス、DC、UFJ、NICOSなどにも対応可能です。
加えて、コンビニ各店舗や銀行ATM においての支払いや、電子マネー決済なども対応しています。決済情報を通信するためのモジュールも、ウェルネット側が無償で提供しており、接続などにかかる負担も軽くなっています。
マルチペイメントサービス - 高速バス コンビニ決済 電子決済 / ウェルネット
GMOペイメントゲートウェイ
GMOペイメントゲートウェイは、ネットショップのための決済代行に力を入れていますが、稼動歴は20年以上あり、国税庁や東京都など公的機関との提携実績もあります。
主要なクレジットカード会社のみならず、『Apple Pay』や『 LINE Pay』、携帯電話キャリアを通じての決済など、多様な決済手段をカバーしている点も大きな特徴です。
加えて、締め日や締め回数、入金までの期日などを店舗側が設定できるオプションサービスも用意されており、柔軟な資金繰りを実現できます。
決済手段が沢山あってセキュリティが万全なネットショップなら | GMOペイメントゲートウェイ
イプシロン
イプシロンも、GMOインターネットグループに属する企業で、ネットショップ向けの決済代行サービスを提供しています。法人と個人どちらでも、比較的簡単に申し込めるのが特徴です。
決済に使えるクレジットカード会社は、、VISA、MASTER、JCB、AMEX、DINERSをカバーしており、他にコンビニやネット銀行、そして電子マネーなども利用可能です。
また、ゆうパックであれば割引価格の商品配送が可能で、ネットショップ経営にはおすすめのサービスとなっています。
まとめ
個人でネットショップや実店舗を経営している場合でも、クレジットカード決済を導入することには複数のメリットがあります。
カード決済を導入するには、加盟店手数料をカード会社に支払わなければなりませんが、スマートフォンを使うモバイル決済にすると手数料の削減が可能です。
一見、難しそうに感じられるクレジットカード決済ですが、カード会社やその他の決済会社との契約を一本化してくれる決済代行会社を利用すると、管理がシンプルになり便利です。