クレジットカードによる振込について
クレジットカードを持っている人の中には、銀行振込にクレジットカードが使えないかと考えたことがある人もいるでしょう。クレジットカードを銀行振込に使うには、どうすればよいのでしょうか。
カードが使えればポイントが貯まる
クレジットカードを銀行振込に使えると、その分クレジットカードのポイントが貯まるのでお得です。銀行振込は金額が大きくなることもあるので、かなりポイントが貯まるでしょう。
また、「今月は現金が足りなくなりそう」というときにも、クレジットカードで銀行振込ができると、支払いを実質翌月以降に引き延ばせるので助かります。
基本的にカードでの振込はできない
こんな風に、クレジットカードを銀行振込に使えると便利でお得ですが、基本的にクレジットカードを銀行振込に利用することはできません。
銀行振込は『為替取引』という取引の一種のため、為替取引は銀行法によって銀行固有の業務と定められています。
クレジットカードはカード会社が取り扱う決済手段であり、カード会社は銀行ではないので、クレジットカードを銀行振込には使えないのです。
また、クレジットカードのショッピング枠を現金化することは禁止されていますが、銀行振込にクレジットカードを使えてしまうと、自分の口座に振込すれば現金化できてしまいます。
このようないくつかの理由から、クレジットカードを銀行振込に使うことはできないようになっているのです。
(リサーチラボ)銀行業と「為替取引」:銀行規制の適用範囲のあり方 : 日本銀行 Bank of Japan
クレジットカードを用いて振込する主な方法
クレジットカードを直接銀行振込に使うことはできませんが、何らかのサービスを経由した間接的な方法であれば、銀行振込に使うことも可能です。
キャッシング枠の利用
クレジットカードには、『キャッシング枠』が付いていることがあります。キャッシング枠とは、クレジットカードの利用可能額のうち、カード会社が定める範囲内でお金が借りられるサービスのことです。
キャッシング枠で借りたお金を銀行振込に使えば、クレジットカードで銀行振込をしたのと同じといえるでしょう。
キャッシング枠の利用分は、ショッピング枠の利用分と合算されて引落日に口座から引き落とされるので、現金が足りないときに便利です。
ちょコム送金の利用
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社の子会社の、NTTスマートトレード株式会社が運営する、『ちょコム送金』を利用するという方法もあります。
ちょコム送金とは、事前に開設したちょコム送金口座から、別のちょコム送金口座や銀行口座に送金できるサービスのことです。
ちょコム送金内だけで使える送金用電子マネーを購入し、その電子マネーを送金するという仕組みになっています。
送金用電子マネーの購入にはクレジットカードが使えるので、クレジットカードで銀行振込をするのと同じ状態にできるのです。
ただし、送金には支払金額の4.18~5.50%+252円の高い手数料がかかること、同姓同名の人の口座には送金できないことなどに注意しましょう。
コンビニで振込をする方法
コンビニ振込用紙も、基本的に現金のみの取り扱いでクレジットカードは使えません。しかし、クレジットカード払いする方法があります。
nanacoの利用
セブンイレブンでは、コンビニ振込用紙の支払いにクレジットカードは使えませんが、電子マネーのnanaco(ナナコ)は使えます。そして、nanacoはクレジットカードでチャージ可能です。
nanacoをクレジットカードでチャージしてnanacoでコンビニ振込用紙の料金を支払えば、クレジットカードでコンビニ振込用紙の料金を支払ったのと同じ状態にできます。
なお、コンビニ振込用紙の料金を支払っても、nanacoポイントは貯まりません。しかし、nanacoをクレジットカードチャージするときにnanacoポイントが貯まるので、間接的にコンビニ振込用紙の料金の支払いでnanacoポイントを貯められます。
クレジットチャージ|電子マネー nanaco 【公式サイト】
ファミマTカードの利用
クレジットカードで直接コンビニ振込用紙の支払いをしたいという人は、ファミマTカードを使いましょう。
ファミマTカードは電子マネーを経由せずに、直接コンビニ振込用紙による家賃や公共料金、携帯電話料金などの支払いに使えます。さらにTポイントも貯まるので、大変お得です。
自動車税や国民年金保険料などの税金類も支払えますが、税金類はインターネット経由での支払いのみで、店頭では支払えないので注意しましょう。また、ファミマTカードはリボ払い専用のクレジットカードです。
リボ払いにしたくないという人は、月々の支払金額をクレジットカードの利用可能額に設定しておけば、1回払いと同じ状態にできるので、設定を忘れないようにしましょう。
WAONの利用
ミニストップでは電子マネーのWAON(ワオン)がコンビニ振込用紙の支払いに利用可能です。
WAONはクレジットカードでチャージができるので、クレジットチャージしたWAONをコンビニ振込用紙の支払いに使えば、実質クレジットカードを振込に利用できます。
ただし、WAONによるコンビニ振込用紙の支払いの取り扱いは2019年11月17日23時59分で終了するため、以降この方法は利用できなくなります。
「電子マネーWAON」での収納代行サービスのお取り扱い終了について
残高確認はきちんとしよう
クレジットカードを銀行振込やコンビニ振込用紙の支払いに利用したあとは、きちんと利用残高を確認しましょう。
銀行振込や公共料金、税金などのコンビニ振込用紙による収納代行は金額が大きいケースも多いものです。
ポイントが貯まるから、現金が足りないからといって、どんどんクレジットカード払いにしていると、利用可能額をオーバーしたり、支払いが困難になったりする可能性があります。
そのような事態を防ぐためにも、今いくらくらい使っているのか、利用可能額はあとどれくらい残っているのかを、こまめに確認して管理することが重要です。
利用額や限度額など情報の反映時間
多くのカード会社が会員専用のサイトを用意していますが、サイト上の利用明細にクレジットカードの利用額が反映されるまでには数日かかります。
クレジットカード払いを受け付けた店舗がカード会社にデータを送り、そこから利用明細に反映するので時間がかかるのです。
店舗によっては、1カ月のクレジットカード払いの金額を集計したあとにまとめてデータを送るため、利用明細への反映に数カ月かかるケースもあります。
油断していると、うっかり使いすぎたり残高不足を起こしたりするので、自分でも利用残高や利用可能額を記録しておくことが大切です。
カードを利用後、どれくらいでVpassのご利用明細に反映されますか? | 三井住友カード
残高不足の場合の対処
クレジットカードの利用残高の確認も重要ですが、クレジットカードの代金引落口座の残高確認も重要です。口座の残高不足で引き落としができないと、クレジットカードの利用が止められます。
もし、入金忘れなどで残高不足を起こした場合は、すぐにカード会社に連絡して謝罪し、今後の対応を確認しましょう。
カード会社によって再引き落としがあったり、カード会社の口座に入金が必要だったりと対応が異なるためです。
入金の確認が取れれば、数日でクレジットカードの利用は再開されます。きちんと支払いができなかったのは自分のミスなので、誠実な対応を心がけましょう。
何度も繰り返した場合のリスク
1~2回支払いが遅れた程度では、そこまで大きな影響はありません。しかし、支払いの遅延を何度も繰り返していると、その情報が信用情報機関に記録されるので、別のクレジットカードやローンの審査に通りにくくなります。
また、クレジットカードの利用限度額を大幅に減額されたり、最悪の場合クレジットカードを強制解約されたりするリスクもあるので、支払いの遅延を繰り返さないようにしましょう。
まとめ
クレジットカードを直接銀行振込に使うことはできませんが、キャッシングや送金サービスの利用で、間接的に銀行振込に使うことは可能です。
また、コンビニの振込用紙の場合はファミマTカードを使うか、電子マネーを経由すれば、クレジットカード払いができます。
銀行振込や公共料金などの収納代行は金額が大きくなりやすいので、利用残高をしっかり確認して、使いすぎないようにしましょう。