クレジットカードの強制解約・退会とは
カード会社が強制的に利用者のクレジットカードを解約することを強制解約、または強制退会と言います。
もちろん、利用規約に沿った使い方をしている分にはいきなり強制解約・強制退会させられることはありません。しかし、後述するような悪質な利用者に対しては、事前の予告なく強制解約・強制退会という措置が取られることがあります。
解約されてしまう原因とは
クレジットカード会社から強制解約をされてしまった場合、利用者側に何らかの落ち度があることが考えられます。でなければ、通常このような強権を発動することはありえません。
そして、カード会社にとっては最終手段になる強制解約を受けてしまう原因については、一般的に以下の3つの原因が考えられます。
長期間または繰り返しの延滞
強制解約を受ける原因のなかで最も多いとされるのが、クレジットカード利用代金の支払いを延滞してしまった場合です。
3度、4度と繰り返し延滞をしてしまった場合や1回の延滞でも長期に渡っていた場合に、カード会社がこれは単なるうっかりなどではなく、故意によるものだと判断することで強制解約されてしまうことがあります。
この場合、カード会社が利用者側の個人的な事情を考慮することはほぼありません。入院していたなどの同情の余地がある場合でも、カード会社から請求書は送られているため、故意でない場合は家族に支払いを頼むなどしておくことが必要です。
不正利用を故意にしてしまった
不正利用で解約されてしまった場合、「故意に」というところが肝心になります。そのため、第3者が勝手に不正利用していた場合ですと後から解約を解消できます。ただし、その場合でも、自分が行動しないと不正利用をした扱いのままになります。
不正利用というのは利用規約に違反するような使い方をすることを指します。いくつか種類がありますが、一般的なクレジットカードの利用を心がけていれば問題になることはありません。
以下がその不正利用の代表例になります。
本人以外が利用した
これは例え家族などの親しい関係にある人にクレジットカードを貸した場合でも不正利用になります。そのため、気軽にクレジットカードを他人に貸してはいけません。
また、その際に何かトラブルが起きてもカード会社は何の補償も行いません。むしろ、不正利用が発覚するなど、さらなるトラブルが起きるだけなので、家族と言えどもクレジットカードの貸し借りは避けましょう。
クレジットカードの現金化
こちらは違法ではないのですが、カード会社の規約では禁止されています。発覚した場合も、最も厳しい判断、一発で解約となるカード会社が多くあります。
そのため、こういうことを勧める業者によく注意して、関わらないようにすることが大切です。
自分の信用情報に問題が発生した
俗に言うブラックリストにのってしまったという場合です。ですが、実際にはそんなリストは存在せず、個人の信用情報に事故情報として記載されるというのが本当のところになります。
この信用情報で重要視されるのは、他社のクレジットカードに延滞があることや消費者金融に借金があることなどです。つまり、カード会社からすると、もしかして自分の会社も払ってもらえなくなるのではと判断されてしまうわけです。
そのため、芋づる式に複数のクレジットカードが使えなくなってしまう事態に発展してしまうこともあります。
解約されてしまったその後は?
解約されたらそれでお終いとならないのが、この強制解約の怖いところになります。そのため、それぞれの原因に対し今後どのような問題が起こるのかを想定する必要があります。
ブラックリストにのる場合もある
先ほども出てきたブラックリストですが、すべてがのるわけではありません。上で紹介した3つの原因では、延滞のなかでも特に61日以上または3ヶ月以上の延滞があった場合に、普通の延滞とは違い事故情報として個人の信用情報にその旨が記載されます。
そのような事故情報が記載されると、住宅ローンを組むなどのほぼすべての金融取引が5年間できなくなります。ですので、たかが延滞と侮ってはいけません。
延滞は特にその後が厳しい
では、事故情報扱いされなかった延滞は何の問題もないのかというと、そんなことありません。なぜなら、この延滞をしてしまったという情報はきっちり自分の信用情報に記載されるからです。
そのため、他のカード会社で新しくクレジットカードの申請をしようとしても通りづらくなってしまうことがあります。特に繰り返しの延滞がある場合は要注意です。
解約された会社の再契約は難しい
個人の信用情報という様々な会社で共有される情報とは別に、その会社内で強制解約されたという情報はきっちり残っています。この場合はいつ解消されるか分かりません。
ですので、どのような原因で強制解約になったかに関わらず、同じ会社で再びクレジットカードの契約ができるかというと、極めて難しいと言えます。
まとめ
いきなりクレジットカードが解約されたとなると、とても焦ってしまうのではないでしょうか。しかし、そんなときでもまずは冷静にそうなった原因を分析してみて下さい。
そして、原因がはっきりしたら、今度はそれによって何が起こるのかを正しく把握することが大切です。そうすれば、被害拡大を最小限度にとどめたり、今後の対策を立てられたりするようになります。