デビットカードとクレジットカード
クレジットカードの代用品として使えるデビットカードですが、クレジットカードとは何が違うのでしょうか。デビットカードの概要と、デビットカードとクレジットカードそれぞれの特徴を知っておきましょう。
デビットカードとは
デビットカードとは、銀行口座と連携させて使用する代金支払用のカードのことです。見た目はほとんどクレジットカードと変わりません。
カード番号・有効期限・名義人・セキュリティコードの記載があり、国際ブランドも付いています。使用方法もクレジットカードと同じです。
店舗での支払いではレジに通し、ネットショッピングでの支払いでは、カード番号や有効期限などのカード情報を入力します。ただし、デビットカードとクレジットカードには、利用代金の支払方法に大きな違いがあるのです。
デビットカードの特徴
デビットカードは、店舗やネットショッピングで代金を支払うとすぐに、連携している銀行口座から利用代金が引き落とされます。そのため、連携している銀行口座の預金残高を超える支払いはできません。
また、1回の支払額や1日、1カ月あたりの支払額に上限が定められているものもあります。支払額に上限がある場合、預金残高がどれだけあっても、上限以上の支払いはできません。
さらに、カードの利用可能時間が定められているものもあります。例えば、『みずほJCBデビット』は月~金曜日は24時間使えますが、土曜日は0~22時、日曜日は8~24時の間しか使えません。
クレジットカードの特徴
一方、クレジットカードの利用代金は、1カ月分がまとめて翌月、翌々月に銀行口座から引き落とされます。
また、人それぞれに『利用可能額』が設定されており、その範囲内であればいくらでも代金を支払うことが可能です。銀行口座の残高は一切影響しません。
利用可能時間などもなく、24時間365日、いつでも支払いに使えます。ただし、引落日に銀行口座の残高不足で利用代金が引き落とせなかった場合は、利用停止されるので注意が必要です。
デビットカードの仕組みを知ろう
ここでは、デビットカードの引き落としの仕組みについて、さらに詳しく解説します。また、購入をキャンセルした場合の返金までの流れも理解しておきましょう。
引き落としの仕組み
まず、デビットカードの引き落としの基本的な仕組みです。
- 利用者がデビットカードで代金を支払う
- 店舗から銀行に、デビットカードの利用日と利用情報が伝えられる
- 銀行が利用者の銀行口座の預金残高を調べ、引き落としを実行する
- 後日店舗からデビットカードの利用日と売上情報が伝えられる
デビットカードの利用日と利用情報は、基本的に自動ですぐに送られるので、引き落としも利用後すぐに行われます。
ただし、店舗側の事情で利用情報の送信が遅れた場合は、引き落としも遅れるので、銀行口座の預金残高をしっかりチェックしておきましょう。
利用から引き落としの流れ
前述のとおり、利用者がデビットカードで代金を支払うと、すぐに銀行に利用情報が伝えられて預金残高が調べられ、引き落としが行われます。
ただし、店舗は後から取引の成立を確定するために、銀行に売上情報を送らなくてはなりません。売上情報が期限までに送られてこなかった場合は、取引が成立しなかったとして引き落とされた利用代金が返金されます。
キャンセルと返金の流れ
利用後にすぐ銀行口座から利用代金が引き落とされるとなると、購入をキャンセルした場合はどうなるのでしょうか。キャンセルから返金までの流れを見てみましょう。
- 利用代金の引き落とし実行後、購入をキャンセルする
- 店舗から銀行に購入のキャンセル情報が伝えられる
- 銀行が引き落とした代金を銀行口座に返金する
このように、一旦銀行口座から代金が引き落とされるものの、キャンセル情報が伝わった時点で返金してもらえます。
デビットカードで分割支払いはできるか
高額なものを購入するときに、予算の都合上分割払いをしたいという人もいるでしょう。しかし、デビットカードで分割払いはできるのでしょうか。
原則分割払いは不可能
前述のとおり、デビットカードは利用後すぐに店舗から銀行に利用情報が伝えられ、利用代金が引き落とされる仕組みになっています。よって、原則分割払いはできません。
どのカード会社のデビットカードでも利用代金の引き落としの仕組みは同じなので、分割払い不可です。どうしても分割払いをしたい場合は、クレジットカードを利用しましょう。
アマゾンやヨドバシなどの対応
ネット通販で人気のアマゾンやヨドバシカメラは、多数の支払方法やクレジットカードに対応しています。
デビットカードも利用可能ですが、やはり分割払いができるのはクレジットカードのみで、デビットカードによる分割払いは非対応です。
Amazon.co.jp ヘルプ: 分割払い・リボ払いについて
ヨドバシ.com - お支払い方法
月々の支払いについて
分割払いができないデビットカードですが、携帯電話料金や公共料金といった、月額払いには使えるのでしょうか。
スマホや公共料金などは可能な場合も
デビットカードの多くは、月額払いに対応していません。また、サービス提供側が、デビットカード不可としていることもあります。
携帯電話料金や公共料金などは、デビットカードが利用できることもあるので、1度問い合わせてみるとよいでしょう。
例えば、au・docomo・ソフトバンクは、携帯電話料金の支払いにデビットカードが使えます。ただし、使えるデビットカードの種類が決まっているので、事前に調べておきましょう。
なお、月額払いにデビットカードを使用して、銀行口座の預金残高不足で引き落としができなかった場合、デビットカードの利用が停止される可能性があります。引落日前後の預金残高には注意が必要です。
月額払い対応のおすすめカード
月額払いに使えるデビットカードでは、『楽天銀行デビットカード』がおすすめです。携帯電話料金や公共料金の支払いに利用可能で、さらに利用額の1%のポイントが付与されるので、月額料金がお得に支払えます。
『JNB Visaデビットカード』もよいでしょう。月額料金の支払先が拡大されており、携帯電話料金や公共料金、新聞代、NHK受診料など、さまざまなサービスでデビットカードが使えます。
どちらも年会費・発行手数料ともに無料なので(※)、自分が使いやすい方を選ぶとよいでしょう。
(※楽天銀行デビットカードのシルバー・ゴールドは、年会費がかかります)
はじめてのデビットカード、デビットカードとは?|楽天銀行
JNB Visaデビットカード|ジャパンネット銀行
まとめ
デビットカードは、即時引き落としで使い過ぎを防げる便利な代金支払用カードです。クレジットカードと同じように利用できますが、即時引き落としが原則なので、分割払いには対応していません。
高額商品の購入などでどうしても分割払いにしたい場合は、デビットカードでの支払いはあきらめて、クレジットカードを使いましょう。
また、デビットカードは、携帯電話料金や公共料金などの月額払いにも使えないことがあります。
デビットカード対応のサービスでも、利用できるデビットカードの種類が限定されていることがあるので、前もってデビットカードの利用の可否と種類を調べておきましょう。