クレジットカードのポイントの仕組みは?
たとえ一括払いで何かを購入しても、クレジットカードのポイントはもらえます。一括払いなら金利がつかないからどこも儲からないはずなのに、なぜポイントがもらえるのでしょうか。
カード利用者にお店が商品の割引をするために、ポイントを利用者に与えているのでしょうか。それとも、クレジット会社が、カード利用のお礼にポイントを与えているのでしょうか。まず、ポイントの費用をどこが負担してして、何のために与えているかを解説します。
ポイントの費用はどこが負担している?
クレジットカードで買い物をすると、ポイントが貰えるというのは半ば常識になっています。たとえばポイント還元率が1.0%とすると、10万円のカバンを買った場合、1,000ポイントが貰えます。
そのポイントの原資は、加盟店手数料なのです。加盟店とはカードが使えるお店のことです。そのお店でカードを使って支払いが行われる度、その代金の何%かの加盟店手数料が差し引かれます。したがって、お店で10万円買い物をしても、そこに10万円がそのまま入るわけではないのです。
お店はクレジットカードが使える利便性と、購入代金を確実に回収できるメリットがあるので、加盟店となり手数料をカード会社に支払っています。その加盟店手数料がポイント還元に使われているのです。
加盟店 | カード会社 | 会員 |
カード会社に加盟店手数料支払い | 会員にポイントを付与 | カード会社からポイント受取 |
ポイント還元率に差が出る理由は?
ポイント還元率はカード会社によって異なります。大手カード会社よりも中小のカード会社の方が、ポイントの還元率が高い傾向にあります。
なぜなら、大手はポイントキャンペーンなどを打たなくても十分な会員がいて、自社のカードの認知度を広める必要性はあまりないからです。中小のカード会社は自社のカードをもっと広めて会員数を増やしたいので、そのメリットとして高いポイント還元率を導入するのです。
クレジットカードのポイント還元率が高い場面
カード会社が利用者のクレジットカード利用で得られる利益は、カード利用の場面て異なります。利益の出る場面の代表は以下の3つです。
- 分割払い:金利による利益
- 提携ショップ等での利用:リピーターの買い物による利益
- 海外旅行での利用:多額の買い物による利益
これらの利用には、通常より高めのポイント還元率を設定して、カード利用を促すのです。
分割払いでの利用のメリット
カードの利用でもらえるポイントは、一括払いよりも分割払いの方が高く設定されている場合がほとんどです。分割払いのポイントアップキャンペーンは頻繁に行われています。
分割払いだと、商品代金だけでなく、分割払いの金利手数料もカード会社に入ってくるので、その分ポイント還元できるという仕組みなのです。
分割払いの金利は10.0%~15.0%程度と以外に高いので、ポイントを還元しても元が取れるのです。なお、最近ではリボ払い、という言葉もよく見られますが、これは分割払いの一種です。
分割払いは最初から支払う回数が決まっているのに対し、リボ払いは支払い回数を利用者が決められる支払い方法です。
決められたショップ等での利用のメリット
決められたショップやショッピングサイトで買い物をするとポイント2倍、という仕組みもよく見られます。ある一定期間だとさらに2倍、などと、購入を促すキャンペーンも打たれます。
これは、そのショップやショッピングサイトとカード会社で提携して、広告宣伝を行っているのです。キャンペーンを行っているショッピングサイトでは、そのカードのポイントが使えます。
ですから、ポイントを自分のショップやショッピングサイトで使ってもらうために、ポイントが高く設定されているのです。このポイントアップの仕組みは、流通系カードでよく見られます。
海外旅行での利用のメリット
海外旅行の代金は高額であり、カード会社にとっては貴重な利益源です。また、海外旅行では財布の紐もゆるくなりがちです。
ほとんどの人が複数のクレジットカードを持っているので、その中で自社のカードを使ってもらうために、高いポイント還元率を設定しているのです。
ただし、日本では禁止されていますが、海外では加盟店手数料を買い物客に求めるケースもあるので、利用には注意が必要です。せっかくポイントを多く貰っても、買い物自体に手数料を取られては意味がありません。
クレジットカードポイントの交換先と還元率
カードの利用で得られたポイントを何に交換するかによって、実際のポイントの還元率は変わってきます。1ポイントが5円相当の交換先もあれば、3円相当にしかならない交換先もあるのです。
代表的な交換先は、ショッピングポイント・マイル・商品券です。これらのうち、どれに交換すればお得なのでしょうか。それぞれの交換先の特徴について解説します。
ショッピングポイントや商品券への交換
流通系のカードはそのままポイントが使えるところが多いですが、銀行系や信販系のカードの場合、なにか使えるポイントに交換しなければなりません。交換率が交換先のポイントによって違うので、注意が必要です。
また、ポイント還元率の高さに惹かれてカードを作ったものの、自分が普段使わないショッピングサイト等のポイントに交換出来なければ意味がないので、カードを作るときにはポイントの交換先を調べておく必要があります。
ポイント交換先によっては、通常ポイントではなく、期間限定ポイントへの交換になっている場合があるので、ポイントの利用計画に応じて交換のタイミングを図ることが大切です。
マイルへの交換
ポイントをマイルへ交換できるクレジットカードもあります。ただしポイント交換率は低めで0.3%くらいのところがほとんどなので、実質のポイント還元率は低くなります。
特に流通系カードだと、マイルに交換してもらってもカード会社にとってあまりメリットがないので、交換率が低くなります。マイルの使い道で一番多いのは航空運賃での支払いだからです。マイルを貯めたいなら、航空会社系のカードがおすすめです。
また、年会費が高く、会員資格も厳しいゴールドカードもマイルへの交換率が高くなっています。
商品への交換
商品カタログが用意されていて、その中から所有ポイントに応じて好きな商品に交換できます。ポイント交換率は高めに設定されているので、もし商品カタログの中に、自分が欲しい商品があれば交換するのも選択肢の一つです。
ただし、商品に交換する、というのは昔のカード会社のポイント交換の名残で、利用する人はあまりいません。あまりめぼしい商品が用意されていないからです。
ブランド品も商品カタログに入っていますが、ブランド品の交換に関しては交換率が低くなっていることが多いのです。ポイント交換率が有利なショッピングポイントに交換して購入した方がお得になっています。
まとめ
カードが使えるお店になるためには加盟店になり、カードでの買い物の度に加盟店手数料をカード会社に支払わなければなりません。お店には10万円払っているつもりでも、実際には手数料が引かれて、10万円そのままは入ってこない仕組みなのです。
その加盟店手数料の一部が、ポイントとして還元されます。そしてそのポイントがカード利用促進に使われます。結果、会員はポイントを貯めるために、加盟店で買い物をするのです。
ポイントシステムはクレジットカード会社にとっても、加盟店にとっても、会員にとっても、メリットのある仕組みになっています。
クレジットカードのポイントについて。作り方から貯め方、使い方まで